Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ2019年前期 第18節 裏話

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ミッチェル監督は、ヴィクトル・マルコラを庇う「周りは彼に対して、非常に残酷な仕打ちをしている。」

 

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PUMASのホセ・ミゲル・ゴンザレス“ミッチェル”監督は、ヴィクトル・マルコラが毎試合全てを出し切っており、チームはFCファレスに対して勝利するに相応しかったと述べた

 

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PUMASのリギージャ(プレーオフ)進出への願望はあまりに遠のいたように見え、最終節で彼ら自身の自力で到達する可能性があったが、対FCファレス戦はヴィクトル・マルコラによるペナルティーキック失敗で1-1のドローという結果に終わった。

 

試合終了後、PUMASのミッチェル”監督は彼のチームに運が無かった。さらにはチームの勝利を逃したヴィクトル・マルコラを庇った。

「幸運は我々からもたらされたものではないが、トーナメントには多くの可能性がある。チームは最適なレベルにあるが、勝利出来なかった。その説明は、ペナルティーキックの失敗によるものとは言えない。」と、語り始めた。

 

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彼にとって、90分間を通してチームは勝利するに相応しかった。

「私の選手たちに対して質問をするのは結構だが、1-1という結果を超えて十分な長所を出し、我々自身の自力でリギージャ(プレーオフ)進出を決められたのに、それを逃してしまった落胆をしているのでフェアではない。」

 

「もし試合を止められることが出来たなら、両ボランチ(ケヴィン・エスカミージャとアンドレス・イニエスタラ)に相手チームとの1対1で負けるなと、フォワード陣にクロスバーより何センチか下へシュートするように言いたいが、それは出来ない相談だ。チームは全てを出し切ってとても沢山のことが起きたが、全てが我々に味方しなかった。」と、付け加えた。

 

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ヴィクトル・マルコラを庇う

「ヴィクトル・マルコラは、毎試合全てを出し切る選手だ。周りは彼に対して、非常に残酷な仕打ちをしている。何故ならば、明らかに今回初めてペナルティーキックを蹴るように指示したからだ。様々なシチュエーションで起きることだし、ペナルティーキックは(入れれば)ヒーローと(入れなければ)悪役に分かれるものだ。それは、今日のシチュエーションに相応しくないと思う。」

 

PUMASはリギージャ(プレーオフ)進出の可能性が残っている中で最終節をアウェイゲームで対CFパチューカ戦を戦うが、本日の結果によりCFモンテレイとクラブ・ティファナが勝たなければという条件が付くことになる。

 



 

 ◆今シーズンのPUMASに対する総括

 

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PUMASのフォーメーションは、4-4-2でした。センターバックのニコラス・フレイレがCDグアダラハラで負傷した影響で、両センターバックのスタメンはルイス・キンターナとパブロ・ハケス。両サイドバックにアラン・モソとアラン・メンドーサ、両ボランチにケヴィン・エスカミージャとアンドレス・イニエスタラ。両サイドハーフにヴィクトル・マルコラとブライアン・メンドーサ、両センターフォワードにカルロス・ゴンザレスとフェリペ・モラという布陣。

 

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前々から書いているように、現在のPUMASが得点する際に最も必要なのはサイドからの崩しと各攻撃陣の連携プレー(特に両フォワードのワンツー)です。前者はメキシコサッカー1部リーグのTOPレベルにあるクラブとの対戦では、絶対的なスピードがないと相手サイドバックとの1対1で勝てません。ヴィクトル・マルコラは足元の巧さがあるのでそうでもないですが、単調な攻撃しかできないアラン・メンドーサにはとてもセンタリングを挙げられるスキルはありません。後者の連携プレーに関しては、今シーズンを通して大きな課題でした(何故ならば、昨シーズンは随所にそういうプレーが見られたからです)。

 

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次に対戦相手チームだったFCファレスですが、1部リーグに昇格したばかりとは言え、今シーズンの勝ち点18(5勝9敗3分け)で、PUMASの勝ち点23(6勝6敗5分け)と大して開きがありませんでした。今節までリギージャ(プレーオフ)進出争いが非常に際どいのは、いかにこのリーグが実力的に差の開きが少なく、1つ1つのプレーや試合の結果が左右するかを物語っています。さらには昨シーズンのメキシコ杯決勝トーナメント準決勝で敗れた相手であり、実力的にもそう劣っていないことが明らかでした。

 

 


 

続いてドローとなってしまった要因の1つである、ヴィクトル・マルコラによるペナルティーキック失敗ですが、今シーズンのPUMASによる21得点のうちペナルティーキックによるものは第2節対クルブ・ネカクサ戦の2点目(パブロ・バレーラ)と第12節対サントス・ラグーナ戦の2点目(ダヴィッド・カブレラ)の2つですが、彼ら2人がチームの正式なペナルティーキッカーであります。彼ら2人がピッチ内に不在であったため、やむを得ずヴィクトル・マルコラが蹴らざるを得なくなったという事情がありました。

 

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最後に百歩譲ってそのペナルティキックが仕方ないにしても、その後に喰らったカウンターアタックによる失点の仕方が、あまりにもお粗末過ぎました。ハーフライン近くでボールを失って、そのままドリブル突破されてペナルティーエリアの外から全くマークするディフェンダーがいない状態で打たれては、それはメキシコサッカー1部リーグの選手たちからすればお安い御用というものです。せめてシュートコースに入ってコースを切らないと、後ろで守っているゴールキーパー:アルフレッド・サルディヴァルも阻みようがありません。

 

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最終節でCFパチューカとのアウェイゲームがありますが、これに万が一勝ったとしてもPUMASより上位にいるCFモンテレイがホームゲームでCFアトラスに勝てば(というより、ほぼ確実に勝つと思われますが)、リギージャ(プレーオフ)進出可能な第8位以内に位置することは不可能となります。せめて今節のホームゲームで勝てばまだ可能性が残っているだろうと思いましたが、これでPUMASにとっての2019年前期ステージのレギュラーシーズンは終わったと見て差し支えないでしょう。来シーズンはせめてもう少し競争力(スピード)のあるサイドバックや、キチンとレギュラーの代わりが務まるようなサブメンバーの補強をして、本来あるべき姿のチームに戻って欲しいと願います。