Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ 2023年前期ステージ 第6節 裏話

 

今シーズンのPUMASによるホームゲームは、計8試合のうち半分が通常通りの日曜日正午キックオフではなく、夕方からナイターゲームです。今回は日曜日の午後6時キックオフであったため、3時から4時ごろにスタジアムへ到着出来るように、現在住んでいるアパートからメトロバスに乗って午後2時過ぎに出発しました。通常の日曜日正午キックオフの場合、家を出発するのが朝9時ごろとなり、ややバタバタするのですが、そういった意味で今回はかなり楽な感じがしました。また時間帯によっては乗客が多いメトロバスもガラガラで、移動はかなり快適でした。

 

 

最近は親友のマリオがここ数試合は家まで自家用車で迎えに来てくれ、スタジアムではビールをご馳走してくれ、尚且つ帰りは家まで送ってくれるので、非常に頭が下がる思いです。彼が今シーズンは北スタンド2階席(カベセラ・ノルテ)のシーズンチケットを購入したので、自分もいつもの中央スタンド2階席(パロマール)ではなく、一緒に観戦するようにしています。サポーター仲間がいる辺りだと比較的ピッチから近い感じがするので観戦もさほど苦にはならないのですが、マリオらはさらにその上の座席に陣取るので、どちらかというと観戦に集中というよりかは彼らと和む感じで見ています。そして、もう一人の親友*1であるパコには、この度彼が20年以上勤務しているアエロメヒコの社員割引航空券(日本行き)を手配してもらって、約5万円で10月半ばにおよそ4年半ぶりに帰国することになりました。

 

 

親友である彼ら二人には日頃からお世話になっており、今回8月から入社したメキシコシティ本社がある会社には、これまで以上の給与待遇であったり、週の半分はホームオフィスによる勤務で、以前では考えられないような生活を過ごさせて頂いているうえに、今回の日本帰国まで社長様から特別に許可を頂いて、本当に有り難い限りです。これらすべては例の女の子に対して、まずは正式にお付き合いをさせてもらうために、離婚届を提出して完全に独身である状態になる(もっと言うと両親が高齢なため、ゆくゆくは遺産相続の際に支障が出る)ための帰国なのですが、仮に彼女の存在が無かったらアグアスカリエンテスからメキシコシティの仕事を探すことに対して、これほど本気になって頑張らなかったでしょうし、これまでの給与待遇では通常チケットを購入したとしたら、恐らく早くても来年年明けであったところを、大幅に前倒しスケジュールで行くことが出来たのだと、ポジティブに考えるようにしています。

 

 

さてスタジアムへ着いたら、仲間たちがとある横断幕を持参していました。「俺たちは信じている」というような内容のスペイン語なのですが、あれだけ陽気で楽観的であるメキシコ人の彼らが、今回試合前にスコア予想を聞いたところ誰一人としてPUMASの勝利を信じる者がいませんでした。自分は1人だけ「2-1で勝利」とやや当てずっぽうではあったものの予想をして、後でみんなから尊敬されました。全く理由が無かったわけではなく、エースであるアンドレ・ピエール・ジニャックや主力選手の一人であるディエゴ・ライネスが今回のアウェーゲーム遠征に帯同していなかったことが主な理由です。

 

 

UANLティグレスは昨シーズンのメキシコサッカー1部リーグ王者であり、加えてここ9試合PUMASとの直接対決を徹底的に抑えていました。まだ今シーズンの3分の1を消化したばかりということもあって、今回の試合に関してだけ言えばドローという結果であれば上々ということだったのでしょう。ハナから自陣に引いて守っていました。とは言え試合のペースはボール支配率でいうと約6割がマイボールであったので、隙さえあればカウンターアタックで有利に進めようという意図があったものと思われます。いずれにしても敵陣深くまで攻め入って積極的な攻撃は敢えてしないで、あくまでもボールを回して無難な感じで試合を進めていました。

 

 

前半をスコアレスドローで折り返して、まさに思惑通りといった感じで後半も引き続き同じような状況が続きましたが、UANLティグレスの守護神とも言えるアルゼンチン代表のナウエル・グズマンがボーンヘッドとも取れるミスでPUMASが先制。さらにはこの度9月9日の対オーストラリア戦、9月12日の対ウズベキスタン戦のためにメキシコ代表に初招集されたセサール・ウェルタ(ホームゲーム前節の対デポルティーボ・トルーカ戦で、現代表監督でPUMASのOBでもあるハイメ・ロサーノの御前試合で顕著な活躍を披露した)が、ペナルティエリア内でボールを保持しながら一瞬のスキを突いて折り返した際にファールを受けてペナルティーキックを獲得。ここ数試合スタメンを外れていたエース:ファン・ディネンノがこの試合キャプテンマークを付けて八面六臂の活躍で、決勝点を挙げたのでした。自分は彼のペナルティーキックを見るのが苦手で(たまに外したりするので)、その瞬間は直視することが出来ず、後ろを見ながら両手で顔を覆っていました。

 

 

いずれにしても、アントニオ・モハメド監督が取ったファン・ディネンノとガブリエル・フェルナンデスの2枚フォワードを起用が功を奏し、2人が共に得点をマーク。対デポルティーボ・トルーカ戦では軽く見積もっても片手では収まらないほどの回数のチャンスをことごとく潰し、対ファレスFCでもエドゥワルド・サルビオによるペナルティエリア内におけるハンドであったり、正ゴールキーパー:フリオ・ゴンザレスによる拙い守備などが大量失点の理由ではありましたが、完全に相手に崩されて失点した訳ではありませんでした。このホームゲーム初勝利をきっかけにして、今後のシーズンでは頭を切り替えてプレーをしてもらいたいなと思います。

 

 

最後に8月いっぱいという選手移籍市場も終わりを迎えた今日、クルス・アスルからクリスティアン・タボケレタロFCからロドリゴ・ロペスをそれぞれ獲得したというニュースがクラブより公式に発表されました。ホルヘ・ルバルカバがベルギー1部リーグへ移籍した今、これからは彼らの加入によってどんな風にチームがフィットしていくのか?また補強選手としてどんな活躍を見せてくれるのか?を期待しながら、引き続きPUMAS8度目のリーグ優勝を目指していって欲しいなと思います。

 

*1:実は10年程前に初めて彼らと出会った頃、サポーター仲間の誕生日祝福イベント:パシージョで、体重が100キロ強の頑丈な連中に羽交い絞めにされながら、お腹の上に馬乗りされて負傷し、スタジアムの救護室へ運ばれたことがありました。そこから当時住んでいた里親の家まで、彼らが車で運んでくれて、そこから彼らとの交流が始まったという訳です