PUMASはラファエル・プエンテ監督が就任して、初めての失敗を記録した。つまりPUMASがスカイ杯第4節の試合で、最大のライバルであるクラブ・アメリカに対して2−0で破ったという事実にも関わらず、このカップ戦の決勝戦に進むことが出来なかったのである。前半17分にグスタボ・デル・プレテが先制し、後半48分(アディショナルタイム)にガエル・ロドリゲスが追加点。
PUMASは1勝1敗1分2分で勝ち点5を挙げたが、グループAでクルス・アスル:勝ち点5(1勝2分、但し3試合のみ消化)の次位となり、クラブ・アメリカ:勝ち点4(1勝1敗1分、同じく3試合のみ消化)を上回り、暫定的に第2位となった。しかしこの両チームは直接対決を残しており、どちらが勝ってもPUMASを上回る。また仮に引き分けたとしても同様であるため、この時点でPUMASの決勝戦進出はなくなった。
クラブ・アメリカを破ったことは、PUMASは2023年後期ステージへ向けて準備が整ったことを意味し、開幕節でオリンピック・スタジアムにおいてファレスFCを迎え撃つ。一方でクラブ・アメリカはスカイ杯決勝進出を狙い、その後にアステカ・スタジアムにおいてケレタロFCを迎え撃つ。
前半終了時に客席で沸いた拍手とチャントは、オリンピック・スタジアムのピッチで良いサッカーが出来ていなかったにも関わらず、対クラブ・アメリカ戦というメキシコシティダービーを最小得点でハーフタイムを終える為の気概、スピリッツ、そして闘志を示したスタメン選手11人に対するサポーターによる感謝の気持ちであった。
PUMASは前半8分、エドゥアルド・サルビオがペナルティーエリア右サイドから強烈なシュートを放ったが、相手ゴールキーパー:オスカー・ヒメネスが素晴らしい反応でこれを防いだ。そして前半15分、不安定で混乱しているかのように見えたクラブ・アメリカ守備陣の不正確な隙を突いて、先制点を挙げる。エドゥアルド・サルビオによるスルーパスを受けたグスタボ・デル・プレテがゴールキーパーと1対1となり、浮き球でこれを制してボールをゴールネットに突き刺した。このゴールは熱狂的なPUMASサポーターに喜びを与え、逆にクラブ・アメリカのサポーターは少しオフサイド気味であったため、不満足そうに見えた。
この先制点はクラブ・アメリカ選手たちの闘志に火を付け、すかさず追い付こうとしたが、中盤と前線の選手たちが得点チャンスを作ろうと試みたが、ゴールキーパー:フリオ・ゴンザレスが再三のチャンスを抑え切って窮地を救い、前半を1−0で折り返した。不利な状況であったにも関わらず、クラブ・アメリカが見せた前半終盤の攻撃は後半に入っても引き続き同じで、壁パスなどで次々とパスを繋いでチャンスを作った。さらに途中交代で様々な選手たちを起用したが、その不明確な狙いはフリオ・ゴンザレスが守るゴールを脅かすまでには至らなかった。一方でPUMASもまた追加点を狙ったが、クラブ・アメリカのディフェンス人がピッチでうまく修正し、またPUMASの攻撃陣もシュートを吹かしたりしたため、オスカー・ヒメネスは穏やかな時間帯を過ごした。
後半最後の10分にはクラブ・アメリカが同点に追い付こうと前に出て、両サイドからの駆け上がりでエンリ・マルティンへのセンタリングを狙ったが、PUMAS守備陣がこれを執拗にマークして明確なプレーをさせなかった。主審はアディショナルタイムを6分取り、この試合の行方はこのままPUMASによる1−0で終わろうかと思われたが、下部組織出身選手:ガエル・ロドリゲスが追加点を挙げる。彼はオリンピック・スタジアムのピッチにおける最終ラインからセンタリングにも見えるボールをゴールに向かって蹴った。これをオスカー・ヒメネスが目測を誤って、結局ボールはゴールネットに収まった。こうしてPUMASはホームスタジアムにおいて、2−0で最大のライバルであるクラブ・アメリカを破ったのであった。