Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ2020年ガーディアンズ リギージャプレビュー2

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さてここからは、個人的なPUMASの今シーズンにおけるリギージャ(プレーオフ)参戦の感想を述べていきます。まず第1に私がメキシコに永住をすると決意したのは他ならぬPUMASが8度目のリーグ優勝をする瞬間にスタジアムで立ち会うためであります。残念ながらこのコロナウイルス感染で未だにスタジアムにおける観戦は認められておらず、万が一仮に今シーズンそれが達成されてもその夢は叶いません。

 

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次に今レギュラーシーズンの成績ですが、過去5年において最もリーグ優勝に近付いた2015年前期ステージ(リギージャ決勝戦2ndレグにおいて、ペナルティキック決着で敗退=準優勝)の際のチームと比較して、同じ全17節で11勝4敗2分けの勝ち点35に対して、今シーズンは8勝1敗8分けの勝ち点32。これは1996年にメキシコサッカー1部リーグが2シーズン制となって初めてのことであり(かつホームゲームで無敗)、それまでの記録であった2敗のみというのは、過去にリーグ優勝をしている2004年2011年の後期ステージのシーズン(共にレギュラーシーズン総合順位表第2位)であります。

 

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確かに数字だけ見ればその通りなのですが、ここでポイントとなるのは8分けという記録の内容です。例えば第3節のホームゲーム対FCファレス戦。前半8分で相手チームの選手が退場処分となり、ほぼこの試合数的有利で戦えていたにもかかわらず、後半9分に先制した後その約10分経過した際に追い付かれたままドロー。ここから4節続けてドローという結果になり、さらに第12節のホームゲームで対クルブ・ネカクサ戦でドローの後、第14節を挟んで同じく4戦ドロー。見方によれば勝負強いとも取れますが、実際には詰めが甘いというのが現実でしょう。

 

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得失点の割合でいうと、29得点で17失点(参考までに2015年前期ステージは37得点=最優秀攻撃陣で、20失点=最少失点第2位)。これは第3位のクラブ・アメリカに次いで最優秀攻撃陣でありますが、首位のクラブ・レオンと第9位のCFパチューカによる14失点に次ぐ第7位のCDグアダラハラと同じく失点の少ない守備陣とも言えます。しかしながら、トーナメントの約3割にあたる6試合でレッドカードを受けるというのは、それだけ自身の試合運びを不利にしており、上手く戦っていればそれだけ勝ち点が増え首位のクラブ・レオンに対してアウェイゲームで負けたものの、その試合自体もレッドカードで戦局が変わり唯一の敗北を喫したわけです。

 

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最後にここ数年におけるリギージャにおける成績。比較的レギュラーシーズンは、その大部分を進出圏内を維持するものの、いざ本番となると内弁慶さを露出する結果を繰り返しているのが現実です。ことメキシコサッカー1部リーグは、レギュラーシーズンとリギージャはまったく別のトーナメントとよく言われます。確かにいかにレギュラーシーズンにおいて快進撃で好成績を収めても、いざリギージャをプレーする際にそれまでとは全く違ったチームであるかのように敗退していくチームを過去に何度も目の当たりにしてきました。

 

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結論から言うと、レギュラーシーズンにフィニッシュした成績をそのまま鵜吞みに出来ない。シーズン前に特に大きな選手補強をしたわけでもない、いわゆるここ数年従来通りの下部組織出身若手選手たちを中心に、外国人選手たちが要所要所で活躍をする陣容。加えてこれは現代サッカーの特徴とも同じですが、過半数の得点はセットプレーが起点となったもので、相手の守備陣を完全に崩して取ったものは極めて少ない=安定した攻撃陣(2015年前期ステージは37得点で、ほとんどが試合の流れの中で相手を崩し切って取ったもの)ではないということ。そして最大の課題は今シーズンチームの精神的な支柱であり守護神であったメキシコ代表ゴールキーパー:アルフレード・タラベラが最終節に大怪我をしてしまい、リギージャまでに間に合う可能性が低いということから過大な期待はどうしても出来ないということです。