Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ 2023年前期ステージ 第16節 UNAM 3-0 Atlas

 

PUMASがCFアトラスに大量得点で勝利、メキシコサッカー1部リーグにおけるリギージャ(プレーオフ)へ直接進出に望みを繋ぐ

 

 

ファン・ディネンノとセサール・ウェルタ、グスタボ・デル・プレテによる得点で、PUMASが勝ち点3を挙げて総合順位表の第5位に上昇

 

 

PUMASはCFアトラスを3-0で破り、総合順位表の上位をキープ。ミスを犯さずに、リギージャ進出へ向けて前進した。次節は対CDグアダラハラ戦で、総合順位表の第4位(Play-IN(プレーイン)*1を戦わずして、リギージャへ直接進出。加えて、2ndレグをホームゲームで戦えるアドバンテージを保有)を賭けて、直接対決で雌雄を決することになる。

 

 

この試合が大一番であると認識し、PUMASは主導権を握った。今までしてこなかった両フォワードを2TOPに据えたスタメン起用によるアントニオ・モハメド監督のメッセージは明白で、イレブンはすぐにその明確さを見つけ出した。少しでも時間を無駄にせずに、総合順位表の上位を目指して確信を持って臨んだ。チームは特にセットプレーを使って相手ゴールキーパー:カミーロ・バルガスのゴールに近づき始めたが、CFアトラスは特にカミーロが注意深く対処した数本のシュートでそれらの危険を回避した。試合の主導権を握ったのはPUMASで、先制点を決めたいという一心でゴール前へ殺到した。ファン・ディネンノは決定的な得点チャンスを仕留めようと努め、ペナルティエリアの外に移動し、セットプレーからのチャンスを絶えず求め続けた。

 

 

前半26分、コーナーキックからヘディングシュートを狙ったボールを相手ディフェンダー:ルイス・レジェスが手で逸らし、主審のフェルナンド・ゲレーロがペナルティーキックを宣告した。それはそれまで先発メンバーから外され、期待していたようなシーズンを送れていないファン・ディネンノにとって格好の雪辱を果たす瞬間だったが、誰も彼がボールを蹴ることを否定せず、彼はボールを奪って強い右足のシュートでこれを冷静に押し込んだ。 PUMASは彼らが望んでいたシナリオ通りに試合を進め、さらに追加点を奪うことで調子を維持し、試合をコントロールしながらリードを拡げようとした。

 

 

ウリセス・リバスとサンティアゴ・トリゴスが中盤に新鮮味を与え、エドゥワルド・サルビオが創造力を発揮し、2試合前に一発レッドカードで前節出場停止処分明けから復帰したセサール・ウェルタが相手チームのバランスを崩すことに貢献した。 そしてその背後では、リサンドロ・マガジャンとネイサン・シルバが要所要所でキッチリ抑えていた。CFアトラスはこのところ成績が不安定なチームで、良いイメージを与えるために努力したが、現実には彼らの前にほとんど何もなく、攻撃を仕掛けるアプローチがいくつかあるだけで、フリオ・ゴンザレスから多くの得点を奪えるようなものは何もなかった。むしろさらに失点をしないように、守備で注意しなければならなかった。

 

 

後半に入っても試合は同じような調子を維持し、PUMASは追い付かれることで複雑になるような事態を望まず、追加点を奪えればより冷静さを保てるであろう状況であったが、同時に予防策も講じる必要があった。そう、チームを落ち着かせる鍵となったのはセサール・ウェルタであった。後半11分、彼は左サイドからドリブル突破してクロスを上げたが、ファン・ディネンノはこれをフィニッシュできず、CFアトラスの両センターバック(アンデルソン・サンタマリアとウーゴ・ネルボ)もボールをクリアすることができず、ウエルタがそのこぼれ球を押し込んだ。 大事な場面でPUMASが再び攻撃を仕掛け、これを決め切った。

 

 

これに対するCFアトラスの反撃は生ぬるいもので、事態を改善しようという態度を示さなかったし、そういったプレーも出来ていなかったので、ほとんど効果的な攻撃をすることはなかった。そして彼ら自身の努力で、チームがフリオ・ゴンサレスに対して立ち向かうことができなかったので、現在のチームが良くないことは明らかだった。 そしてPUMASにとって全ては良い方向へ働き、試合終了間際の後半43分、これまで散々スタメン起用された試合で結果を残せず、サポーターからのブーイングを一身に浴び続けていたグスタボ・デル・プレテが3点目を決めた。

 

 

PUMASは是が非でも勝たなければならない試合を手中に収め、ここぞという場面でここ3試合未勝利という悪循環から脱け出した。来週の土曜日には現在総合順位表の第4位であるCDグアダラハラをホームゲームで迎え撃つ。この一戦で雌雄を決すると同時に、お互いの名誉と誇り(メキシコサッカー1部リーグにおけるBIG4同士の対戦=ダービーマッチ)を賭けた試合となることは確実であり、今シーズンの締め括りとして非常に良い試合となることは間違いない。

 

 

 

*1:準々決勝の前にPlay-IN(プレーイン)と呼ばれる新しい敗者復活戦があり、総合順位表の第7位から10位のクラブが参加する。第7位と第8位のチームが対戦して、第7番目のクラブとしてリギージャ進出を決める。 一方その試合の敗者は第9位と第10位との試合の勝者と対戦することで、準々決勝の第8番目のクラブとしてリギージャ進出を決める