両チームが攻撃偏重で、点の奪い合いになる展開となった首都ダービーの情熱
PUMASとクラブ・アメリカは準決勝 1stレグでドロー、ピッチとスタンドにおいて高ぶった感情の対戦
オリンピック・スタジアムは激しい感情でいっぱいとなり、非常に異なった両チームがお互いのミスを消し合う激突。準決勝は決勝へのステップとして非常に高い代償を伴うので、1stレグはお互いの感情が剝き出しとなった。
近年は事件は起きていなかったものの言うもがな高い危険を潜めた対決のため、スタジアム周辺は警官で埋まった。オリンピック・スタジアムは寒かったが、これもあまり意味がないことだった。重要であったのは、22人のスターティングメンバ―を励ますための熱いハートだった。
スタンドはいつものように、大部分がPUMASサポーターで埋め尽くされた。そしてクラブ・アメリカがアウェイで訪れる時は、通常よりもさらにその傾向が強い。彼らに主導権を渡さないような、結果が必要であったからだ。PUMASは前半リズム良く試合に入ったが、クラブ・アメリカの守備陣を崩すことが出来ず、2ndレグへ向けて良い結果を掴むために少々期待外れの感がサポーターにはあった。
PUMASはボールを支配し攻撃するがクラブ・アメリカは規律良く守り、逆に前半21分ディエゴ・ライネスの先制点がオリンピック・スタジアムを静まり返らせた。彼の自信溢れるプレーはヴィクトル・マルコラよりも老練で、サイドから抜き去った後にアルフレッド・サルディヴァルのニア―ポストを脅かすシュートだった。クラブ・アメリカがリードを奪ったが、PUMASサポーターによる選手たちへの𠮟咤激励は衰えなかった。
追い付くのは、時間の問題のように思われた。PUMASサポーターのプライドが、それを後押しした。クラブ・アメリカのゴールキーパー:アグスティン・マルチェシンは、何度もドローになる場面を救った。スタジアム全体が深呼吸をしながらそれを見守り、両手を挙げながら叫び続けた。アラン・モソの中央から放ったシュートがマルチェシンを脅かしたが、惜しくもゴールポストをすり抜けた。
パウル・アギラールがあわや追加点かという瞬間に、オリンピック・スタジアムのハートが止まりそうになった。しかし後半に入って、PUMASは息を吹き返した。アラン・モソのセンタリングを中央でフリーになったマルティン・ロドリゲスが押し込んで、ついに追い付いた時に観客席は最高潮となり、感情が爆発した。
フェリペ・モラとカルロス・ゴンザレスは追加点を挙げるチャンスを掴んだが、クラブ・アメリカのディフェンス陣はそれを許さなかった。ダヴィッド・パティ―ニョとミゲル・エレラ両監督はお互いの交代要員を投入したものの、試合はPUMASが優勢でクラブ・アメリカの首根っこを鷲掴みにした。
そして迎えた後半27分、ヘンリー・マテウスが放ったシュートをルイス・キンターナの手がそのコースを阻むプレーをビデオ・アシスタントレフェリーでレビューした結果、クラブ・アメリカがペナルティキックを獲得。しかしロヘル・マルティネスが緩く蹴ったボールをアルフレッド・サルディヴァルにセーブされ、絶好のチャンスを潰した。
スタジアムはサルディヴァルを称え、ピッチとスタンドにおいて高ぶった感情の試合となった。アステカ・スタジアムにおける2ndレグは、両チームが決勝戦に進出するために持てる全てを出し切って争う試合となる。