ティグレスがPUMASを危機に陥れる
メキシコサッカー前シーズンリーグ王者がリギージャ(プレーオフ)進出を目指し、ホームで再び今度はPUMAS相手に大量得点をし、その道のりを力強く歩みだし相手チームを押し留める
PUMASは完全にチームとして、その機能を失ってしまっている。彼らの勝ち点18は、リギージャ(プレーオフ)進出圏外に留まり、さらには彼ら(ヴェラクルス、モレリア、プエブラ)との対戦が待っているトーナメント終盤において不十分に見える。
対ティグレス戦で再びリカルド・フェレッティ率いるチームの有効な攻撃陣に苦しめられ、彼らのホームで大量失点という結果を招き、前シーズンリーグ王者がシーズン終盤へ向かって前進するための大きなサッカー的議論を巻き起こした。パレンシア監督は、このような危機を解決する手段を知らない。
ある曇った午後エスタディオ・ウニベルシタリオにおいて、ティグレスはPUMASを迎え撃った。PUMASのチームにおけるムードはティグレスと対戦するのにベストなものではなかったのに加えて、両チームの間でここ最近における対戦はホームチームに有利な方向へ働く傾向がある。PUMASはニコラス・カスティージョとヘラルド・アルコバが欠場であったが、現時点におけるベストメンバーでスタメンを組んだ。マスコミは、ボールを対戦相手から奪って得点を挙げるには複雑で難しいと予想していた。
ティグレスのポテンシャルは、他のメキシコサッカーリーグのチームと比較して随一のものである。その攻撃力は力強さとスピード溢れるコンビネーションであり、そのアクセルを一度踏んだ時は止めることがほとんど不可能である。前半14分、ハヴィエル・アキーノのスルーパスはPUMASの2人のセンターバックの間を抜け、イスマエル・ソーサの前に到達し、アラン・メンドーサを猛スピードで振り切り、アルフレッド・サルディヴァルの向こう側へ押し込んで先制した。
ティグレスはボールを供給するための明確な形を持っており、どんな相手に対してもその循環は相手を揉み消し、同じようにダメージを与えるのである。彼らは可能限りPUMASの攻撃回路を遮断し、深みへはまっていくようにしむけた。通常それはホームチームにスペースを与えるか、少なくともそのようにトライをし、彼らのリードを拡げようとする。前半33分、ヘスス・ドゥエニャスが突然ペナルティエリア内に入ってきて、ためらいもなくシュートを放ったが、これは惜しくも外れた。
複雑な前半45分は、彼らPUMAS選手たちの表情にも現実として表れていた。ハヴィエル・コルテスは空に向かってキックをしていたし、マティアス・ブリトスは同じようにピッチのターフに向かってしていた。少なくとも机上の計算上、PUMASにとってリギージャ(プレーオフ)進出への道は複雑になりつつあることによる無力感、怒りと絶望が彼らの上を覆っていたのである。ティグレスにとって勝ち点3は、PUMASに取って代わってその順位を上げることになる。ピッチ上の両チーム選手たちには、それが分かっていた。
そして、ティグレスは再び攻勢を強めた。後半8分、左サイドから今度はユルゲン・ダムが攻め込み、アラン・メンドーサはその厳しいスピードに苦しんだ。ここ数シーズン前にティグレスへ加入した背番号25番は、ペナルティエリアの端でボールを受けると、彼についていたマークを外し決定的なゾーンまで侵入し、アルフレッド・サルディヴァルを交差するゴールを挙げた。彼はサイドというPUMASのウィークポイントを明らかにしたのである。
後半20分、ユルゲン・ダムが再びそのウィークポイントを突いた。今度はギド・ピサーロがスルーパスを供給し、ダリオ・ヴェロンとの競り合いに勝ち、ペナルティーエリア内に入って、アルフレッド・サルディヴァルを制した。エスタディオ・ウニベルシタリオは、今シーズンそれまで不調な成績であったホームチームの復活に沸いた。PUMASは、そのティグレスに対して反応することが、ビルドアップすることが、そして彼らの相手陣内へ攻め込むことが出来なかった。どのラインにおいても、ティグレスがPUMASを圧倒した。
全てが理想的に相手を劣勢に押し込んだとき、アンドレ・ピエール・ジニャクがボールを受け、パブロ・ハケスを交わしてゴールに向かって、この夜4点目となる力強いクロスシュートを放った。PUMASは、もうすでにピッチ上に実質上存在していなかった。そして王者ティグレスは、リギージャ(プレーオフ)進出するために本命としてそのチーム状態が復活したことを力強く示したのであった。