Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ2019年後期 第15節 裏話

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今シーズンの両チームが歩んできた道のりと保っている陣容をプレビューした際に、PUMASが勝利を収める可能性は極めて低い、よって今節でリギージャ(プレーオフ)進出の可能性は断たれるだろうなと戦前から考えていました。

 

そして、それは今シーズンの全19節をスタジアムで生観戦するという目標を達成する意欲(今シーズンほぼずっとモチベーションを保つことに苦労しましたが)が消えること。最終節にトレオン市(コアウイラ州の南西部)へ遠征することを断念することを意味します。

 

当日は日曜日午後6時キックオフ予定ということで、その日中にメキシコシティへ戻る飛行機が無い、夜行バスであると14時間(翌日午前正午ごろ到着予定)、しかも月曜日は仕事のため朝9時には出社しなければなりません。最初から厳しい見通しであったと言えばそれまでですが、そういった困難を乗り越えてこそシーズン皆勤賞の重みがあると自身には言い聞かせていました。

 

 

話題を試合当日に戻します。アステカ・スタジアムのサポーター仲間がチケットを受け渡しする場所は、駐車場の8番扉といって正門(トラルパン大通りや路面電車の駅がある)側の真裏(一番奥)にあり、スタジアムの外周をぐるっと回らないとたどり着けない場所にあります。これまで何度も行っていたので事前に分かっていたのですが、今回は以前に住んでいた場所に立ち寄ってから行ったこともあって、仕方なく20分くらい歩きました。

 

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メキシコシティが本拠地のチーム同士によるダービーマッチ(スペイン語では、クラシコ・ホベン=若者のダービーと呼ばれている)なので通常はかなり入場者が多い傾向にあるのですが、今シーズンのPUMASがあまり成績が振るわないということもあって、最大収容人数である8万7千人の約3割以下という有様。いつもはぎゅうぎゅう詰めになるビジターチームのサポーター席である2階スタンドも、真ん中あたりに仕切りが移動していたくらい(要するに、詰め込んだ状態)でした。

 

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PUMASは4-4-2のフォーメーション。
今シーズンを通して、ずっと同じの基本的なフォーメーション。ただ今節のスタメン2TOPは、それまでカルロス・ゴンザレスとフェリペ・モラであったのがカルロス・ゴンザレスとヴィクトル・マルコラ。そして主にカップ戦で先発出場していたファン・マヌエル・イトゥルベが1列下がって、左サイド。このポジションは今までプレーをしていなかったせいもあり、サイドから駆け上がってセンタリングパスをする際に吹かして正面のスタンドへミスする場面もあり。ただ後半からポジションを本来のTOP下に変えて、先制点のきっかけとなるペナルティキックを獲得。

 

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対するクルス・アスルは4-3-3。
前節からの変更点は、左サイドのマルティン・カウテルシオに代わってオルベリン・ピネダが1列上がった点と、その空いた中盤の真ん中にラファエル・バカが入った点。中盤においてPUMAS守備陣による度重なるルーズボールを拾われて、オルベリン・ピネダにペナルティーエリアのすぐ外からミドルシュートを打たれたり、カウンターアタックからミルトン・カラグリオとのワンツーで抜け出したりしていました。

 

その肝心のディフェンスラインにおけるつまらないルーズボールを拾われたり、前線へフィードパスをする際に、ハンドを犯したりして再三に渡って相手にチャンスを献上していたのがパブロ・ハケスとイドゥケル・ドミンゲスの2人でした。

 

 昨シーズンの第8節:クラブ・レオン戦(アウェイゲーム)の際に、

 パブロ・ハケスの後ろというポジションでした。この瞬間に自分は今シーズン、この若手ユース出身選手をずっと追いかけて見ようと決めました。

と書きました。これまで見てきた印象としては、マークをする相手フォワードが大柄な場合はマンマークが上手いのですが、逆に小柄ですばしっこい相手フォワードのような場合は苦労をする感じでした。


片方今シーズン第5節でスタメンデビューをしたイドゥケル・ドミンゲス。最初の2~3節くらいまでは起用したブルーノ・マリオ―二監督の期待に応えて良い働きをしていましたが、その後メキシコサッカー1部リーグにおける経験不足や一線級のライバルチームに対してスピード負けしたりしていました。

 

そして何より強く感じたのは、これら若手選手たちに対するダービーマッチという重圧です。特にパブロ・ハケスはこのアステカ・スタジアムでの前シーズン第7節のクラブ・アメリカ戦:首都ダービー

 で、相手が数的不利なうえに2-1とリードして迎えた後半ロスタイムにボーンヘッドで同点に追いつかれる失態。

 

さらには昨シーズンのリギージャ(プレーオフ)準決勝2ndレグ(アウェイゲーム)

 でまさかの6失点という大敗を喫したトラウマのようなものが、まだ残っているのではないか?と思えるほど、この試合でも凡ミスを繰り返していました。

 

具体的に挙げると、まず前半7分。イドゥケル・ドミンゲスが中盤で相手フォワードによるプレッシャーを受け、エドガル・メンデスにボールを奪われると、カウンターアタックから前線へいたオルベリン・ピネダに繋がれ、ゴールキーパーと1対1に持ち込まれたものの、最後はミルトン・カラグリオへラストパスが通らず窮地を脱したもの。

 

次に、前半25分。全く同じような形でイドゥケル・ドミンゲスが後ろにバックパスを試みようとした瞬間に、相手フォワードにボールを奪われサイドに叩かれた後、エドガル・メンデスがエリア内右サイドからフリーでシュートを打たれるも、アルフレッド・サルディヴァルによるセーブで事なきを得たもの。

 

先制点を献上するきっかけとなったのも、ペナルティーエリア内でボールをトラップした相手をパブロ・ハケスが倒してしまったものでしたし、追加点のきっかけとなったのもパブロ・ハケスがペナルティーエリア外でハンドを犯して、フリーキックからのプレーでした。

 

この試合、通常はスタメン出場しているセンターバックのアレハンドロ・アリバスが負傷が癒えずにベンチ入りすらせず、代わって出場したのがパブロ・ハケスでした。

これまで個人的に同じポジションのルイス・キンターナよりも安定した守備を見せていた印象が強かったのですが、周りの選手たちとの連係ミスやいろいろな原因が考えられますが、いずれにしてもイドゥケル・ドミンゲスと共にリギージャ(プレーオフ)進出に相応しいチームのディフェンスラインとはお世辞にも言えない出来でした。