Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ2020年後期 第9節 レビュー

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ミッチェル監督は、アルフレッド・サルディヴァルを改めてスタメンとして承認

 

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PUMASの監督:ミゲル・ゴンザレス”ミッチェル”は、ゴールキーパー:アルフレッド・サルディヴァルに自信を寄せていると述べ、改めてスタメンから外さないと承認した。

 

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「考えていない。」と、試合後の記者会見における最後に「ゴールキーパーの交代を考えているか?」 との問いに対して、答えた。しかしミッチェルは彼のエラーは明らかだったとして、それらは試合において高価についたと言った。

 

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「今日は我々が、相手チームより良い出来だった。これは本心であって、クラブ・アメリカには敬意を表する。犯したエラーは非常に高く付いた。ウチのチームは非常に成功していて、同時に間違いを犯した。」

 

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最後にエンリ・マルティンやフェデリコ・ビニャスのようなフォワード陣をマークするには、もう少し厳しく行くべきだと付け加えた。 

「危険を犯したし、激しくマークに行った。あの意図を良く理解している、アグレッシブさが欲しい。ビニャスやエンリをマークするには、もう少しいつもとは違って激しく当たりに行かないといけない。我々は、ただボールを取りに行っただけだったと言える。試合がフェアだったか?とかアンフェアだったか?を語る意味は無い。ウチのチームは、後半素晴らしい試合をした。とても良いフィーリングだった。」

 

  

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今シーズンのベストゲーム。ミッチェル監督は「我々の進むべき道は、これだ。」

 

贔屓目無しに見て、第2節(対ファレス戦4−4)以来の今季ベストゲームでした。内容は素晴らしかったのですが、どちらのゲームも惜しむらくはそれまで勝ち越していて、最後の最後で追い付かれてしまい勝ち点2を失ったところでしょう。

 

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この試合ミッチェル監督はここ2節の連敗を受けて、初めてフォーメーションとスターティングメンバーを代えました。それまでの4ー2ー3−1から4−4−2へ。そして左サイドハーフをセバスチャン・サウセドからビクトル・マルコーラへ、カルロス・ゴンザレスのワントップであったフォワードをファン・ディネンノ(トップ下だったファビオ・アルバレスをベンチに下げて)とのツートップへシフトしたのです。

 

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それではこの試合における、特筆すべき点を挙げていきます。最初に左サイドバックのアラン・モソ。クラブ・アメリカの若きメキシコ代表ミッドフィルダー:セバスティアン・コルドバとの攻防はほとんどの場面で競り勝っていましたし、おかげでミゲル・エレラ監督は後半18分に彼をベンチに下げて、ロヘル・マルティネスを投入せざるを得なくなったのです。さらには相手3人に囲まれながらもそれを突破し、再三のチャンスを創出。後半に入ってからは彼が右サイドを突破して、カルロス・ゴンザレスへのセンタリングをスルーしてのファン・ディネンノがシュートであるとか、こぼれ球をディネンノがヘディングシュートという場面は目立ちました。極め付けは3点目の追い越し弾で、彼が自陣左サイドへ奪ったボールをハーフライン付近まで持ち込んで、セバスチャン・サウセドへ叩いた後に生まれました。

 

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次にこの試合のマンオブザマッチに選ばれた、ビクトル・マルコーラ。ミッチェル監督は、彼をなぜ起用したのか?という報道陣の問いに対して、普段のトレーニングにおいて常に違いを見せていたからだと答えていました。負け越していた状況からの自ら飛び出して決めた同点弾もさることながら、主に前半に見られた左サイドを中心にアレハンドロ・マヨルガとのワンツー(ラストパスが少し長過ぎて、直接点には結びつかなかったものの)も非常に効果的でしたし、全てのセットプレーは彼とパブロ・バレーラがキッカーを務めており(特にホアン・バスケスへのセンタリングは、決まりませんでしたが)ケースバイケースで二人が蹴り分けていて、先制点の起点にもなりました。加えて彼はユーティリティプレーヤーでもあるので、時には右サイドからも攻撃に参加していました。

 

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そしてマルコーラとセットプレーのキッカーを務める、パブロ・バレーラの復調も見逃せません。再三に渡って右サイドを突破し。特に後半開始早々のプレーは最後に相手ディフェンダー:ホルヘ・サンチェスのスライディングで防がれましたが、今までにないキレがありました。また前半負傷したマルコ・ガルシアに代わって出場した、レオネル・ロペスの左サイドへの展開も見事でした。彼はもともとクラブ・アメリカの選手であったので、この首都ダービーで存在感を示そうという決意が感じられました。ボランチとして、ほぼ完璧な機能をしていました。

 

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クラブ・アメリカの得点は、ほとんどがセットプレーからでした。先制点のフリーキックは、3枚の壁の真ん中にいたゴンザレスが飛ばなかった隙を突かれました。3点目は左サイドのコーナーキックで、セットプレーで上がっていた相手ゴールキーパーのオチョアが手前でジャンプして競り合ったこぼれ球をイニエストラがマークに付いていたエンリ・マルティンに決められたもの。また相手が右サイドをパウル・アギラルとホルヘ・サンチェス、レオナルド・スアレスのトライアングルを利用して、傘にかかって攻撃していたのを止められなかったことは、今後の修正点となるでしょう。

 

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気になるのは、両センターバックがここ毎試合のようにイエローカードを受けている部分です。ニコラス・フレイレとホアン・バスケスの2人は、さすがに鉄壁の守備でほぼ完璧であったと思いますが、要所要所でフレイレが相手の足を踏ん付けてしまったり(幸いカードは出ませんでしたが)、その後のプレーでマヨルガが相手のジャージを引っ張って倒してしまい、先制点のフリーキックとなってしまいました。負傷明けで前節途中出場したフレイレはこの試合からスタメンに戻りましたが、今後はもう少し改善していかないと致命傷に繋がりかねません。

 

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最後に、後半の両チーム監督が行った選手交代がキーポイントとなったことを挙げて終わりたいと思います。残り10分でミッチェル監督はニコラス・フレイレを下げてセバスチャン・サウセドを、エレラ監督はフェデリコ・ビニャスを下げてラモン・フアレスをそれぞれ投入。前者は2点目のマルコラへの対角線のセンタリングと3点目の起点となるファン・ディネンノへのスルーパスを供給。後者はディフェンスを5枚にして守りに入ったものの、その甲斐もなく2失点を喫しました。しかし最後のカードだった、パウル・アギラルに代わって出場したジョバニ・ドス・サントスがサルディヴァルの前で遮っていたのは、見逃せないポイントであったと思われます。お互いに両センターバックを下げてまでリスクを冒す総力戦だった、見応えのある今年の首都ダービーでした。