Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

ダヴィッド・パティ―ニョ監督・独占インタビュー 内容書き起こし

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TDN(テレビサ・スポーツネットワーク)
FUTBOL EN SERIO(フットボール・エンセリオ=真面目にサッカー)
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PUMASのダヴィッド・パティ―ニョ監督は、チームがチャンピオンになるために必要なことを教えてくれる

「我々に言って下さい。3点、5点、10点。PUMASがリーグ優勝をするために、何点取らないといけないでしょうか?何点が好ましいですか?」
「私が言うとすれば、そう沢山の点という訳にはいかないでしょう。監督という観点から言えば、3点は良い数字でしょうね。もちろん、チームを持続させるメンタリティと共にね。まず、リーグ優勝をするための考え方が必要だ。次に、攻撃と守備両面で効率的でなければならない。最後に、チーム全体が走らなければならないという努力の寛大さだ。ハヴィエル・アギーレが私の監督(メキシコ代表時)だった時に言っていたように、たくさん走らなければならない。」

ダヴィッド・パティ―ニョ監督は、PUMASがホームゲームで良いパフォーマンスを得るためにどのような要因が影響したのかを教える

「先週の日曜日には素晴らしい試合をして勝ちましたが、なぜ今シーズンこんなにホームゲームで苦労したのでしょうか?戦略的なものなのか?それともPUMASが攻撃に入った際に、相手チームが良く守ったのか?」
「ホームゲームで負けたのは、1試合だけだ。拙い試合をした、対ケレタロFC戦だ。1試合1試合、ゲームは全てとても異なる。何と言ったら、いいだろうか。明らかにホームゲームではオリンピック・スタジアムに訪れる全てのチームに対して、間違いなく強い試合をしなければならない。あなた方は覚えているかどうか知らないが、今シーズン前半は雨に祟られた試合がいくつかあった。言い訳になるだろうが、試合の組み立て方には影響があった。そして2試合で、キックオフ時刻が変更(正午から午後4時)になった。さらに、手強い相手チームとの対戦が多かった。もう1試合負けた試合が、対クルス・アスル戦だった。」
「アウェイゲームより、挙げた勝ち点が少なかったですよね。」
「2~3試合(勝ち点6~9)くらい、勝ち点を挙げられなかった。私はこの結果は、ある状況に依存したものだと思っている。明らかに相手が守りに力を入れるし、スペースを簡単には開けてくれない。勝ちに行かなければいけない状況で、中盤でボールを失いカウンターアタックを受けたりもする。そして、それが失点に繋がる。そういった1つ1つが状況に依存した結果、出たということだ。」

ダヴィッド・パティ―ニョ監督は、昨シーズンPUMASが陥ったスランプについて語る

「あなたは、激しいスピリッツのどこかに笑顔がある。いつもPUMASと共にいて、プロジェクトを遂行する哲学を持って。我々は、いつも急いで物事を考える。プロジェクトをのんびり待ったりはしない。すべての人々が、物事全てがものすごく早く進んで欲しい。そして、彼らはその理由を与えている。」
「あなたが言っていることは、分かる。まずは、こうコメントしようか。最初に外野が騒ぎ始める。しかしながら、我々はいつもリギージャ(プレーオフ)進出圏内に位置していたんだ。よく覚えていないが、最後の3試合で勝ち点1(2敗1分け)だった時があったと思う。でもトーナメントの後半で盛り返して、最初の目標であったリギージャ(プレーオフ)進出を果たしたんだ。もちろん、目標としていた勝ち点32には2点足りなかったけれど最後には進出した。つまり、こういうことだ。だから(外野が騒ぐということは)、全く理解できない。自分が知っている人たちには、こう話したんだ。自分の果たすべき仕事は、もう少しで達成する。(外野が騒いでいたスランプは)まるで、脱出するのが難しい落とし穴に落ちたようだった。しかし。もう終わりだとその穴の上から騒いでいるのを聞くわけにはいかない。」

ダヴィッド・パティ―ニョ監督がマティアス・アルスティサがPUMASで果たした役割について語る

「本当にマティアス・アルスティサは、とても従順だ。偉大な青年だ。」
「あなたが、従順にしたのですか?」
「いやいや、彼はロッカールームでチームのみんなを引っ張っているんだ。彼は自分のチームにおける役割を分かっていて、多分自分の方がチームで最年長である。彼はピッチに出る前に、みんなに指示を出したんだ。もちろん彼はベテラン選手で、経験も豊かだ。しかし、本人がリーダーシップを取るという役割を果たしているんだ。これは、その他のチーム全員にとって模範なんだ。分かる?自分はチームが団結しているので、とても彼にそして全員に感謝している。君がマティアス・アルスティサを言及したから、彼のその態度について語っている。これは、自分が毎日話していることなんだ、」

ダミアン・サモヒリニが、UANLティグレスに対するPUMASの試合形態を分析

今夜は、今シーズン素晴らしい采配を揮っているダヴィッド・パティ―ニョ監督がこの場におられます。先週末リギージャ(プレーオフ)準々決勝の鍵となった、また誰もが信じられなかった試合をしました。それでは、振り返って見てみましょう。

PUMASがした試合とは、これまでしてこなかったものでした。後方に4バック(左サイドバックにヴィクトル・マルコラ)中盤に4枚(左サイドにマルティン・ロドリゲス)、そして前線に2TOP(カルロス・ゴンザレスとフェリペ・モラ)。このシステム変更は素晴らしく機能し重要なプレーを生み出し、そしてUANLティグレスにとって複雑なものにしました。

ディフェンス陣はとても良くコミュニケーションを取り、取規律良く守っていました。この場面でルイス・キンターナは下がって、空中戦に備えていました。このコミュニケーションと規律が良く表れている場面が、これです。アレハンドロ・アリバスはアンドレス・ジニャックのみならず、他のプレイヤーをも良く抑えていました。例えば、もう一度違う場面を見てみましょう。ここではジニャックに抜かれますが、アンドレス・イニエストラがセンターバックらのカバーリングをしています。ヘスス・ドゥエーニャスとの1対1でもしっかりカットして、トラブルを回避しました。

左サイドバックに入ったヴィクトル・マルコラは、ほとんどの場面で勝っていました。ダイナミックな攻撃を支えていました。

今、ダヴィッド・パティ―ニョ監督は、2018年前期ステージ・リギージャ(プレーオフ)準決勝でのPUMASの次の試合(対クラブ・アメリカ戦)について語る

「リギージャ(プレーオフ)準決勝:PUMAS対クラブ・アメリカ戦は、両チームのサポーター、選手たちそして監督にとっても非常に魅力的な瞬間だ。あなたは、これまでの人生において勝ったり負けたりしてきたライバルと全てを賭けて対戦するつもりですか?」
「もちろん。主に選手たちや監督にとってだね。我々にとって、この対戦は下部組織時代からずっとダービーだ。この試合は、それ以外の試合とは全く違うものなんだ。ましてや、それがリギージャ(プレーオフ)における対戦なんだ。想像してみてよ。試合は、90分間ではなく180分間(1stレグと2ndレグ)なんだ。我々はダービーならではのスピリッツやフィニッシュ、インテンシブさと責任を持って全ての面においてハードワークをしないといけないし、試合を戦わなければならない。自分はチームが非常に良い状態であると見ているし、適切な状況で必要な感情を持っている。」

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これ以外にも、様々な今シーズンにおけるチームのことについて語っていました。特に印象的だったのは、昨シーズンのチーム得点王:ニコラス・カスティージョが退団し、その穴をどう補強するか?という場面で、首脳陣に掛け合ってメキシコサッカー1部リーグの得点王ランキング上位選手を上から順番に、移籍可能な選手にオファーを出し補強をしたという部分です。そこで白羽の矢が立ったのが、カルロス・ゴンザレスだったという訳です。他にも下部組織出身選手でメキシコ代表まで成長したヘスス・ガジャルドも他チームへ移籍するというのが分かっていて、アラン・メンドーサらをスタメン出場させるようになったなどのこと。

 

かねてから個人的にダヴィッド・パティ―ニョ監督には全幅の信頼を置いていましたが、これで今シーズンはこれまでとは少し違った結果が出ている理由の数々が明らかになった気がしました。一番大きいのは、それまでTOPチームを率いる以前に下部組織の指揮を執っていて、そこで各選手たちの能力や個性を十分に把握したうえでデビューさせ、活躍するまで起用し続ける点です。悲願である8度目のリーグ優勝まであと2~3シーズンは掛かるだろうなとこれまでは感じていましたが、もしかしたらひょっとする可能性があるのかもしれません。