Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ 2023年後期ステージ 第16節 América 1-1 UNAM

 

クラブ・アメリカとPUMASは、躍動の感あるメキシコシティーダービーを引き分ける

PUMASとクラブ・アメリカとのアステカ・スタジアムにおけるピッチで繰り広げられた素晴らしい試合は、ナイスゲームでドロー

 


熱気に溢れた客席スタンドとピッチを駆け抜けたピリピリした空気。1対1の引き分けに終わったクラブ・アメリカ対PUMASとの一戦は、ハイレベルな内容の試合であった同時に試合前からの期待に応えた試合であった。PUMASのプライドと戦前における下馬評では本命であったクラブ・アメリカ。これまで8勝1敗7分けという記録に対して、恐れを抱かないチームと対戦したのであった。クラブ・アメリカ対PUMASによるメキシコシティーダービーは、間違いなく客席スタンドに特別な情熱を呼び起こす。そしてグラウンドのピッチでは選手たちにとってプラスαのモチベーションが注入されるので、それは常に高く評価される。そのゲームはピッチで繰り広げられ、すべての瞬間があった。中盤における激しい攻防や、時には最終ラインにおける両チームのミス。そしてそれ以上に終わった可能性のある、いくつかの得点チャンスもあった。

 


アントニオ・モハメド監督はそれまでにおけるPUMASの表情を変え、コンプレックスを剥ぎ取ってアステカ・スタジアムへ乗り込んだ。総合順位表における順位を忘れて、グラウンドで逃げ腰な姿勢を見せなかった。このチームに求められているように永遠のライバルチームと向き合って、決してプロビンチャーレ(「ビッグクラブ」の対義語)ではない戦いをした。実際に前半は先制点に最も近かったし、対するクラブ・アメリカはシュートチャンスがほとんどなかった。PUMASは2023年後期ステージにおける最優秀攻撃陣による、相手チームを抑え切ることで前半を終えた。クラブ・アメリカは、その実力を発揮することができなかったのであった。守備面でうまく構成されたチームと対峙し、それが彼らに対して殆どのチームがしてこなかったプレッシャーを掛けた。ホセ・カイセドとウリセス・リバスによる素晴らしいハードワークで、アルバロ・フィダルゴとリチャード・サンチェスによる攻撃の流れを断ち切った。

 

 

PUMASは気概に満ちた、連携が取れた試合運びを見せた。セサール・ウエルタによる地を這うようなシュート。ルイス・フエンテスと相手ゴールキーパー:ルイス・マラゴンによって防がれた、ファン・ディネンノによる数本のシュートで前半を無失点に抑えた。クラブ・アメリカはリチャード・サンチェスによる惜しくもゴールマウスから逸れたフリーキックで応酬、前半の終盤にはファン・ディネンノによる、これもまた惜しくも逸れたヘディングシュート。後半におけるヒーローの出現が待たれる、良い内容の前半であった。

 


後半に入っても試合における熱気はそのままで、PUMASはその気概に満ちた試合運びをキープしながら、クラブ・アメリカに対して得点を挙げるスペースを見つける努力をした。フェルナンド・オルティス監督は機能しないジョナタン・ロドリゲスを下げて、少なくともゴールに向かったシュートを放つためにロヘル・マルティネスを投入。これに対してアントニオ・モハメド監督もまた、グスタボ・デル・プレテに変えてジオゴ・デ・オリベイラを投入した。

 

 

後半22分、ウリセス・リバスがミドルシュートを放ったボールをルイス・マラゴンがこれをコーナーキックへ逃れた。このセットプレーではPUMASが空中戦を制し、ルイス・マラゴンが間一髪で窮地を凌いだかのように見えたが、そのこぼれ球をニコラス・フレイレが押し込み、ネストル・アラウホが弾いたボールはゴールネットに吸い込まれ、PUMASが待望の先制。

 


追い掛ける立場に回ったクラブ・アメリカの反撃は、その4分後だった。ペナルティーエリア内における、ジオゴ・デ・オリベイラがセバスティアン・カセレスに対するファールがペナルティーキックの判定。これを今シーズンリーグ得点王争いの首位を走るエンリ・マルティンが決めて、同点に追い付いた。クラブ・アメリカはそのまま攻勢に転じ、後半43分にはフェデリコ・ビニャスによるペナルティーエリア内で完全にフリーで放った左足のシュートは、ゴールマウスの上を越えていく明らかな得点チャンスを逃した。

 

 

PUMASはアステカ・スタジアムにおいて、プライドとスピリッツに満ちた勝ち点1を得た。しかしながら、レペチャヘ(敗者復活戦)進出出来るかどうかはまだ分からない。次節(最終節)において、レギュラーシーズンぶっちぎりの首位を走るCFモンテレイをアウェーゲームで訪れる。ハッキリとしていることは、ラファエル・プエンテ旧監督が何か月もかけてその可能性を失ったということである。クラブ・アメリカは引き続きリギージャ(プレーオフ)進出圏内の第2戦をホームゲームで戦える総合順位表の第4位以内を守るために、アウェーゲームでFCファレスを訪れる。