Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

アルベルト・ガルシア・アスペがユースアカデミーを訪問

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私がよく見ているテレビ番組の1つに、フォックススポーツのラ・ウルティマ・パラブラ(La última palabra=最後の言葉)*1というものがあります。そこで今週の月曜日に放送された内容がとても興味深いものであったので、紹介したいと思います。

 

 

アルベルト・ガルシア・アスペ*2は2018年前期ステージ第15節におけるPUMAS対クルス・アスル戦に先駆けて、PUMASのアカデミー施設を訪問。彼が発見したことは、そのクラブ施設において選手たちが正確に訓練されていたことで、彼と、ラ・ウルティマ・パラブラの出演者たちの両方にとって嬉しいサプライズであった。

 

 

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ダニエル・ブライロスキー*3は、クラブ・アメリカを応援している立場であるにもかかわらず、チームのマネジメント、とりわけダヴィッド・パティーニョ監督のハードワークによって行われた作業を認識した。

 

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「彼はただ1人のプレイヤーに依存しないチームを形成していることが分かる。ディフェンスラインから、また両サイドから攻撃を仕掛けてくる選手たち、次々に現れては成長していく若者たち。 このチームには大変素晴らしい選手たちがいて、PUMASがリーグ優勝をするチャンスが無いと外野の人間たちに言わせるのは不当である。」

*1:フォックススポーツ(中南米)制作のサッカーに関する討論と論争の番組で、司会者はアンドレマリンというジャーナリスト(ワールドカップ6回、オリンピック5回、コパ・アメリカ8回実況を担当

*2:アルベルト・ガルシア・アスペ(メキシコ、1967年5月11日生まれ)は、ミッドフィルダーとしてプレーをしたメキシコの元代表サッカー選手。 彼のプロのキャリアでは、メキシコのクラブPUMAS、クルブ・ネカクサ、クラブ・アメリカ、プエブラFCでプレーをし、1995年にはリース契約でアルゼンチン1部リーグのCAリーベル・プレートでもプレーをした。

メキシコ代表デビューは、1989年2月の対グアテマラ戦。通算86試合21得点で、1994年アメリカ大会、1998年フランス大会そして2002年日韓共催のワールドカップでそれぞれプレーをした。2011年5月にはPUMASのクラブ副社長に就任するも、チームの成績不振により2013年8月退任。現在、フォックススポーツの解説者。

*3:ダニエル・ブライロスキー(アルゼンチン、1958年11月18日生まれ)は、アルゼンチンのフォワードまたはミッドフィルダーとしてプレーした元サッカー選手であるとともに監督。 現在、フォックススポーツの解説者。

1974年ウルグアイ1部リーグのCAペニャロールで、プロデビュー。80年にアルゼンチン1部リーグのCAインデペンディエンテへ移籍、82年にクラブ・アメリカで3年プレーをした後、イスラエル1部リーグのマッカビ・ハイファFCで選手生活を終えた。96年から4年間イスラエル1部リーグで監督をし、2002年にヴェラクルス、2007年にクラブ・アメリカ、2010年にクルブ・ネカクサとそれぞれ1年間監督をし、現在、フォックススポーツの解説者。

ウルグアイ、アルゼンチン、イスラエルの3つの国で代表選手として活躍、FIFAから表彰される。

クルス・アスルの今シーズン・フォーメーション

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それでは、今節の対戦相手︰クルス・アスルのフォーメーションについて。

 

リーグ優勝8回、特徴は1997年後期ステージ以降、21年間もリーグ優勝から遠ざかっている点です。最後にリギージャ(プレーオフ)決勝進出したのは2013年後期ステージの対クラブ・アメリカ戦で元PUMASの監督でもあったギジェルモ・ヴァスケスが率いるチームでした。


まずは、今シーズンここまでの結果。ちなみに元サントス・ラグーナを率いていた、ペドロ・カイシィーニャ監督の2度目のシーズンです。特記事項として、以前までホームスタジアムであったアスル・スタジアムが移転・新設のため、今シーズンからクラブ・アメリカとホームスタジアムとしてアステカ・スタジアムを共用しています。

 

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現在のところ、8勝3敗3分けで勝ち点27の第3位です。

 

注目すべき選手は、クラブ・ティファナやCFアトラスでプレーをしていた元アルゼンチン代表のミルトン・カラグリオ、2013年前期ステージと2014年後期ステージでPUMAS以来のリーグ連覇をクラブ・レオンで果たしたエリアス・エルナンデス、2015年後期ステージでサントス・ラグーナ6度目のリーグ優勝の原動力となったアンドレス・レンテリア、そして補強選手として移籍して3シーズン目のマルティン・カウテルシオに加え、長年クラブ・アメリカでプレーをしていたパラグアイ代表で守備の要︰パブロ・アギラルです。

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PUMASは、死者の日を記念したジャージを公開

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死者の日*1をお祝いする今週このような特別な日を動機にして、PUMASは特別なユニフォームを公開

 

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メキシコにおいて最も根付いている伝統の1つである死者の日を記念して、この月曜日PUMASは11月1、2日にお祝いをほのめかしたジャージを公開した。

 

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ジャージはナイキ製で、今シーズンのゴールドカラー地にPUMAの下(胸の辺り)に2本の交差した骨があしらわれている。

 

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メキシコサッカー1部リーグで公式に承認されていないため、このユニフォームを着用して実際の公式戦でプレーをすることはないが、金曜日のアカデミー施設における選手たちのトレーニングや、日曜日にオリンピック・スタジアムで行なわれる対クルス・アスル戦における試合前のウォーミングアップ、さらには試合直前のイムノ斉唱の際にも使用される可能性がある。

 

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ジャージのプレゼンテーションには主将︰パブロ・バレーラ、アレハンドロ・アリバス、ケヴィン・エスカミージャ、アラン・モソ、マティアス・アルスティサ、フェリペ・モラ、そしてカルロス・ゴンザレスが参加した。

 

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またレナト・カサリニ、ラファエル・アマドール、アルベルト・エチェベリ、ホセ・ルイス・カラカ・ゴンザレス、マリオ・ヴェラルデ、そしてマウリシオ・ペーニャらPUMASに所属し、死去された方々へのオマージュも行われた。

 

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パブロ・バレーラは、死者の日という枠組みの中で先人たちがPUMASと共に残してきた遺産は我々にとって大きな責任であり、世代を超えて引き継いで行きたいと語った。

 

パラグアイ人のカルロス・ゴンザレスは彼が外国人であることを考慮して、この記念をとても気に入ったとともに、もし彼が亡くなった際の捧げ物にはこのジャージとサッカーボールを置くべきだと語った。

https://www.tiendapumas.com/

PUMASオフィシャル・オンラインショップ

2018/10/31 01:21

 このジャージの価格は1499ペソ(約8500円)で、火曜日からPUMASオフィシャル・ショップ、ナイキストア、スポーツショップやナイキオンラインストアで発売される。

 


 

*1:

死者の日 (メキシコ) - Wikipedia

死者の日(ししゃのひ、スペイン語: Día de los Muertos)はラテンアメリカ諸国における祝日の一つ。特にメキシコにおいて盛大な祝祭が行われる。アメリカやカナダ等に在住する同地域出身者の間でも同様の習慣が継続されている。

◆祝祭

死者の日には家族や友人達が集い、故人への思いを馳せて語り合う。祝祭はカトリックにおける諸聖人の日である11月1日と翌日2日に行われる。地域によっては、10月31日の晩も前夜祭として祝われる。

市街地はマリーゴールドの香りに包まれ、公園には露店が立ち並ぶ。11月1日は子供の魂が、2日は大人の魂が戻る日とされ、供え物がチョコレートなどのお菓子からメスカルなどの酒に変わっていく。日本のお盆に近い位置付けであるが、あくまで楽しく明るく祝うのが特徴である。死を恐怖するのではなく、逆に死者とともに楽しく笑うというモチーフとなっている。

墓地にも派手な装飾が施され、夜間にはバンドによる演奏なども行われる。カボチャを飾り仮装をしてパーティを行うなど、ハロウィンとも共通する点が多くあり、実際にルーツは近似している部分がある。

メキシコリーグ2018年前期 第14節 レビュー

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「首位取りに取り憑かれている?」ダヴィッド・パティーニョ監督が答える

 

勝ち点26を上げたPUMASはリギージャ(プレーオフ)進出決定間近で、首位まであと勝ち点2と迫った。

 

「首位取りにこだわってはいるが、取り憑かれている訳ではない。」

このように、ダヴィッド・パティーニョ監督は言った。

 

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「間近だね。勝ち点2で首位、そして、まだその上位2チームと直接対決がある。その争いとトライに我々は興奮していて、再びこのチームが持っている物事を達成することへのハングリーさをトライする。」と、コメントした。

 

PUMASは現在、2018年前期ステージにおいて10試合連続負けなしを記録しており、これは正の連鎖であるがダヴィッド・パティーニョ監督の意見によれば、落ち着かなければならないということだ。

 

「我々は幸せだよ。試合前に話したけれど、選手たちはトレーニング中と試合とで見せるパフォーマンスが同じなんだ。本当にこれは大きな喜びであり、とても賞賛するに値する。」と、語った。

 

「まだ、3試合残っている。勝ち点を上積みしようと同時に、もちろん順位表のベストなポジションを目指してプレーをする。リーグ優勝を夢見ているが、1試合ずつやって行く。」と、締め括った。

 

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ダヴィッド・パティーニョ監督が強気な理由

 

ここ数節、監督がリーグ優勝という言葉を会見で語るようになりました。

自分はここ数年のPUMAS監督の中で選手時代とコーチ時代にリーグ優勝を経験しており、35年間クラブにずっと在籍していることから、PUMASというクラブはこうあるべきだという信念を持った監督の1人であると強く感じます。よってリーグが開幕してから今日に至るまで、その采配ぶりや選手起用そして指揮官としての立ち振舞を見て、疑問を感じたことはありません。

 

むしろ今季自ら首脳陣に依頼して補強した

ファン・マヌエル・イトゥルベ(1ゴール1アシスト)

カルロス・ゴンザレス、フェリペ・モラ(共にここまで6ゴール)

マルティン・ロドリゲス(2ゴール)

らの活躍。

 

そして14節を終わって14戦7勝2敗5分け
(うちホームゲーム︰2勝1敗3分け、アウェイゲーム︰5勝1敗2分け
の成績をよく吟味してみると、

 

第5、6節に1-0

前者はアウェイの対CFモンテレイ戦は序盤のセットプレーで早々と失点

 

  後者はホームゲームで両センターバックのアレハンドロ・アリバスとルイス・キンターナの負傷欠場で同じく序盤に失点

 

で連敗した後はずっと無敗と、大きく崩れたことが無いのです。

(しかも、第7~12節はクラブ・アメリカ戦で負傷した不動のセンターバックアレハンドロ・アリバスを欠きながら

 

加えて5引き分けの内容も、

第4、10節は直前からの降雨で両チームノーゴール

 

第7節の対クラブ・アメリカ戦は相手が2人退場処分で2-1とリードしていたロスタイムにセットプレーから、集中力不足で失点

 

第11節は序盤から2点リードしながら、追い付かれる失態

  

第13節は、先制するも追い付かれ逆転された後にしぶとく追い付くというドロー

  

いずれもあと1点取っていればという、もったいない試合ばかりでした。

 以前に

最終節までの3連戦はいずれも強豪チームなので、この前までに出来れば達成しておきたい

と書きましたが、いみじくもそういう結果になった今、残る3試合(ホームゲームで順位表上位2チーム、アウェイゲームで昨シーズン準優勝チーム)これまでのようにはいかない強者揃いですが、リギージャ(プレーオフ)本番を見据えて、

 

まずはホームアドバンテージのある順位表第4位以内をキープ、そして相手にとって

PUMASとリギージャ(プレーオフ)で対戦するのは、嫌だな」という印象を強く与えられるような試合をして欲しいものです。

メキシコリーグ2018年前期 第14節 Tijuana 0-1 UNAM

 

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PUMASがティファナにおける悪い流れを断ち、事実上リギージャ(プレーオフ)進出

 

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苦しみながらもマティアス・アルスティサのゴールで、PUMASが0-1でクラブ・ティファナから勝利を上げる

 

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PUMASはクラブ・ティファナを0-1で下し、勝ち点26というこれまでリギージャ(プレーオフ)に進出した全てのチームがクリアしてきたノルマを達成し、事実上進出を決めた。

 

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ゴールキーパー︰アルフレッド・サルディヴァルによる数々のファインセーブ、マティアス・アルスティサの得点によって、PUMASがカリエンテ・スタジアムにおいて過去8試合で2度目の勝利を上げ、今シーズンのメキシコ1部リーグ︰ベスト・ビジターの座を射止めた。

 

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試合の大部分においてゴールバーの下で非常に注意深く、またクラブ・ティファナのシュートをセーブしたアルフレッド・サルディヴァルのおかげで、PUMASは勝ち点3を上げた。実際に後半には、ファン・ルセロによるペナルティキックも止めた。

 

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試合は両チームによって非常に激しい攻防が繰り広げられ、大部分は中盤におけるせめぎ合いであった。前半は両チーム無得点で終わり、ハーフタイムとなった。

 

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後半はPUMASがより良くなり、ボールを支配して得点機会を作っていた。しかしながら、7分にアンドレス・イニエストラがペナルティエリア内でハンドを犯してしまい、クラブ・ティファナがペナルティキックを得た。そして、それはサルディヴァルがシュートコースを予測して止めたのであった。

 

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チームが苦戦する試合展開を見て、ダヴィッド・パティーニョ監督はファン・マヌエル・イトゥルベとマティアス・アルスティサをピッチに送り込み、前者の素晴らしい個人技とそのセンタリングを受け決勝点を決めた後者によって、勝利を上げたのであった。

 

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メキシコリーグ2018年前期 第14節 プレビュー

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我々は間違いなく、ティファナにおける悪い流れを変える

 

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「我々にとって

ティファナにおけるアウェイゲーム
通算成績7戦1勝6敗
2011年後期第17節 0-1
2012年前期第3節  0-1
2013年前期第5節  0-2
2014年後期第6節  0-2
2015年前期第15節 2-1
2016年前期第7節  0-1
2017年後期第 8節 1-4 

はあまり良くないが、我々はアウェイゲームで最も良い成績を収めているという心強い記録があって、何とかして悪い流れを変えるつもりだ。」と、今週木曜日にアカデミー施設において行われた記者会見でカルロス・ゴンザレスは答えた。

 

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彼にとってチームに自信過剰ということはあり得ないので、今シーズン終盤戦は容易い相手チームは1つもないということだ。

「クラブ・ティファナが他のチームと比較して遥かに弱いかというと、それは間違いだろう。非常に難しいライバルの1つで、いつも我々にとってアウェイゲームで複雑な試合になっている。どういうサッカーをして長所を持っているか?は分かっているので、我々はそれに対して試合でプレーをするんだ。いかにして穏やかさとインテリジェンスを持てるか?によるだろう。」

 

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彼はそれまでリギージャ(プレーオフ)圏内に留まれなかったPUMASにとっての1つの鍵として、チーム全体としてのハードワークであると強調した。

「ダヴィッド・パティーニョ監督は、いつも試合に挑むために可能な限り全ての武器を与えてくれている。彼が提案していることは我々を到着させ、私たちはピッチで動けることができました。獲得した勝ち点は、コーチングスタッフと選手たちによって行われた苦労の賜物なんだ。そういう意味では、チームは力強く団結していてこのトーナメント終盤を一番ベストな形で終わらさせるんだ。」と、付け加えた。

 

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2010年にクラブ・ティファナがメキシコサッカー1部リーグに昇格して以来、PUMASは、2015年に1度のみしかカリエンテ・スタジアムで勝利することが出来ていないという大変ネガティブな記録を続けている。

しかしながら、この2018年前期ステージにおいてPUMASはグアダラハラでCFアトラスやCDグアダラハラに対する長い呪い(アトラス戦は15年間、グアダラハラ戦は36年間それぞれアウェイゲームで未勝利)を解除したことは、彼にとって何かを得たようでティファナにおいてもそれを繰り返すことで、実質的にリギージャ(プレーオフ)進出の切符を手にしようと思っている。

「CDグアダラハラやCFアトラスに勝つことで、長い間の呪いを解いてきたのは良いパラメーターだ。ティファナでも同じように勝つことは、順位表の8位以内を確保することにも繋がる。それが大きな力となって、この時点で不可能なピッチで勝つ励みになると思う。この後どのチームと対戦するかは関係なく、我々は非常に準備万端で挑むだろう。」と語った。

 

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加えて、PUMASがアウェイゲームの成績がリーグ最優秀である(4勝1敗2分け)ことを新たに主張した。

「数字は明確であり、決して我々にとって有利なアウェイゲームは1つも無かった。だが我々は力強いデータを持っていて、最優秀ビジターなんだ。ティファナにおける負の連鎖(未勝利記録)を変えるつもりだ。間違いなくそれを可能にして、彼の地でリギージャ(プレーオフ)進出を目指す。」

 

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一方でPUMASへ加入して最初の今シーズン6得点を決めているこのストライカーは、第9節の対ロボスBAUP戦以降勝利していないホームゲームでより勝っていないことを受け入れ、より重要なことはアウェイでそれまで逃してきた勝ち点を取り戻すことであると強調した。

「アウェイゲームはより試合がしやすく、勝ち点を挙げてきた。借りがあるのは、ホームゲームだ。少しプレッシャーを感じるし、何らかの方法でリギージャ(プレーオフ)進出可能な勝ち点を取り戻さなければならない。前節の対UANLティグレス戦で挙げた勝ち点1に加えて、今アウェイでさらにそれを挙げるんだ。間違いなく、出来るさ。」

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クラブ・ティファナの今シーズン・フォーメーション

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それでは、次節アウェイで対戦するクラブ・ティファナの今シーズン・フォーメーションについて。クラブ創立が、2007年。2012年前期ステージで、1部リーグ昇格後、リーグ初優勝。

 

まずは、今シーズンここまでの結果。

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現在のところ、4勝5敗4分けで勝ち点16の第13位です。

 

注目すべき選手は、CSエメレクで2014、15年のコパ・スダメリカーナ得点王や2015年のリベルタドーレス杯ベストイレブンに選出されたエクアドル代表︰ミジェル・アレハンドロ・ボラーニョス、アルゼンチンのビッグ5クラブの1つ︰CAインデペンディエンテに所属していたことがあるファン・マルティン・ルセロ、そして今年より補強選手としてPUMASから移籍した左サイドバック︰ルイス・フエンテスとフォワードのエリック・トーレスです。

 

今年からそれまで所属していた選手たちを大量に放出(5FW、4MF、7DFの計16名=期限切れ移籍が3名、期限付き移籍が9名、完全移籍が3名、引退1名)に対して、やや小規模な補強(4FW、2MF、3DFの計9名=完全移籍が7名、レンタル移籍が2名)をしているのが特徴。

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メキシコリーグ2018年前期 第13節 レビュー2

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◆UANLティグレスは、スタメン3人を負傷で欠いていた

中盤の要︰ルーカス・セララヤンは左足の中指骨折、快足のサイドバック︰ユルゲン・ダムは左足首捻挫、鉄壁の両センターバックの1人︰ホルヘ・トーレス・ニロは右膝の骨挫傷で、それぞれ今回のメキシコシティへの遠征をしておりませんでした。

 

そのため第10節のホームでモンテレイダービーの対CFモンテレイ戦以来、ウーゴ・アジャラとセンターバックを組んだのはジュニーニョ。中盤の真ん中にエドゥアルド・バルガス、右サイドバックに抜擢されたのは下部組織出身のラファエル・ドゥラン(『20/11』ルールを遵守するため)でした。

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よってUANLティグレスのフォーメーションは、第7節アウェイでクルブ・ネカクサ戦以来の4-2-3-1でした。


◆さらにサブメンバーにも、負傷者を抱えるUANLティグレス

UANLティグレス︰リカルド・フェレッティ監督が試合後の談話で「もう1、2点とれるチャンスがあった」と言っていた割には、攻撃陣の交代カードを切ったのが後半13分のラファエル・ドゥランからフリアン・キニョネスはともかく、その後が後半37分にエドゥアルド・バルガスからイスマエル・ソサ、40分にアンドレ・ピエール・ジニャクからエネル・バレンシアとどう見ても遅すぎるのは、それらの切り札たちも同様にそれぞれ負傷で十分な実力を発揮できない現状があります。

En duda Enner Valencia por Tigres para enfrentar el domingo a Pumas | Dale Pumas

エネル・バレンシア、日曜日の対PUMAS戦への出場が微妙に

2018/10/24 03:57

 

◆リギージャ(プレーオフ)で、本当にリーグ優勝を争えるだけの底力

 同上の記者会見で「(リギージャ進出への展望は)私はいつもポジティブに考えるから、フィフティフィフティかな。いや、少し遠のいたかな。ただ、この状況を打開出来る自分の選手たちを知っている。」と語っていたように、まずは順位表の第8位以内である進出圏内を確保しなければなりませんが、一度リギージャが始まってしまえばそれまでの順位など関係なく、ホームアンドアウェーによる2試合で出た結果が全て。それまでのトーナメントとは、全く別の争いがそこにあります。各チームの監督は各選手たちが持っている100%の力を発揮出来るように、照準を合わせて負傷者たちをケアするのです。

 

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◆TOPレベル・チームの選手たちとのスピード争い

この試合、PUMASの攻撃はほぼ右サイドがメイン。対するUANLティグレスの攻撃は左サイドでした。前者はPUMASのベテラン︰パブロ・バレーラとUANLティグレスのルイス・ロドリゲスによる対決。後者はUANLティグレスのリーガエスパニョーラ帰りでバリバリのメキシコ代表︰ハビエル・アキーノとPUMASの若手サイドバック︰アラン・モソによる対決でした。

 

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PUMASの2、3点目は、そのパブロ・バレーラが、UANLティグレスの3点目はハビエル・アキーノ がそれぞれ起点となったのは、いかにしてTOPレベル・チームの選手のスピードに付いていけるか?どうかが鍵となりました。

 

◆サイドにおける攻防の後の攻撃参加

上記の攻防における守備のみでは、サイドバックの仕事は半分以下です。その後に、攻撃参加して初めてその機能を十分に活かせる訳ですが、守備ばかりさせられていては攻撃をする余裕がなくなってしまいます。この試合PUMASの右サイド攻撃はパブロ・バレーラ中心で、アラン・モソは全くと言っていいほど攻撃に参加出来ませんでした。

 

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また逆サイドのアラン・メンドーサは、UANLティグレスのラファエル・ドゥランを抑えるのに手を焼き、終いには2点目を決められた原因となりました。両者ともにそのストレスからか、不要なイエローカードまで貰う始末。これが本当にリギージャ(プレーオフ)本番であったら、2枚目をケアするあまり重要なピースを失い兼ねませんでした(事実アラン・モソは、後半8分にイエローカードを貰った6分後に交代。さらに累積枚数が5枚に達したため、次節出場停止)。

 

◆攻撃パターンのバリエーションとサブメンバーの出来

以前に、第5節を終わった時点で書いたメモの中に

≫攻撃陣だが~バリエーションが少なすぎる。各選手たちの個の強さで1対1を勝てるほどのクオリティはないので、どうしてもコンビネーションに頼らざるを得ない

というものがありました。毎試合それを出せるか?どうかは別にして、この試合のPUMAS2点目は、右サイドライン寄りにいた中盤の選手からパブロ・バレーラ→カルロス・ゴンザレスへとすべてワンタッチによるコンビネーションでした。

 

 

おそらくダヴィッド・パティーニョ監督がハードワークさせているであろう、何種類ものコンビネーションプレーのうちの1つだったのでしょう。

後半14分にアラン・メンドーサに代わって出場したマティアス・アルスティサ、36分にマルティン・ロドリゲスに代わって出場したファン・マヌエル・イトゥルベの動きに精彩さを欠いたのは、同じく今後の試合特にリギージャ(プレーオフ)本番では勝敗の行方を左右することでしょう。

 

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今節ハットトリックを決めたのはカルロス・ゴンザレスでしたが、それ以外の攻撃陣メンバーがあまり目立たなかったのは気になります。フェリペ・モラは先制点の足掛かりとなりましたが、それ以外は特に左サイドのマルティン・ロドリゲスとともにほとんど目立つシーンがなく存在が消えていたのも気になりました。

 

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◆首位を走っていたクルス・アスルのペドロ・カイシィーニャ監督が再び偵察

今節それまで第2位だったクラブ・アメリカがホームで勝ち、首位を走っていたクルス・アスルがアウェイでケレタロFCに敗れたため、首位が入れ替わりました。そして次節その両チームが直接対決、その後にオリンピック・スタジアムでそのクルス・アスルを迎え討つことになります。

 

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第9節にもオリンピック・スタジアムへ偵察に来ていた

ペドロ・カイシィーニャ監督が今度はコーチ陣を全て連れて来ていたということは、その第15節のみならずリギージャ(プレーオフ)を見据えて、徹底してPUMASの弱点を研究しているであろうと思われます。

 

メキシコリーグ2018年前期 第13節 レビュー

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◆両チーム監督の試合後談話

PUMAS︰ダヴィッド・パティーニョ

 

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「カルロス・ゴンザレスの3得点は、自分に大きな喜びを与えてくれた。彼はチームにおける責任を知っていて、このような重要な試合でこういった結果を出してくれたことを褒めたい。しかしながら、チーム全体の努力を強調しなければならない。」

 

「チームの意図は常に同じで、変わっていない。時々ゲームの行方を左右するミスを犯すことがあるが、今シーズンはホームゲームにおいてその傾向が強い。チームはいつものように、オリンピック・スタジアムで相手にプレッシャーをかける明らかな意図を持ってやってきている。この試合では選手たちが意図とフォームを理解しているので、それがうまく反映されたし、今後もそれを続けていく。」

 

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「選手たちが応えてくれたことには満足していて、自分がこのチームに選手としてデビューして以来、35年間やってきたのでとても良く知っている。その意味で、自分はそれを選手たちに伝える能力を持っている。それは、自分が言ってきたことを間違いなく証明している。結果が我々を維持してくれていて、それはどのチームの監督にとって同じだ。自分を信頼してくれた首脳陣と選手たちに感謝している。」

 

「我々は、安定したトーナメントを作っている。自分、は前シーズンの不安定さを破ったと思う。我々は、本当にリーグ優勝をしたい。リーグ王者になることを願い、優勝カップを再び掲げたい。その目標を達成するために、1試合1試合やっていかなければいけないということを確信している。」

 


 

 

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UANLティグレス︰リカルド・フェレッティ

 

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-どういう印象をもったか?

「攻撃面においては、良い試合だった。もう1、2点とれるチャンスがあったね。守備面において、悪かった。1試合で3失点をして、勝てる訳がない。」

 

-どうすれば、リギージャ(プレーオフ)進出出来ると思うか?

「どのチームも同じことだが、ハードワークをし続け改善することだ。他の方法は、私には思いつかない。主に守備面において、失敗を少なくすることだ。この意味では、相当な努力が必要だと思う。」

 

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-このような点の取り合いになったことについて

「通常みなさんがご覧になっていて、楽しかったと思う。私は攻撃面においては良かったが、守備面においては非常に悪かったと思う。昔、イタリア人監督が言ったこういう諺がある。『サッカーの試合における、ベストなスコアは1-0による勝利だ。』守備面において最高の仕事をして、攻撃面においては効果的な仕事をする。通常、1-0で勝っているのはあまり好まれない。穏やかさを得るために、もっとリードを欲しがる。」

 

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-5試合未勝利(2敗3分)の現状について

「何も心配していない。5連勝していたときに、何を考えているか?って私に聞いたかね?聞かなかったね?そういうことだ。ハードワークをし続けることだ。」

 

-リギージャ(プレーオフ)進出への展望は

「私はいつもポジティブに考えるから、フィフティフィフティかな。いや、少し遠のいたかな。ただ、この状況を打開出来る自分の選手たちを知っている。」

 


 

メキシコリーグ2018年前期 第13節 UNAM 3-3 U.A.N.L

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カルロス・ゴンザレスのハットトリックは、PUMAS対UANLティグレス戦で唯一ドローの価値しか生まず

 

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逆転に次ぐ逆転のエキサイティングな試合で、カルロス・ゴンザレスが3得点

 

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メキシコシティ南部を襲った嵐の中、PUMAS対UANLティグレスの1戦はゴールの雨となり、加えて3-3のスコアはスタジアムを興奮のるつぼとした。

 

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まさしくリギージャ(プレーオフ)さながらの1戦は、両チームともにこのスポーツのエンターテイメントである得点の意味を知り、試合開始早々から攻撃に対して1歩も引かずに、持てる力を惜しまずに発揮した。

 

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まずはこのクラブにいることが夢であることをもう一度示し、かつてのニコラス・カスティージョのゴールを忘れさせる、カルロス・ゴンザレスの1点目でPUMASが先制した。彼は、相手ゴールキーパー︰ナウエル・グスマンが弾いたリバウンドを見事ネットに突き刺した。

 

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出鼻をくじいた一撃が相手に対して致命傷を負わせたかのように思えたのもつかの間、エドゥアルド・ヴァルガスがエリアの外から放ったアルフレッド・サルディヴァルが必死に食らいつこうとするも届かない見事なミドルシュートで、UANLティグレスがすかさず同点に追い付いた。

 

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リカルド・フェレッティ監督がリギージャ(プレーオフ)進出を賭けたこの一戦で起用せざる得なかった、メキシコサッカー1部リーグのルールに則って出場時間を費やさなければならないUANLティグレスの下部組織出身選手︰ラファエル・ドゥランが反転し右足でコントロールしながら放った左足のシュートは、見事にその期待に応える逆転弾となった。

 

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今シーズン中ダヴィッド・パティーニョ監督が示し続けてきた逆境を跳ね返す力を、前半終了間際に再びカルロス・ゴンザレスが見事なボレーシュートで示した。

後半は得点チャンスが訪れず、ほぼ45分間強い雨も降り始めたが、このエンターテイメントショーは両チームのゴールエリアで続いた。

 

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対PUMAS戦には何かを持っている感があるアンドレ・ピエール・ジニャクが、新たにボールをゴールネットに叩き込んだゴールで、UANLティグレスがこの試合2度めのリードを奪った。

 

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追いかける展開となったPUMASにとって、諦めないために励ましの注入となったのは、またしてもカルロス・ゴンザレスが順位表の第4位にPUMASを留まることにさせた3点目だった。そして、その輝かしい一日の午後を締め括った。

 

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試合はさらなる得点を挙げる機会もあったが、両チームイレブンは折からの雨でびしょぬれとなり、乳がん防止月間によるピンク色のTシャツで染まったスタンドに対して、3-3のドローによるエンターテイメントショーは終わった。

 

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