クルス・アスルはアステカ・スタジアムでPUMASと再び相見え、試合を制する
クルス・アスルは、ホームのアステカ・スタジアムで白星を挙げることが急務であった。というのも、リーグ戦第5節の対クルブ・ネカクサ戦では前半30分過ぎに先制しつつも、後半残り5分とアディショナルタイムに逆転され、続く第7節のサントス・ラグーナ戦でも先制された後の後半15分に同点に追い付いたにも関わらず、またもやアディショナルタイムに逆転されていたからである。そしてクルス・アスルは、改めて勝ち点3を挙げることに成功した。これはメキシコリーグにおいて、順位表の上位からこれ以上離されないと同時に、CONCACAF(北中米カリブ海地域)チャンピオンズリーグの準々決勝2ndレグに備える上でも重要であった。対するPUMASは試合の肝心な時間帯にガス欠をしてしまい、この敗戦はCONCACAFチャンピオンズリーグにおける同じく準々決勝において敗退したかのように見える現状を反映している。
クルス・アスルが最初に迎えた先制のチャンスは前半6分、バイタルエリア付近からのセットプレー。ホセ・イグナシオ・リベロが蹴ったフリーキックはアルフレード・タラベラが守るゴールの右隅を襲ったが、タラベラのセーブで辛くもコーナーキックへと逃れた。PUMASも前半15分、左サイドからセバスチャン・サウセドから中央にいたファン・ディネンノへパスしたボールを、一度レオネル・ロペスへ叩き右サイドへ展開しつつ、ジオゴ・デ・オリヴェイラから再度ペナルティーエリアの真ん中にいたファン・ディネンノへというダイレクトパス。最初のシュートはパブロ・セサル・アギラルに止められたが、打ち直したシュートはニアポストへ直撃。弾いたボールをホセ・デ・ヘスス・コロナが抑えた。
試合はそのまま両チームの凌ぎ合いで迎えた前半28分、クルス・アスルは左サイドのコーナーキックから、ニアポストでパブロ・アギラルがヘディングで流したボールを最後はルイス・アブラムが放ったシュートのリバウンドが、ディフェンダー:ヘロニモ・ロドリゲスに当たりゴールへ吸い込まれて先制。
しかしその2分後、PUMASがクルス・アスルのペナルティーエリア内における素晴らしいトライアングルパスで同点に成功する。アルトゥーロ・オルティスからのビルドアップを右サイドでボールを受けたアラン・モソが中央にいたレオネル・ロペスへ展開、一度ファビオ・アルバレスへ叩き、ペナルティーエリア左へドリブルで侵入しつつ、これをジョゼ・ロジェーリオとレオネル・ロペスの2人が連続でヒールパスして相手守備陣を完全に崩しきり、最後は完全にフリーとなったファビオ・アルバレスがシュートを決め、あっけなく追い付いた。
その後勢いに乗るPUMASは前半42分、バイタルエリアの真ん中にいたファン・ディネンノが右サイドへ展開したジョゼ・ロジェーリオへ叩き、ペナルティーエリアの端っこからシュートを放ったものの、これはホセ・コロナが何とか弾いて事なきを得た。前半の後半はクルス・アスルが何度かゴールオプションを創ったが、アルフレード・タラベラがことごとくこれを抑えてハーフタイムを迎えた。
後半はクルス・アスルが試合の主導権を握ったが、PUMASもこれに対してカウンターで応戦。後半5分にはカルロス・ロドリゲスのセンタリングをインターセプトしたアルバレスがそのまま前線へフィード。ハーフライン付近からロジェーリオが右サイドのオリヴェイラへ。ペナルティーエリア内へドリブル突破し、最後に放ったシュートはホセ・コロナの正面を突いた。続く後半8分、アルバレスがピッチのスリークォーターから再び右サイドのオリヴェイラへ。これをペナルティーエリアの左サイドまで駆け上がったアルバレスにセンタリング。トラップは上手くコントロールしたものの、最後のフィニッシュ精度を欠きゴールマウスの外へ。さらにその直後ヘロニモ・ロドリゲスが今度は左サイドのロジェーリオへ展開し、エリア内へ走り込んだアルバレスから最後はロジェーリオがシュートしたものの、これも大きく吹かせてしまう。さらに後半15分、ディフェンダーからロングパスを受けたファビオが左サイドからロジェーリオへ絶妙なスルーパス。しかしこれは懸命に戻ったセサル・アギラルがクリアし、コーナーキックへと逃れた。
PUMASにとって、試合のこの流れが快適であった。クルス・アスルが主導権を握りつつも、その都度カウンターアタックで得点チャンスを量産。これに対してクルス・アスルは後半3分にルイス・メンドーサを下げてウリエル・アントゥナ、イバン・モラレスを下げてサンティアゴ・ヒメネスをそれぞれ投入。さらに22分ロドリゴ・ウエスカスを下げてファン・エスコバル、カルロス・ロドリゲスを下げてアンヘル・ロメロを投入し、結果的にこれが試合の流れを変えて決勝点に繋がる。後半20分、守備に回っていたオリヴェイラがアルバレスへビルドアップしようとしたパスを、エリク・リラがインターセプト。ペナルティーエリア手前正面から、思い切って放ったシュートはゴール右サイドを逸れて行った。
そして迎えた後半25分、右サイドのショートコーナーを受けたウリエル・アントゥナがペナルティーエリア内へセンタリング。ボールは誰も触れることなくエリア内を通過して、一番左サイドで完全にフリーになっていたファン・エスコバルへ。これをダイレクトで強烈なボレー、ゴールキーパー:アルフレード・タラベラはこれに対して一歩も動くことが出来ず、ゴールへ突き刺さるゴラッソとなり逆転に成功。
こうして漸くリードを奪ったクルス・アスルは、後半のロスタイムまでヒヤヒヤさせられながらも最終的に勝ち点3を挙げることに成功。PUMASは試合の最後まで諦めずに反撃し、後半38分には右サイドのコーナーキックをオリヴェイラがヘディングで合わせるも、コロナが冷静に処理。クルス・アスルは再びホームスタジアムで微笑みを取り戻し、2022年後期ステージにおいてリーグ優勝を目指す。