Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ 2022年グリッタ前期 第15節 UNAM 1-2 Cruz Azul

 

PUMASは今シーズンにおける失敗を認め、クルス・アスルはオリンピック・スタジアムにおいて以前の借りを返す

 

 

クルス・アスルは勝ち点21に到達し、レペチャヘ(敗者復活戦)進出に近づくが、PUMASは他チームの結果待ちで奇跡が起きることが必要

 

 

この試合勝利を義務付けられていたPUMASは、その一歩を踏み出すことが出来なかった。結果は全てが今シーズン、リギージャ(プレーオフ)進出不可能であることを示している。その権利はこの試合の対戦相手であったクルス・アスルが掴み、そのために重要であった勝利を得た。PUMASは、今そのために奇跡が起きるのを待つしかない。

 

 

PUMASにとって最後の判決とも言えたこの試合、そしてその後のアウェーゲーム2試合でそれぞれ勝ち点3を挙げることが義務であった。クルス・アスルにとってもそれはある意味似た状況であって、レペチャヘ進出のために勝利が必要であった。彼らはそれまでのスランプから完全に脱出しており、オリンピック・スタジアムにおけるこの勝利は、彼らの希望を照らす灯となった。

 

 

その試合は点の取り合いになると事前に予想されたのとは反対に非常にクローズな展開となり、両チーム共に困難な状況に直面する決意と攻撃面における構想が欠けていたが、クルス・アスルにはより良い思惑があった。PUMASは両サイドハーフであるセサール・ウエルタとエドゥアルド・サルビオを活発にプレーさせて、グスタボ・デル・プレテに繋ぐプランであったが、空いたスペースを前にしてどちらも機能しなかった。

 

 

クルス・アスルは規律良くディフェンスをしてからの攻撃を展開し始めたが、多くの不正確さがあったにもかかわらず2点を先行してPUMAS守備陣のミスを利用して試合を圧倒した。これに対してPUMASはその攻撃力を発揮することが出来ず、また逆境に逆らうことも、スピリッツを示すことも出来なかった。ただホセ・カイセドやアルトゥーロ・オルティスによる数回の得点とはかけ離れたシュートを放ったのみであった。

 

 

前半26分、左サイドからのセンタリングにヘディングで合わせたロドリゴ・ウエスカスのゴールでクルス・アスルが先制。さらには前半終了間際に、ニアポストのディフェンスが不十分であった隙を突いて、ゴンサロ・カルネイロが振り向きざまに押し込んだシュートで追加点を挙げた。クルス・アスルは前半終始試合の主導権を握り、対するPUMASは窮地に立たされた。アンドレス・リリーニ監督によるリアクションは、グスタボ・デル・プレテに替えてジオゴ・デ・オリヴェイラを起用することであった。

 

 

PUMASはこれで相手チームに行きかけていた流れを取り戻し、エドゥアルド・サルビオによる右サイドからのシュートで反撃を目論んだが、これは相手ゴールキーパー:ヘスス・コロナによるセービングで防がれた。後半は前半とは打って変わって攻勢に出たものの、残された時間と2点のビハインドが大きくのしかかった。

 

 

後半20分、右サイドからのエドゥアルド・サルビオによるセンタリングをダニエウ・アウヴェスがチョコンと合わせた折り返しにヘスス・コロナとの1対1になったセサール・ウエルタのシュートは弾かれたが、そのリバウンドをジオゴ・デ・オリヴェイラが押し込み、1点差に。

 

 

この勢いは、かってクルス・アスルが喫したオリンピック・スタジアムにおいて史上最大の大逆転を彷彿とさせた。勢いは完全にPUMASで、ジオゴ・デ・オリヴェイラが放ったシュートはポスト直撃。さらに途中交代出場したホルヘ・ルバルカバのシュートは、またしてもヘスス・コロナによってセーブ。あわや同点かと思われたエドゥアルド・サルビオによるセンタリングをファン・ディネンノが押し込んだヘディングシュートは、サルビオがパスを受けたプレーがオフサイド判定でノーゴール。

 

 

結局PUMASは同点に追い付くことすら出来ず、彼らによる反撃は時すでに遅しであった。残酷にも彼らのレペチャヘ進出の希望は断たれ、この試合において起きた出来事は非常に大きな打撃であった。今シーズンにおけるダービーマッチ(対クラブ・アメリカ戦対CDグアダラハラ戦)を全敗し、幻想は絶望となった。対するクルス・アスルはそれまでの不振から完全に抜け出し、この勝利はレペチャヘ進出へ向けて非常に近づく一歩となった。対PUMAS戦の勝利は、彼らのモチベーションを大きく上げて力強く踏み出すこととなった。