PUMASがアステカ・スタジアムにおいてクラブ・アメリカを倒し、リギージャ(プレーオフ)敗退させる
PUMASは終始力強く戦い序盤の先制点を逆転し、アステカ・スタジアムにおけるクラブ・アメリカの無敗記録に終止符を打つ
アステカ・スタジアムにおけるクラブ・アメリカの無敗記録は、レギュラーシーズンを通して首位を守り積み重ねた勝ち点であったが、それも今回の敗北で無に帰した。そうこれがリギージャであり、全ての参加チームがそれを知っていて、メキシコサッカー1部リーグそのものである。PUMASのアステカ・スタジアムにおける1−3という力強い勝利は、クラブ・アメリカを冬休みへ追いやりPUMASは準決勝へ進出した。全ての前評判(レギュラーシーズンを通して、良い勝ち方をしたなど)はこの準々決勝で何の意味がない結果となったので、クラブ・アメリカは再び考え直すために出直すことになった。
水曜日の1stレグが行われたオリンピック・スタジアムではスコアレスドローであったため、ゴールの歓喜は無かったし、クラブ・アメリカは敢えて攻撃をしなかった。そして総合順位表において上位であったため、アドバンテージがあった(このまま再びスコアレスドローでも、準決勝進出)。しかしアステカ・スタジアムでは、喉が涸れるほどの歓声が上がった。PUMASは力強さに欠けたが、今度は逆転しクラブ・アメリカにとって脅威であると思わせた。
サンティアゴ・ソラーリ監督は1stレグではあまり攻撃を仕掛けなかったが、今度は攻撃の人数を増やしたものの得点チャンスに溢れていたわけではなかった。攻撃をする意図はあったもののそれをゆっくりとしていて、いくつかの速攻はあったもののコンスタントに行っていなかった。前半11分、ロヘル・マルティネスがアルトゥーロ・オルティスからボールを前線で奪い、そのままドリブル突破しペナルティーエリア内で倒された。主審:マルコ・アントニオ・オルティスは、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によるレビューもせず、ペナルティーキックを宣告。クラブ・アメリカが先制した。
次に訪れたのは、PUMASのプライドを賭けたプレーだった。チームは意気消沈せず、戦法を変えなかった。ファン・ディネンノによる2度のヘディングシュートがゴールバーに嫌われたり、ギジェルモ・オチョアによるロングフィードから、エンリ・マルティンがマーク見失ったニコラス・フレイレを置き去りにし、ゴールキーパーとの1対1の局面で放ったシュートはアルフレード・タラベラの間一髪のセーブで弾かれた。
しかしPUMASの信念は変わらなかった。前半29分、ニコラス・フレイレが自陣からアラン・モソへロングフィード。右サイドでボールをトラップしたモソは、そのままペナルティーエリアへ突進。これに対してクラブ・アメリカはサルバドール・レジェスもマウロ・ライネスもマークに付けず、ゴール前中央で待っていたワシントン・コロソに向かって上げたセンタリングは、そのままゴールに吸い込まれていった。
これであと1点で準決勝進出となったPUMASは、前半42分、今度は中盤でボールを持っていたファビオ・アルバレスが振り向きざまにパス。これをアラン・モソがそのまま右サイドをドリブル突破し、またもやゴール前中央から走り込んだワシントン・コロソへタイミングがピッタリのセンタリングを上げ、ゴールに突き刺し逆転。
クラブ・アメリカはこれで、総合順位表において上位であるアドバンテージはもう関係無くなった。とにかく1点を返さなければ、準々決勝敗退が決まる。ソラーリ監督は、リチャルド・サンチェスを下げて、中盤における才能があって均衡を崩せるセバスティアン・コルドバを投入。ここでエンリ・マルティンが右サイドからのセンタリングをペナルティーエリアの真ん中で胸トラップして、そのままオーバーキックで同点かと思われたシュートを放ったが、これは惜しくもオフサイドの判定でノーゴールとなった。
さらにクラブ・アメリカ中盤からの攻撃に厚みを増す為にミゲル・ラユンとフェデリコ・ビニャスをそれぞれ投入するも、PUMASはヘロニモ・ロドリゲスを前者へのマンマークを付けディフェンスに集中する布陣を取った。そして後半終盤にまたもや右サイドからアラン・モソがセンタリングを上げ、今度は後半途中から出場していたイゴール・メリタオがペナルティーエリア中央に走り込みながらヘディングで合わせて、ダメ押しとなる3点目。
レギュラーシーズンに17試合で2敗、しかもホームでは無敗であったクラブ・アメリカをアウェーで逆転勝利を上げたPUMASは、リギージャでは2015年前期ステージ以来6年ぶりに首都ダービーを制し、準決勝進出を果たした。
