Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ2019年後期 第10節 レビュー

f:id:ClaudioSuarez:20190313052609j:plain

 

◆パブロ・バレーラのスタメン落ち

試合前日の夕方、翌日の試合に出場しないというツイートを見ました。よく調べていくと、まず金曜日のトレーニング中に筋肉痛を発症。続く土、日はトレーニングに参加せずということで、快方へ向かえば火曜日のメキシコ杯準々決勝対ドラドス・シナロア戦に出場する見込みというものでした。よって最初のツイートでは翌週のカップ戦へ温存?という内容でしたが、実際には負傷のため欠場というのが正しい報道でした。
現チームの主将かつ攻撃陣の切り込み隊長を失ったことで、このリーグ戦第10節は苦戦を強いられるだろうなというのが、試合開始前の正直な感想でした。

 

f:id:ClaudioSuarez:20190313052709j:plain

f:id:ClaudioSuarez:20190314142917j:plain


◆キックオフ直後の失点、各選手たちが犯したミス。そして、彼ら自身がそれをリカバリー

まず今節のメキシコサッカー1部リーグ・ベストイレブンに選出された、右サイドバックのアラン・モソ。確かにここ数節において目立った活躍をしており、この試合も素晴らしい出来でした。玉に瑕なのはブルーノ・マリオ―二監督も試合後のインタビューで述べていた通り、試合開始から最後まで続けて同じパフォーマンスをできるかどうかだと思います。1分も経たないうちに先制されたプレーの原因は、アラン・モソが自分が本来守るべきポジションから飛び出してしまい、そのリカバリーを後方のセンターバックらが出来なかった点です。

 

f:id:ClaudioSuarez:20190312060410j:plain

 

次に、ゴールキーパー:アルフレッド・サルディヴァル。1回目のペナルティーキックは、守備陣のミスから最後フリーになった相手フォワードとの1対1で犯したファールが原因でした。彼は2014年にデビューして以来、これまで10回のペナルティーキックを止めています(今シーズン2度目、昨シーズンは4度)。それでもなおメキシコA代表に招集されないのは、プレーに波があるからだと言われています。事実、昨シーズンのリギージャ(プレーオフ)準決勝2ndレグ、アウェイの対クラブ・アメリカ戦は、酷い内容でした。

 

f:id:ClaudioSuarez:20190312060921j:plain

 

最後に、センターバックのアレハンドロ・アリバス。前半に相手ゴールキーパーの拙い飛び出しと空中で競り合って、あわや先制点というシーンがありました。と思いきや、後半早々にペナルティーキックを献上してしまい、追い付くのに四苦八苦させられた原因となりました。しかしながら2点目の起点となったプレーでは、後方から前線にセンタリングパスを供給。自分のミスは、自分でリカバリーした良いプレーだったと思います。

 


  

余談となりますが、この試合PUMASの放った3本シュート全てがゴールポストもしくはバーに嫌われるという何とも運がない内容でした。1本目は後半9分、ペナルティーエリア中央の外からアラン・モソが放ったミドルシュートがゴールバー直撃。2本目は続くプレーでフリーキックを得たヴィクトル・マルコラが放ったシュートがゴール左隅をかすったもの。3本目は後半40分アラン・モソがペナルティーエリア右隅から上げたセンタリングパスをフェリペ・モラがエリア内中央で合わせたヘディングシュートがゴール両サイドポストに続けざまに弾かれたものです。

 

 

◆スターティングメンバー、そしてそれら選手たちの出来

まず、両センターバック。

レギュラーであるアレハンドロ・アリバスがスタートから出場、相方はルイス・キンターナより今のプレーの質から見て上だと感じていたパブロ・ハケス。ルイス・キンターナがベンチのサブメンバー。憶測によれば彼も負傷のためということでしたが、結果的に途中出場をして後半36分、2点目のプレーの起点となる左サイドから逆サイドへ40mくらいのサイドチェンジパスをアラン・モソへ供給するなど、一定の活躍は見せました。

 

f:id:ClaudioSuarez:20190313053035j:plain

 

続いて、左サイドバックのヘイソン・アンドレス・アングロ。

コロンビアからメキシコへ来て、最初の週が首都ダービーであった対クラブ・アメリカ戦(ベンチ入りせず)。ブルーノ・マリオ―二監督がテレビ出演した際にインタビューでも語っていた通り、メキシコシティの高地に順応するためには少なくとも2~3週間かかるという言葉通り、この試合がちょうど3週間目。それまでカップ戦で途中出場したり、リーグ戦でも前節からスタメン出場していましたがあまり目立った活躍は出来ず、前半40分に早くもフェリペ・モラと交代。おそらくメキシコサッカー1部リーグのスピードに慣れるまで時間が掛かるのか?もしくは今シーズン唯一の補強選手として加入したものの、期待外れだったのか?のどちらかではないか?と言えるでしょう。

  

f:id:ClaudioSuarez:20190314143009j:plain

 

最後に、ファン・マヌエル・イトゥルベとマルティン・ロドリゲス。

前者はそれまでの活躍の場が主にカップ戦であった関係で、第4節アウェイのCFパチューカ戦と前節以外は途中出場していましたが、カップ戦で目立った活躍を続けている関係で今節はスタメン出場ということだったのでしょう。事実、後半19分に追い上げる反撃の狼煙となった1点目をペナルティーエリアの外からミドルシュート一閃。相手ゴールキーパーのファンブルという幸運もありましたが、ようやく古傷が癒えて本来のプレーが出来るようになってきたと考えられます。

 

f:id:ClaudioSuarez:20190314143033j:plain

 

後者は今季リーグ戦において、ダヴィッド・パティ―ニョ前監督が指揮を執っていた際にはスタメン出場していたのですが、ブルーノ・マリオ―二監督となった第5節からは途中出場ばかり(メキシコ杯は3週間前の第6節、2週間前の決勝トーナメントベスト16にスタメン出場)しており、ここに来て監督がテレビ出演した際のインタビューで語っていたように、彼の持っている才能を発揮させようとしているのが分かります。

 

f:id:ClaudioSuarez:20190314143058j:plain


◆まとめ

どうしてもホームゲームで勝ち点3を挙げなければリギージャ(プレーオフ)進出圏内が遠ざかる1戦で勝ち越せなかったのは残念でしたが、試合終了までそれを目指したチームの戦いぶりはある程度評価に値するとは思います。残る試合は次節以外は順位表の上位との対決となり、半分はアウェイゲームなので相当苦戦を強いられると思いますが、最後まで諦めずに戦ってほしいと思います。また本日夕方に行われるメキシコ杯決勝トーナメント準々決勝の対ドラドス・シナロア戦は、昨シーズンディエゴ・マラドーナ監督を迎えて2部リーグのリギージャ(プレーオフ)決勝まで進んだチームだけにホームゲームとはいえそう簡単に勝たせてくれるとは思えませんが、何とか準決勝へ進出して欲しいところです。