Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ 2023年前期ステージ リギージャに寄せて

 

早いもので、レギュラーシーズンも最終節を迎えました。思えば8月にメキシコシティへ転勤となり、1週間に2試合のダブルヘッダー週における平日のナイトゲームも、楽ちんで観戦出来るようになりました。個人的に見て、現在のPUMASがリーグ優勝出来るポテンシャルを持っているようには見えません。ただこれまでもこのブログで更新しているように、自分自身の人生が順調に行っている時は、PUMASもまた好調であるのはこれまでの経緯からみても明らかです。

 

 

メキシコサッカー1部リーグでリーグ優勝をするチームの特徴として、まずはチーム陣容。スタメンとサブメンバーらが充実していて、どちらが先発出場しても遜色ないようなキャパシティーを備えていること。次に、鉄壁のディフェンス陣。これに関しては、アントニオ・モハメド監督による補強で、今シーズンの両センターバックは非常に見ていて心強い限りです。そしてレギュラーシーズンはどのチームもフォーメーションの熟成であったり、選手間同士の機能を確認する意味合いが強いため常に100%の力でプレーをしていないのですが、それでもなお大量得点(4-0、5-0など)する試合があること。実際にホームゲームの対ケレタロFC戦(4-0)や、同じくホームゲームの対CFアトラス戦(3-0、ただしそれ以上得点出来る場面は、いくらでもあった)など、その兆候は見えました。

 

 

奇しくもその対CFアトラス戦後に、メディアやサポーターらの「8度目のリーグ優勝は、見えた」などという気の早い論調が目につきましたが、自分は上記のチーム陣容という意味で未だに時期尚早であると思います。なぜならば、今シーズンの大本命であるクラブ・アメリカや昨シーズン王者のUANLティグレス、CFモンテレイといったクラブのそれと比較すると、予算編成上やむを得ない事情もあって、彼らと同じ土俵の上で戦うために追い付くのはなかなか困難だからです。ただ、それら全てをひっくるめて『何が起きるか?分からない』のがメキシコサッカー1部リーグであり、理屈では語ることが出来ないその部分に一縷の望みを繋いで見ています。

 

 

少なくともこれまでのここ数シーズンのように、リギージャ(プレーオフ)進出圏内と圏外の狭間を行ったり来たりしていたような状況から、最終節時点ですでにリギージャ進出が決まるようなフィニッシュをした今シーズンは、明らかにアントニオ・モハメド監督が本格的に就任して(昨シーズンは、レギュラーシーズン途中からだった)、ようやくその本領発揮かなと思います。なぜならば、彼はこれまで3つの異なるクラブ(クラブ・ティファナ、クラブ・アメリカ、CFモンテレイ)でメキシコサッカー1部リーグ優勝をしており、先日行われたコパ・リベルタドーレス決勝で敗れたばかりのアルゼンチンの名門ボカ・ジュニアーズからオファーが来るぐらい、その指揮能力の高さは間違いないからです。

 

 

いずれにしてもあと数週間経てば、その答えは明確になるでしょう。そして今節、今シーズン最多のスタジアムへ観戦に訪れた観衆(46,823人)は、間違いなくそれを待ち焦がれています。誰よりも自分自身が、このブログを開設した2015年以降ずっとこの10年弱の間、ただそれだけを待ち続けております。おかげさまで現在の彼女(プロフィール画像)と付き合うようになって、ようやくサッカー以外の要素でこのメキシコという国に永住しようと思えるようになったのは、有難い限りです。しかも彼女もまたPUMASを応援しており、娘さんがまだ3歳で一緒にスタジアムへ行くのはまだ難しいですが、スタジアムでその念願の瞬間を共に見届けることが出来る日が来たら、今年一年の締め括りとして最高だなと思います。

 

メキシコリーグ 2023年前期ステージ 第17節 裏話

 

PUMASがCDグアダラハラに勝てた理由

 

 

CDグアダラハラは、約1か月前にアウェーゲームの対デポルティーボ・トルーカ戦におけるチーム宿泊先へ数名の選手たち同様、女性を連れ込んだ際に受けた制裁明けの出場をしたアレクシス・ベガが後半にペナルティーキックを外したことを悔やんだ

 

PUMASはオリンピック・スタジアムにおいてCDグアダラハラを1-0で破った。この試合でアレクシス・ベガがペナルティーキックをミスし、フリオ・ゴンザレスにセーブされた。この結果、両チームは2023年前期ステージのリギージャ準々決勝で再び対戦することになる。

 

 

苦々しいアレクシス・ベガの復帰

アレクシス・ベガは規律違反を理由にヴェリコ・パウノヴィッチ監督から招集されなかった41日間ぶりに、CDグアダラハラのジャージを着てチームに復帰した。後半13分、オリンピック・スタジアムのピッチに足を踏み入れた彼に対し、CDグアダラハラのサポーターはブーイングをする輩もいたが、その名を称賛する声も聞かれた。ファーストタッチは、守備上のプレーだった。 後半28分にフリーキックを蹴ったが、エドゥアルド・サルビオのハンドにより、CDグアダラハラにペナルティーキックが与えられた。 アレクシス・ベガ自身がこれを蹴ったが、そのシュートはフリオ・ゴンサレスにセーブされた。

 

 

ガブリエル・フェルナンデスが先制点を挙げ、PUMASの強烈な立ち上がりを飾った

PUMASは激しさとプレッシャーにより、CDグアダラハラよりも優れていることを示した。 前半の序盤15分で、PUMASはCDグアダラハラを窒息させた。CDグアダラハラは、PUMASがボールを素早くリカバリーしたため、ボールを支配しながら前線へボールを供給することが出来なかった。前半開始早々8分のヘディングシュートはミゲル・ヒメネスによるセーブで最初のピンチを阻止したが、その3分後のガブリエル・フェルナンデスの強烈なシュートに対してミゲル・ヒメネスは一歩も動けず、結局ボールはゴールネットを揺らした。

 

 

オリンピック・スタジアムにおいて、ビクトル・グスマンはその存在感を示せず

CDグアダラハラの中盤のキープレイヤー:ビクトル・グスマンはオリンピック・スタジアムのピンチで計56分間プレーしたが、攻撃にはほとんど貢献出来なかった。 試合開始早々にビルドアップにおいて2つのミスを犯し、そのうちの1つはミゲル・ヒメネスのセーブで何とか窮地を脱した。ペナルティエリア内で得た唯一のチャンスにおいてシュートを放つのではなく、コントロールすることに決めたが結局ボールを失った。

 

 

セサール・ウェルタは対峙したアラン・モソによって、その能力を遺憾なく発揮出来ず

PUMAS攻撃陣の中で最も注目を集めた1対1は、左サイドのセサール・ウェルタとアラン・モソの対峙であった。セサール・ウェルタは枠内シュートを3本放ったが、いずれもアラン・モソのマークが付いていなかった瞬間に放たれたもので、CDグアダラハラのサイドバックに対してPUMASのアタッカーは1対1で勝つことが出来なかった。

 

 

準々決勝の前にPlay-IN(プレーイン)では、総合順位表の第7位から10位のクラブが参加、まずは第7位のアトレティコ・サンルイスと第8位のクラブ・レオンが対戦して、その試合の勝者が第7位としてリギージャ進出、第2位のCFモンテレイと対戦。 一方その試合の敗者は第9位のサントス・ラグーナと第10位のマサトランFCとの試合の勝者と対戦することで、第8位としてリギージャ進出、首位のクラブ・アメリカと準々決勝で対戦する。

 

メキシコリーグ 2023年前期ステージ 第17節 レビュー

 

アントニオ・モハメド「リギージャ準々決勝の対CDグアダラハラ戦はファースト&セカンドレグ共に接戦になるだろう」

 

PUMASの監督はまた、対CDグアダラハラ戦のリギージャ準々決勝セカンドレグはナイターでプレーする意向を表明した。

 

 

アントニオ・モハメドはCDグアダラハラを1-0で破り、総合順位表の第4位となり、PUMASのパフォーマンスに満足する結果となった。 偉大な2チームはFIFA国際マッチデーからPlay-IN(プレーイン)が終わる18日後に再戦するため、監督は最善の方法で準備することだけを考えている。

「こういうふうになること(再戦までの日数)は、事前に分かっていた。 それはチームにとって悪くはなく、良いように思える。非常に集中した状態で試合を迎えることは、我々が総合順位表の第4位にいるので重要だ。 ミスを犯してはならない、接戦のファースト&セカンドレグになるだろう。 良い準備をして激しいプレーをしなければならないが、今日に関してチームはとても良いプレーをした。特に、このシーズンの結果には満足している。」と、 試合後の記者会見で語った。

 

 

リギージャ準々決勝における対CDグアダラハラとの再戦に向けて、大部分は順位表で上位のチームによる各ホームゲームの開催時間に依存するものの、監督は再びナイターゲームでセカンドレグをプレーすることを模索する意向を示した。

「リギージャ準々決勝セカンドレグのホームゲームを開催するにあたって、我々にも開催日時を選択する権利があるが、最もその可能性が高いのはクラブ・アメリカとCFモンテレイがそれぞれ土曜日を選択することだろう。 選手たちや首脳陣とどれがベストな選択になるかを考え、それについて話し合ったうえで、どうなるかを確認するつもりだ。」と、述べた。

 

 

同様にして、現時点におけるシーズンの結果はベストに終わったものの、チームのパフォーマンス評価はシーズンが全て終わってからであると繰り返した。

「常々目標はリギージャ進出であると言っていたが、ある時点で状況は我々が予想していたものではなかった。もう一度繰り返すが、多くのディテールを伴う非常に厳しい戦いとなる準々決勝となるだろう。我々はセカンドレグをホームゲームで戦うことで、それを勝ち抜かなければならない。」と、説明した。

 

 

最後に今節ガブリエル・フェルナンデスが先発出場したことでスタメン起用から外れ、後半の短い時間しかプレーをしなかったファン・ディネンノについて、監督は彼がプロフェッショナルであることを指摘したのみであった。

「サッカーはチーム内競争であり、全員が1分だろうがフルタイムであろうが準備が出来ていなければならない。ファン・ディネンノにはその準備が出来ていて、自分が彼を虐げるつもりはない。クラブにとっても自分にとっても、あらゆる意味でそのことは非常に重要だ。」と、語った。

 

メキシコリーグ 2023年前期ステージ 第17節 UNAM 1-0 Guadalajara

 

PUMASがメキシコサッカー1部リーグの最終節で、対グアダラハラ戦において重要な勝利を挙げる


PUMASがそのチャンスを活かして、CDグアダラハラから総合順位表の第4位を奪取

 

 

オリンピック・スタジアムは、PUMASとセサール・ウェルタによるものだった。ガブリエル・フェルナンデスの得点でPUMASはCDグアダラハラを1-0で下し、総合順位表の第4位を確保してリギージャ(プレーオフ)へ直接進出を決めた。セサール・ウェルタは自身による得点をマークすることが出来ず、リーグ得点王となるチャンスを失ったもののグアダラハラ守備陣を苦しめた。

 

 

アレクシス・ベガはチームの規律違反による謹慎処分明けとしてCDグアダラハラでプレーしたが、サポーターに自分の持っている能力を証明する代わりに、逆に同点となるペナルティーキックを外した。この試合に敗退したにもかかわらず、CDグアダラハラはリギージャへの直接出場権を獲得し、準々決勝でPUMASと再び対戦するため、そのリベンジを果たす機会を持つことになる。

 

 

前半11分、PUMASは細かい6本のショートパスと1つのリバウンドで終わる素晴らしいプレーでリードを奪った。 エドゥワルド・サルビオがセンタリングを送り、相手ディフェンダーによるそのリバウンドはガブリエル・フェルナンデスの目の前に転がり、これをためらうことなくシュートを放ち、ゴールネットに突き刺した。

 

 

PUMASによる試合の主導権は続き、CDグアダラハラは中盤でボールを失い、PUMASがそのボールをロングパスで前線へフィードした。 しかし、アラン・モソはペナルティエリアのラインぎりぎりでその危険を止めた。前線36分、ガブリエル・フェルナンデスに2得点をマークする寸前だった。 エドゥワルド・サルビオは再びペナルティエリア内にセンタリングを入れ、これをヘディングシュートしたが惜しくもクロスバー直撃。

 

 

これに対してCDグアダラハラは幾つかの得点チャンスはあったものの、決定的なものは何もなかった。 ヤエル・パディーヤがペナルティエリアその外からシュートを放つも、ボールは逸れてゴールの上へ外れた。アラン・モソは試合を通して守備に加えて、時には攻撃にも参加した。 右サイドをドリブル突破してヤエル・パディーヤへセンタリングを送ったが、そこにはPUMASのゴールキーパー:フリオ・ゴンザレスが難なくこれを処理した。

 

 

試合の後半は、セサール・ウェルタによるショータイムだった。左サイドで相手ディフェンダーによる3枚のマークにも関わらず、ほとんどのデュエルを圧倒。これに対して、相手選手は彼を押し倒してイエローカードを貰う始末だった。このような試合展開をひっくり返すべく、後半12分に途中出場したアレクシス・ベガであったが、逆に自分たち自身による同点に追い付くチャンスを不意にしてしまった。

 

 

最も明確な得点チャンスは、CDグアダラハラによるフリーキックに対してエドゥワルド・サルビオがハンドを犯した、ペナルティーキックであった。これをアレクシス・ベガが蹴ったものの、フリオ・ゴンザレスによる素晴らしいセーブでチームのピンチを救った。

 

 

この結果、PUMASはレギュラーシーズンを8勝5敗4分けの勝ち点28で、最終的に総合順位表の第4位(リギージャ準々決勝のセカンドレグをホームゲームで戦える)を確保。Play-IN(プレーイン)を戦わずして、リギージャ準々決勝へ進出。攻撃面ではリーグ第5位の27得点、守備面ではリーグ第4位の18失点となった。オリンピック・スタジアムにおける今シーズン最大の観客数46,823名が見守った2023年前期ステージ最終節における両チームによる対戦はPUMASが勝利を挙げたが、リギージャ準々決勝では再び両雄が雌雄を決することになる。

 

メキシコリーグ 2023年前期ステージ 第16節 裏話

 

闘志を見せた一戦

 

 

  • 対CFアトラス戦の分析
  • PUMASは対戦相手にプレーをさせず、序盤から試合を支配した

 

 

  • ゴールキーパー:フリオ・ゴンザレス、両センターバック:リサンドロ・マガジャンとネイサン・シルバによる堅実な守備

 

 

 

 

  • セサール・ウェルタ:ピッチ全体において、掛けるプレッシングという特徴。 彼は得点とプレーを生み出し、この勝利を決定づけた

 

 

  • ガブリエル・フェルナンデスとエドゥワルド・サルビオは何本かのシュートを放ったが、それが生かされなかった。今日のチームはすべてのラインで支配的で堅実であるように見えた

 

 

  • かねてからそのポテンシャルを高く評価されていたグスタボ・デル・プレテは、低い位置からクロスパスを送ったロバート・エルガスのアシストを受けて、漸く試合を決めるダメ押し弾を決めた

 

 

  今日は喜びで満ち溢れており、PUMASは素晴らしい試合をしたが、今は来週の土曜日にホームゲームにおける対グアダラハラ戦を考えている。

今日のような試合ぶりであれば、総合順位表の第4位(リギージャ準々決勝の2ndレグをオリンピック・スタジアムでプレーを出来る)は間違いないだろう。

 

メキシコリーグ 2023年前期ステージ 第16節 レビュー

 

「(次節の最終節は)重要な試合になるだろう」アントニオ・モハメドはPUMASがCDグアダラハラと戦って、リギージャ(プレーオフ)直接進出へ目指すと明言した

 

 

PUMASの監督は、対CDグアダラハラ戦がより良い順位を目指す上で極めて重要になると断言した

 

 

PUMASはPlay-IN(プレーイン)*1圏内を確保したが、それはオリンピック・スタジアムにおける最終到達地点ではない。 2023年メキシコサッカー1部リーグ前期ステージ、PUMASはCDグアダラハラをホームゲームで迎え撃ち、その試合でリギージャ(プレーオフ)へ直接進出出来るか?どうかが決まる。アントニオ・モハメド監督は、チームの本当の望みは総合順位表の第4位以内に入ることであると認めた。 CDグアダラハラに勝利すればそれが現実となる。 

「ホームゲームにおける最終節があり、総合順位表の第4位を目指してプレーしているので、できるだけ上位で終えたいと思っている。対CDグアダラハラ戦で総合順位表の第4位を争うことは明らかで、重要なポジションを賭けた一戦となる。 ホームゲームの最終節で第4位を目指してプレーしており、できるだけ上位で終えたいと思っている。」と、対CFアトラス戦試合後の記者会見で語った。

 

 

この成果が現実となるために、監督は来週末に通常(日曜日正午)とは別の日時に、チームへの応援で満員になったスタンドが見られると信じている。

「自分は、観衆を信じている。 試合は土曜日でみんなが来るだろうし、素晴らしい試合になるだろう。我々は準備をして出来るだけ上位でレギュラーシーズンを終えて、リギージャ(プレーオフ)の2ndレグをホームゲームでプレーする機会を得られるよう、勝利を目指して努力するつもりだ。」と、自信を持って付け加えた。

 

 

チームは対CFアトラス戦で素晴らしい勝利を収め、総合順位表の上位に位置しているが、監督は依然としてチームにさらなる期待を抱いている。

「チームは、もっとやれる。このチームが持っているポテンシャルは、青天井だ。 それを垣間見えることができて幸運だったし、良い試合が出来てその任務に取り組む選手たちがいる。 自分はチームがもっとやれると信じており、そういった直感を持っている。」と、述べた。

 

 

フアン・ディネンノは得点を決めることが出来ないまま、約1ヶ月が経った。しかし今節の対CFアトラス戦で彼は再び得点を決め、クラブの最多得点王ランキング第10位となった。

「彼はクラブにとって歴史的な選手であり、良い試合をした。 何よりも大事なことは、自信を取り戻すことだ。 彼らは皆、献身的に取り組んでおり、我々全員が同じことを考えている。 ここで最も重要なのはチームであり、自信が回復したことは良いニュースだ。」と、結論づけた。

 

*1:準々決勝の前にPlay-IN(プレーイン)と呼ばれる新しい敗者復活戦があり、総合順位表の第7位から10位のクラブが参加する。第7位と第8位のチームが対戦して、第7番目のクラブとしてリギージャ進出を決める。 一方その試合の敗者は第9位と第10位との試合の勝者と対戦することで、準々決勝の第8番目のクラブとしてリギージャ進出を決める

メキシコリーグ 2023年前期ステージ 第16節 UNAM 3-0 Atlas

 

PUMASがCFアトラスに大量得点で勝利、メキシコサッカー1部リーグにおけるリギージャ(プレーオフ)へ直接進出に望みを繋ぐ

 

 

ファン・ディネンノとセサール・ウェルタ、グスタボ・デル・プレテによる得点で、PUMASが勝ち点3を挙げて総合順位表の第5位に上昇

 

 

PUMASはCFアトラスを3-0で破り、総合順位表の上位をキープ。ミスを犯さずに、リギージャ進出へ向けて前進した。次節は対CDグアダラハラ戦で、総合順位表の第4位(Play-IN(プレーイン)*1を戦わずして、リギージャへ直接進出。加えて、2ndレグをホームゲームで戦えるアドバンテージを保有)を賭けて、直接対決で雌雄を決することになる。

 

 

この試合が大一番であると認識し、PUMASは主導権を握った。今までしてこなかった両フォワードを2TOPに据えたスタメン起用によるアントニオ・モハメド監督のメッセージは明白で、イレブンはすぐにその明確さを見つけ出した。少しでも時間を無駄にせずに、総合順位表の上位を目指して確信を持って臨んだ。チームは特にセットプレーを使って相手ゴールキーパー:カミーロ・バルガスのゴールに近づき始めたが、CFアトラスは特にカミーロが注意深く対処した数本のシュートでそれらの危険を回避した。試合の主導権を握ったのはPUMASで、先制点を決めたいという一心でゴール前へ殺到した。ファン・ディネンノは決定的な得点チャンスを仕留めようと努め、ペナルティエリアの外に移動し、セットプレーからのチャンスを絶えず求め続けた。

 

 

前半26分、コーナーキックからヘディングシュートを狙ったボールを相手ディフェンダー:ルイス・レジェスが手で逸らし、主審のフェルナンド・ゲレーロがペナルティーキックを宣告した。それはそれまで先発メンバーから外され、期待していたようなシーズンを送れていないファン・ディネンノにとって格好の雪辱を果たす瞬間だったが、誰も彼がボールを蹴ることを否定せず、彼はボールを奪って強い右足のシュートでこれを冷静に押し込んだ。 PUMASは彼らが望んでいたシナリオ通りに試合を進め、さらに追加点を奪うことで調子を維持し、試合をコントロールしながらリードを拡げようとした。

 

 

ウリセス・リバスとサンティアゴ・トリゴスが中盤に新鮮味を与え、エドゥワルド・サルビオが創造力を発揮し、2試合前に一発レッドカードで前節出場停止処分明けから復帰したセサール・ウェルタが相手チームのバランスを崩すことに貢献した。 そしてその背後では、リサンドロ・マガジャンとネイサン・シルバが要所要所でキッチリ抑えていた。CFアトラスはこのところ成績が不安定なチームで、良いイメージを与えるために努力したが、現実には彼らの前にほとんど何もなく、攻撃を仕掛けるアプローチがいくつかあるだけで、フリオ・ゴンザレスから多くの得点を奪えるようなものは何もなかった。むしろさらに失点をしないように、守備で注意しなければならなかった。

 

 

後半に入っても試合は同じような調子を維持し、PUMASは追い付かれることで複雑になるような事態を望まず、追加点を奪えればより冷静さを保てるであろう状況であったが、同時に予防策も講じる必要があった。そう、チームを落ち着かせる鍵となったのはセサール・ウェルタであった。後半11分、彼は左サイドからドリブル突破してクロスを上げたが、ファン・ディネンノはこれをフィニッシュできず、CFアトラスの両センターバック(アンデルソン・サンタマリアとウーゴ・ネルボ)もボールをクリアすることができず、ウエルタがそのこぼれ球を押し込んだ。 大事な場面でPUMASが再び攻撃を仕掛け、これを決め切った。

 

 

これに対するCFアトラスの反撃は生ぬるいもので、事態を改善しようという態度を示さなかったし、そういったプレーも出来ていなかったので、ほとんど効果的な攻撃をすることはなかった。そして彼ら自身の努力で、チームがフリオ・ゴンサレスに対して立ち向かうことができなかったので、現在のチームが良くないことは明らかだった。 そしてPUMASにとって全ては良い方向へ働き、試合終了間際の後半43分、これまで散々スタメン起用された試合で結果を残せず、サポーターからのブーイングを一身に浴び続けていたグスタボ・デル・プレテが3点目を決めた。

 

 

PUMASは是が非でも勝たなければならない試合を手中に収め、ここぞという場面でここ3試合未勝利という悪循環から脱け出した。来週の土曜日には現在総合順位表の第4位であるCDグアダラハラをホームゲームで迎え撃つ。この一戦で雌雄を決すると同時に、お互いの名誉と誇り(メキシコサッカー1部リーグにおけるBIG4同士の対戦=ダービーマッチ)を賭けた試合となることは確実であり、今シーズンの締め括りとして非常に良い試合となることは間違いない。

 

 

 

*1:準々決勝の前にPlay-IN(プレーイン)と呼ばれる新しい敗者復活戦があり、総合順位表の第7位から10位のクラブが参加する。第7位と第8位のチームが対戦して、第7番目のクラブとしてリギージャ進出を決める。 一方その試合の敗者は第9位と第10位との試合の勝者と対戦することで、準々決勝の第8番目のクラブとしてリギージャ進出を決める

メキシコリーグ 2023年前期ステージ 第15節 レビュー

 

イスラエル・エルナンデス「勝てた試合だった」クラブ・レオンに対して容赦してしまったことを認める

 

PUMASの助監督は、対クラブ・レオン戦のドローに満足していると語った

 

 

アントニオ・モハメド監督の出場停止処分により、代わりにPUMASの指揮を執ったイスラエル・エルナンデス・パットは、冷静かつ率直に見てチームは勝ち点1を得ることで、リギージャ進出へ直接出場出来る圏内に留まることが出来たと述べた。

「試合は一進一退で両チームがゴールを目指して、我々は前進して勝つというメンタリティを持っていた。 前半はチームが積極的で、我々は相手チームにとって危険なエリアに侵入することができ、相手ゴールキーパー:ロドルフォ・コタはいくつかの重要なセーブを見せた。今日の試合は勝てたかもしれないと思うが、我々にとって勝ち点1は重要だ。」

 

 

「勝ち点を積み重ねること、得点を決めることは常に重要だ。それは自信を生み、試合のない平日に我々コーチ陣が調整出来るためのチャンスを与えるからだ。」と、付け加えた。

 

 

前節退場処分によって1試合の出場停止を受けたセサール・ウェルタの欠場に関連して、暫定指揮官はチームメイトにとって「重要な選手である」というレッテルを払拭した。

「彼は、チームの全員と同じくらい重要だ。我々はチームプレーについて話しており、チームの全員が非常に重要なので、選手一人一人に真の価値を与えるつもりだ」と、締め括った。

メキシコリーグ 2023年前期ステージ 第15節 León 1-1 UNAM

 

クラブ・レオンとPUMASは、ナウカンプ・スタジアムにおける接戦を引き分ける

 

 

クラブ・レオンとPUMASは非常に競争力のある試合を展開し、両方のゴールには多くの感情が込められていた

 

 

クラブ・レオンは対PUMAS戦を1-1と引き分けた。PUMASのゴールは前半44分ガブリエル・フェルナンデス、クラブ・レオンのゴールは後半15分オスバルド・ロドリゲス。クラブ・レオンは、今後週末の対CFプエブラ戦に備えることになる。レギュラーポジションに復帰したウイリアム・テシージョとボルハ・サンチェスの両コロンビア人を据えたクラブ・レオンは、試合開始直後から最初の攻撃チャンスを掴んだように見え、すぐにコーナーキックを獲得し、フリオ・ゴンサレスの守るゴールを攻撃した。 一方PUMASもまた、相手ゴールキーパー:ロドルフォ・コタが守るゴールへ攻撃をし続けた。

 

 

前半7分、PUMASのゴールキーパーエリア内でボールをプレーしたレオンが最初の得点チャンスで、ボルハ・サンチェスがボールを奪ってゴール横へシュートを放ち、先制するかのように見えた。前半14分、今度はPUMASが先制するチャンスを得たが、注意深く守っていたロドルフォ・コタはこれをコーナーキックへと逃れた。PUMASによるコーナーキックは3度あったが、得点チャンスらしいものは1回だけだった。 一方、クラブ・レオンは攻撃のミスに注意を払った。

 

 

前半30分が経過すると試合は一進一退の展開となり、両者ともゴール裏にボールを入れるスペースを探していた。前半44分、クラブ・レオンによるミスの後、PUMASはこれを逃さず、ガブリエル・フェルナンデスがヘディングでボールをロドルフォ・コタのネットに流し込み、先制した。PUMASは前半を0-1のリードを保ったまま試合を終え、クラブ・レオンは後半へ向けた分析を待つこととなった。

 

 

後半に入るとPUMASは試合を決めようとプレッシャーを掛け始めたが、クラブ・レオンは同点ゴールを狙っていた。両チームとも直接リギージャ(プレーオフ)進出するために総合順位表の第6位以内に入ることを目指している。クラブ・レオンは少し時間がかかったが、後半15分にPUMAS守備陣のミスを経てオスバルド・ロドリゲスのゴールでスコアを1-1として、試合を振り出しに戻した。

 

 

クラブ・レオンのニコラス・ラルカモンは選手交代を行ない、後半16分に負傷しながらも出場したフェデリコ・ビニャスを投入することで、試合をひっくり返して勝ち点3を獲得しようとした。クラブ・レオンは勝利を確実にする可能性のある2点目を常に狙っていたため、よりボールをコントロールしているように見えた。 そのためPUMASはゴールへの攻撃はほとんどなかったため、ほぼ絶望的のように見えた。試合はそのまま1-1で終了し、両チームは勝ち点1を分け合って、引き続き総合順位表の上位6位以内を争う状況が続くことになる。

 

 

2023年前期ステージ後半戦について

 

今シーズンのリギージャ(プレーオフ)は、まず準々決勝の前にPlay-IN(プレーイン)と呼ばれる新しい敗者復活戦があり、総合順位表の第7位から10位のクラブが参加する。第7位と第8位のチームが対戦して、第7番目のクラブとしてリギージャ進出を決める。 一方その試合の敗者は第9位と第10位との試合の勝者と対戦することで、準々決勝の第8番目のクラブとしてリギージャ進出を決める。

 

よって最悪の場合でも、全17節が終了した時点で総合順位表の第6位までに入っていれば上記Play-IN(プレーイン)に出場する必要がない。全17節のシーズンにおいて、

前半戦6試合を2勝1敗3分け

中盤戦6試合を4勝2敗

後半戦5試合を2敗

で6勝5敗3分けの勝ち点21。現在のところ、総合順位表のちょうどその第6位。

残された3試合は、本日行われる予定のアウェーゲーム:対クラブ・レオン戦とホームゲーム2試合のCFアトラスとCDグアダラハラ戦という状況。

 

 

これまでの傾向として、コロナ禍明けのガーディアンズ・トーナメントでは第12位以内までが出場出来たレペチャヘ(敗者復活戦)の際には、そのボーダーラインが勝ち点20と言われていた。今回それが第10位以内となる関係で、そのボーダーラインは勝ち点24と言われている。よってPUMASにとってPlay-IN(プレーイン)に出場するためには、少なくともあと1勝。もしくはPlay-IN(プレーイン)に出場しないためには、第6位以内の勝ち点28=2勝1分けが必要となる見込みです。

 

 

前節の総合順位表の最下位:クルブ・ネカクサ戦を落としたことが、いかに非常に手痛かったかが分かります。ただ終わったことを今更とやかく言っても仕方ないので、本日の対クラブ・レオン戦を少なくともドロー、残りホームゲーム2試合を全勝するつもりでプレーをして欲しいものです。前節セサール・ウェルタがレッドカードを受けて退場いているため、今節は出場停止。加えてパブロ・モンロイがアンダー23メキシコ代表に召集されており、最終節しかプレーを出来ない状況。ホセ・カイセドの負傷欠場もあったおかげで、これまでチームを支えてきた中盤(心臓部)が機能していないため、アントニオ・モハメド監督の采配ぶりに注目です。