Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ 2023年前期ステージ 第8節 UNAM 3-2 Atlético San Luis

 

PUMASがオリンピック・スタジアムにおいて対アトレティコ・サンルイス戦で闘志を見せ、逆転勝利を挙げる

 

 

PUMASはアディショナルタイムに現在リーグ首位のアトレティコ・サンルイスを破り、力強さを取り戻す

 

 

PUMASはオリンピック・スタジアムのピッチにおいて、今シーズンの総合順位表首位を走るアトレティコ・サンルイスを相手に壮絶な逆転勝利を収めることで、勝利の味と力強さを取り戻した。PUMASによる得点者は、ファン・ディネンノ(後半24分)、セサール・ウェルタ(後半40分)、そしてガブリエル・フェルナンデス(後半47分)。対するアトレティコ・サンルイスの得点者は、フリオ・ドミンゲス(前半36分)とヴィトール・サミュエル “ヴィチーニョ“(後半35分)だった。この勝利でPUMASは勝ち点12で総合順位表の第9位に到達、対するアトレティコ・サンルイスは勝ち点16で首位のままである。次節PUMASの対戦相手はアウェーゲームのCFプエブラ、対するアトレティコ・デ・サン・ルイスはホームゲームでマサトランFCを迎え撃つ。

 

 

スタンドに響き渡るブーイングと文句がすべてを物語っていた。1点のビハインドでハーフタイムに入ったとき、一部のPUMASサポーターはチームに対する怒りと不満を表した。オリンピック・スタジアムの通路において、繰り返し響いた問い掛けは、「またか?」というものだった。PUMASは攻守両面で常にミスを犯し続けているが、最終ラインにおけるそれが最も痛ましいからであって、アトレティコ・サンルイスの先制点はリサンドロ・マガジャンとネイサン・シルバらが率いる守備陣による、フリオ・ドミンゲスへのマーキングという注意不足が原因で決められたからだ。彼はコーナーキックからのリバウンドを完全にフリーで強烈なヘディングシュートで、ゴールキーパー:フリオ・ゴンサレスを倒した。

 

 

その得点後もまたいくつかのプレーでかなりのプレッシャーを掛け、アトレティコ・サンルイスがリードをさらに広げようとしていた。PUMASは、前半40分以上も試合をコントロールしつつ、先制するいくつかのチャンスを作りながらも、エドゥワルド・サルビオやガブリエル・フェルナンデスらがそれを利用できなかったのは、相手チームが彼らを上手く封じ込めて、あまり奥深い攻撃をさせなかったからであった。そしてPUMASはまたもや前半リードを奪われるというミスを犯したため、PUMASサポーターの間における苦い感情はさらに強まり、ストレスと恥辱に満ちた顔でハーフタイムに入った。

 

 

ハーフタイムにピッチを去った選手たちやサポーターの絶望的な表情は、後半開始直後に主審が笛を鳴らしてペナルティスポットを指差した瞬間に一変した。ガブリエル・フェルナンデスが至近距離からシュートを打とうとした際にペナルティエリア内で倒れたが、相手ディフェンダーが差し出した足でシュートは阻止された。主審はためらわずにペナルティーキックを宣告したが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)でプレーを確認した後、ディフェンダーの足を蹴ったのはガブリエル・フェルナンデスだったため、主審はファウルの判定を取り消した。 彼は、またしても重大なミスを犯したのであった。

 

 

これまでに試合中のミスはあったものの、闘志とスピリッツを90分間維持するのがPUMASというチームの特徴であり、ついにそれが実を結んだ。後半24分、セサール・ウェルタによるスルーパスからエドゥワルド・サルビオがペナルティエリア内へドリブル突破し、ファン・ディネンノへラストパス。これを相手ゴールキーパー:ディエゴ・ウルティアガが守るゴールへ押し込み、同点に追い付いた。その1分後、ファン・ディネンノに追加点のチャンスがあったが、アトレティコ・サンルイス守備陣がこのシュートをうまく逸らした。

 

 

後半36分、ハビエル・グエメスからジョン・ムリージョへのパスは一見届かないように見えたが、ボールに到達しペナルティエリアエリア中央にポジショニングしていたビター・サミュエル “ヴィチーニョ“へピッタリのクロスを上げると、これを強烈なヘディングシュートで押し込んで、アトレティコ・サンルイスが再びリードを奪った。

 

 

一部のPUMASサポーターは早くもスタジアムから家路に着き始めた、後半41分に奇跡は起きた。今や誰もが認めるPUMASのアイドルであり、ヒーロー:セサール・ウェルタが、魔法の左足で同点ゴール。左サイドからのコーナーキックからリバウンドを拾って放ったシュートは、相手ゴールキーパー:ディエゴ・ウルティアガの手をすり抜けてゴール左上隅に突き刺さり、スタンドの観衆からは「チノ(セサール・ウェルタの愛称:髪型がクルクルのパーマであるから)、チノ!」という大合唱となった。 

 

 

アディショナルタイムは60秒以上あるとメキシコではよく言われるが、まさにその通りとなった。現在トーナメントの首位を走る相手チームに対して追い付き、闘志とスピリッツを取り戻したことでPUMASサポーターはそれだけで満足していたが、アディショナルタイムにネイサン・シルバが放り込んだセンタリングからガブリエル・フェルナンデスが勝ち点3を手繰り寄せるヘディングシュートで大逆転劇を演じたのであった。