モレーロス・スタジアム(正式名称:ホセ・マリア・モレーロス・パヴォン・スタジアム)へ行くのは、約4年ぶりでした。モナルカス・モレリアのホームゲームはたいてい金曜日のナイターで、アグアスカリエンテスから320km離れているため、普通に車で行くと3時間半掛かります。前回は有休を取って高速バスで移動、早めにスタジアム入りしたのですが、今回は定時(午後5時半)で仕事を終えてから車で移動。加えて金曜日の夕方というラッシュアワーに加えて、現在雨季のためちょうど夕立ちが降るという最悪のコンディション(実際にモレリアへ入る高速道路の出口では、高速バスが故障してレッカー移動させられていたり、一般人の車が事故を起こして大渋滞をしていました)。
最終的にスタジアムへ到着したのは、前半終了間際でした。それでも今自分が置かれている状況で最善の努力をした結果ですし、家に帰ってテレビ観戦をするよりもあくまでもスタジアムで現場の雰囲気を感じたかったので、結果的に満足しています。
同じアグアスカリエンテスに住んでいる元同僚に聞くと「そんなに悪い試合はしていなかった。センターバックのニコラス・フレイレが2点ともに失策をした結果で、降雨という悪コンディションも影響した。」などと気楽なことを言っておりましたが、私自身は今シーズン未だホームゲーム未勝利の降格争いをしているチーム相手にアウェイゲームであれ、こういう試合をするようでは時期尚早かもしれませんが、今シーズンのリギージャ(プレーオフ)に進出は無くなったと個人的に考えざるを得ません。
理由は、他の順位表の上位にいるチームがしているサッカーと根本的なレベルの違いがあり過ぎるからです。今シーズン非常に良いサッカーをしているなと思えるのは、サントス・ラグーナ、クラブ・レオン、クルブ・ネカクサの3チーム。特徴はいずれもディフェンスラインがしっかりしていてカウンターアタックによるサイドから崩して攻撃をしたり、フォワード陣の連携(ワンタッチ)プレーを得意としている点です。
例えば、クラブ・レオンの今節アウェイゲーム対ケレタロFC戦。前半34分の ホセ・ファン・マシアス(昨シーズンのメキシコ人リーグ得点王)による得点。これぞ、相手ディフェンスを崩すお手本とも言えるワンタッチプレーです。これ以外にも後半28分に3点目を入れたプレーも一度右サイドへ展開し、最後は自動的に押し込むのみという見た目は簡単なように見えますが、リーグ新記録の12連勝をマークし首位を突っ走った昨シーズンから全く同じサッカーをしています。
これに対して今シーズンから劇的にチームが変わったのが、サントス・ラグーナとクルブ・ネカクサの2チームです。前者は昨シーズンのCONCACAF(北中米カリブ海地域)チャンピオンズリーグでもなかなか良い試合をしていましたが、特に今シーズンからはそれまで負傷がちであったブリアン・アベリノ・ロサノが、それまでとは打って変わったサッカーをしているのが目に付きます。
と同時に、それまでもチームの得点王であったフリオ・セサル・フルチとの連携や元PUMAS下部組織出身選手であるカルロス・エミリオ・オランティアらを中心に若手選手たちの覚醒が目覚ましい攻撃陣。そしてサンパウロFCやオリンピック・マルセイユなどでプレーをしていたマテウス・ドリアと今シーズンから加入したフェリックス・エドゥアルド・トーレスの両センターバックを中心とした守備陣。
クルブ・ネカクサはPUMASが第2節のホームゲームで倒した相手ではありますが、今シーズンから加入したマクシミリアーノ・サラスとマウロ・ダニエル・キロガのアルゼンチンフォワードのコンビによる攻撃陣(上記のビデオは、第6節アウェイゲームの対CDグアダラハラ戦における先制点)。以前からクルブ・ネカクサはそれまで無名だった南米の選手たちを連れてきては、メキシコサッカー1部リーグでブレイクさせるのが得意(現PUMASの得点王:カルロス・ゴンザレスも然り)であります。
そして今週は来月に予定されているFIFA国際マッチデー親善試合のため、メキシコサッカー1部リーグはダブルヘッダー週となり、PUMASは対CFモンテレイとのアウェイゲーム。2週間後には対クラブ・アメリカとの首都ダービー(同じくアウェイゲーム)、対クルス・アスルと同じく首都ダービー、そして対サントス・ラグーナ(それぞれホームゲーム)といよいよ今シーズン最大の山場を迎えることになります。
※ちなみに、上記のサントス・ラグーナとクラブ・レオンはグアナファトにおいて直接対決が行われます。