Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ2018年前期 第13節 レビュー2

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◆UANLティグレスは、スタメン3人を負傷で欠いていた

中盤の要︰ルーカス・セララヤンは左足の中指骨折、快足のサイドバック︰ユルゲン・ダムは左足首捻挫、鉄壁の両センターバックの1人︰ホルヘ・トーレス・ニロは右膝の骨挫傷で、それぞれ今回のメキシコシティへの遠征をしておりませんでした。

 

そのため第10節のホームでモンテレイダービーの対CFモンテレイ戦以来、ウーゴ・アジャラとセンターバックを組んだのはジュニーニョ。中盤の真ん中にエドゥアルド・バルガス、右サイドバックに抜擢されたのは下部組織出身のラファエル・ドゥラン(『20/11』ルールを遵守するため)でした。

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よってUANLティグレスのフォーメーションは、第7節アウェイでクルブ・ネカクサ戦以来の4-2-3-1でした。


◆さらにサブメンバーにも、負傷者を抱えるUANLティグレス

UANLティグレス︰リカルド・フェレッティ監督が試合後の談話で「もう1、2点とれるチャンスがあった」と言っていた割には、攻撃陣の交代カードを切ったのが後半13分のラファエル・ドゥランからフリアン・キニョネスはともかく、その後が後半37分にエドゥアルド・バルガスからイスマエル・ソサ、40分にアンドレ・ピエール・ジニャクからエネル・バレンシアとどう見ても遅すぎるのは、それらの切り札たちも同様にそれぞれ負傷で十分な実力を発揮できない現状があります。

En duda Enner Valencia por Tigres para enfrentar el domingo a Pumas | Dale Pumas

エネル・バレンシア、日曜日の対PUMAS戦への出場が微妙に

2018/10/24 03:57

 

◆リギージャ(プレーオフ)で、本当にリーグ優勝を争えるだけの底力

 同上の記者会見で「(リギージャ進出への展望は)私はいつもポジティブに考えるから、フィフティフィフティかな。いや、少し遠のいたかな。ただ、この状況を打開出来る自分の選手たちを知っている。」と語っていたように、まずは順位表の第8位以内である進出圏内を確保しなければなりませんが、一度リギージャが始まってしまえばそれまでの順位など関係なく、ホームアンドアウェーによる2試合で出た結果が全て。それまでのトーナメントとは、全く別の争いがそこにあります。各チームの監督は各選手たちが持っている100%の力を発揮出来るように、照準を合わせて負傷者たちをケアするのです。

 

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◆TOPレベル・チームの選手たちとのスピード争い

この試合、PUMASの攻撃はほぼ右サイドがメイン。対するUANLティグレスの攻撃は左サイドでした。前者はPUMASのベテラン︰パブロ・バレーラとUANLティグレスのルイス・ロドリゲスによる対決。後者はUANLティグレスのリーガエスパニョーラ帰りでバリバリのメキシコ代表︰ハビエル・アキーノとPUMASの若手サイドバック︰アラン・モソによる対決でした。

 

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PUMASの2、3点目は、そのパブロ・バレーラが、UANLティグレスの3点目はハビエル・アキーノ がそれぞれ起点となったのは、いかにしてTOPレベル・チームの選手のスピードに付いていけるか?どうかが鍵となりました。

 

◆サイドにおける攻防の後の攻撃参加

上記の攻防における守備のみでは、サイドバックの仕事は半分以下です。その後に、攻撃参加して初めてその機能を十分に活かせる訳ですが、守備ばかりさせられていては攻撃をする余裕がなくなってしまいます。この試合PUMASの右サイド攻撃はパブロ・バレーラ中心で、アラン・モソは全くと言っていいほど攻撃に参加出来ませんでした。

 

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また逆サイドのアラン・メンドーサは、UANLティグレスのラファエル・ドゥランを抑えるのに手を焼き、終いには2点目を決められた原因となりました。両者ともにそのストレスからか、不要なイエローカードまで貰う始末。これが本当にリギージャ(プレーオフ)本番であったら、2枚目をケアするあまり重要なピースを失い兼ねませんでした(事実アラン・モソは、後半8分にイエローカードを貰った6分後に交代。さらに累積枚数が5枚に達したため、次節出場停止)。

 

◆攻撃パターンのバリエーションとサブメンバーの出来

以前に、第5節を終わった時点で書いたメモの中に

≫攻撃陣だが~バリエーションが少なすぎる。各選手たちの個の強さで1対1を勝てるほどのクオリティはないので、どうしてもコンビネーションに頼らざるを得ない

というものがありました。毎試合それを出せるか?どうかは別にして、この試合のPUMAS2点目は、右サイドライン寄りにいた中盤の選手からパブロ・バレーラ→カルロス・ゴンザレスへとすべてワンタッチによるコンビネーションでした。

 

 

おそらくダヴィッド・パティーニョ監督がハードワークさせているであろう、何種類ものコンビネーションプレーのうちの1つだったのでしょう。

後半14分にアラン・メンドーサに代わって出場したマティアス・アルスティサ、36分にマルティン・ロドリゲスに代わって出場したファン・マヌエル・イトゥルベの動きに精彩さを欠いたのは、同じく今後の試合特にリギージャ(プレーオフ)本番では勝敗の行方を左右することでしょう。

 

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今節ハットトリックを決めたのはカルロス・ゴンザレスでしたが、それ以外の攻撃陣メンバーがあまり目立たなかったのは気になります。フェリペ・モラは先制点の足掛かりとなりましたが、それ以外は特に左サイドのマルティン・ロドリゲスとともにほとんど目立つシーンがなく存在が消えていたのも気になりました。

 

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◆首位を走っていたクルス・アスルのペドロ・カイシィーニャ監督が再び偵察

今節それまで第2位だったクラブ・アメリカがホームで勝ち、首位を走っていたクルス・アスルがアウェイでケレタロFCに敗れたため、首位が入れ替わりました。そして次節その両チームが直接対決、その後にオリンピック・スタジアムでそのクルス・アスルを迎え討つことになります。

 

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第9節にもオリンピック・スタジアムへ偵察に来ていた

ペドロ・カイシィーニャ監督が今度はコーチ陣を全て連れて来ていたということは、その第15節のみならずリギージャ(プレーオフ)を見据えて、徹底してPUMASの弱点を研究しているであろうと思われます。