Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコサッカー1部リーグ、そしてPUMASに関わる特徴など

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◆各TOPクラブの資産価値ならびに選手推定年棒

※ちなみにあくまでもこれは移籍市場のインターネットサイトに今日現在記載されている数字であり、移籍した際の移籍金などとは全く別の金額です

 

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  • CFモンテレイ

クラブ資産価値:約94億5千万円
推定年棒TOP3
ロヘリオ・フネス・モリ、ヘスス・ガジャルド、ジョナサン・ゴンサレス:約6億3千万円

 

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  • UANLティグレス

クラブ資産価値:約90億3千万円
推定年棒TOP3
ハビエル・アキーノ:約6億3千万円
エネル・バレンシア、エドゥアルド・バルガス、ラファエウ・カリオカ:約5億6千万円

 

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  • クラブ・アメリカ

クラブ資産価値:約76億4千万円
推定年棒TOP3
ニコラス・カスティージョ:約7億5千万円
ロヘル・マルティネス:約6億3千万円
アンドレス・イバルグエン、レナト・イバーラ:約3億7千万円

 

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  • PUMAS

クラブ資産価値:約35億2千万円
推定年棒TOP3
ファン・マヌエル・イトゥルベ、カルロス・ゴンザレス:約3億7千万円
フェリペ・モラ、マルティン・ロドリゲス、ヴィクトル・マルコラ:約3億1千万円

 

◆PUMASというチーム、それにまつわるメキシコサッカー1部リーグの事情

PUMASは昔から高額な外国人選手と契約して補強をするよりも、ユースアカデミー出身の若手選手に積極的に出場をする機会を与え、ゆくゆくはメキシコA代表に招集されるような逸材を育てるクラブです。加えてクラブ自体の補強予算が限られており、今シーズンで言えばクラブ・アメリカへポルトガルサッカー1部リーグから再びメキシコへ戻ったニコラス・カスティージョがPUMASへの復帰を熱望していましたが、そう出来ない事情がありました。ニコラス・カスティージョには早くからクラブ・アメリカやCFモンテレイが交渉をしていましたが、年棒の金額の折り合いがつかず最後までもつれた結果、ミゲル・エレラ監督がどうしても欲しいということで、上記の現在メキシコサッカー1部リーグで最高年棒となった訳です。

 

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もう一つ注目しておきたいのは、ホームゲームが日曜日の正午キックオフという点です。メキシコシティは標高が海抜2500メートルあるうえに、この時間帯はちょうど太陽が高く上がり、年間の平均最高気温が27度と数字以上に暑くなる傾向にあります。よって普段から金曜日のナイトゲームや土曜日の夕方からキックオフをするチームが多い中、特殊な環境でのプレーを強いられるために各ライバルチームの選手たちが持っているパフォーマンスを十二分に出来ない場合が多いように見受けられます。そういった様々な要素に加えて比較的早く(1996年)からアルゼンチンサッカー1部リーグに模倣して2シーズン制を導入、リギージャ(プレーオフ)によってシーズン王者を決めるというシステムもあって、必ずしも高額な選手が多いビッグクラブのみがリーグ優勝をしていないという特徴があります。

 

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◆2019年後期ステージに、開幕ダッシュが出来なかった理由

ダヴィッド・パティ―ニョ元監督が記者会見でよく言っていたのが、シーズンオフからプレシーズンそしてリーグ開幕までの期間が約2週間弱しかなかったという点が、まず最初に挙げられるでしょう。特に外国人選手たちはクリスマスや年末年始休暇を母国へ戻って家族と過ごす傾向が強いため、メキシコへ戻ってきてチームに合流してもフィジカルコンディションを元の状態まで戻すのに時間が掛かるでしょうし、フォーメーション練習なども満足に出来ないであろうと考えられます。

 

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次に常にスタメン出場している選手たちが、2018年前期ステージを終えてから十分な休養を取れなかったであろうという推測です。特にPUMASは、ベストイレブンを必ずしも毎試合揃えて試合をしていませんでした。これには他チームのように、リーグ戦とカップ戦をローテーションを利用できるだけの十分な陣容が無いという理由が考えられまをす。もちろんカップ戦はユースアカデミー出身の若手選手への活躍の場を与えるという動機がありますが、あくまでもそれはグループリーグを勝ち抜くまでの話であって、決勝トーナメントともなればリーグ戦のスタメンを起用して当然クラブは勝ちに行く場面が出てきます。

 

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これはメキシコに限った話ではないと思いますが、こういった両トーナメントに加えて各国A代表へ戻ってFIFA親善試合ウィークや、各大陸におけるワールドカップ予選やトーナメントへの出場をすることも多々あります。過密日程によって最低限必要なオーバーホールが出来ないままシーズン終わりまで体を酷使し、結果古傷の再発や激しいプレーの連続による負傷は避けられません。こういった状況を出来る限り避けるためにもローテーション制を取るのが理想的なのですが、そう出来ない台所事情があるのも片方事実です。よって今シーズン開幕前にレアンドロ・アウグスト副代表が『補強はしない』という発言をしたことで、選手間にも大きな反響がありました。一番目立ったものは、カルロス・ゴンザレスが反発をメディアに対してしたものでした。

 

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こうして彼自身もトレーニング中に負傷をしてしまい、第2節から第3節まで出場することが出来なくなりました。前シーズンに9得点をマークした点取り屋が欠場し(第5節に復帰するも、完調には程遠い状態)たことに加え、唯一ともいえる彼らに得点を挙げるためのセンタリングパスを供給していた主将のパブロ・バレーラが第3節でイエローカード2枚を受け、退場処分。

 

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そして最後に強調しておきたいのは、昨シーズンからPUMASには右サイドのパブロ・バレーラとも言える左サイドハーフがいないという点です。そのポジションにはマルティン・ロドリゲスがスタメンを張っていますが、必ずしも毎試合コンスタントにセンタリングパスを供給出来ていません。唯一の補強選手:ヘイソン・アングロがその穴を埋めるようにという期待がされておりますが、少なくとも元所属していたデポルティーボ・カリにおける評判は芳しくないようです。

 

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そんな中、期待を抱かせるパフォーマンスをしている若手選手たちも少なくありません。まずは右サイドバックのアラン・モソ。実質昨シーズンにスタメンに定着した選手ですが、メキシコサッカー1部リーグのTOPレベルにあるライバルチームの選手たちとの対峙に苦労しているように見受けられますし、上手くいかない時に悔しさをあらわにするばかりイエローカードを貰ったりしていましたが、今シーズンの出来はなかなか素晴らしいものがあります。

 

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そして昨シーズンからメキシコサッカー2部リーグのメリダ・ヴェナードスFCから移籍した、22歳のアンドレス・イニエストラ。ユーティリティなプレーヤーで、どのポジションも無難にこなすのは心強いばかりです。

 

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最後に今のPUMASにおける最大の弱点とも言える、センターバックのパブロ・ハケス。スタメンのアレハンドロ・アリバスが負傷がちなのに加え、ユースアカデミー出身のルイス・フェルナンド・キンターナが安定した守備が出来ない中、彼は目立たないですが確実に成長を続けています。彼らがゆくゆくはメキシコサッカーA代表に招集されるようになった時、PUMASは念願の8度目のリーグ優勝に限りなく近づくことが可能になるでしょう。