Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

2022年メキシコリーグ前期ステージ・優勝争いの行方について

 

現在第11週(三分の二)を消化して、あと残り6節。首位はCFモンテレイで7勝2敗3分の勝ち点24。これに対して我がPUMASは、1勝4敗6分の勝ち点9で第17位。

ここで昨シーズンの後期ステージを振り返ってみると、17節のレギュラーシーズンを終わって首位はCFパチューカで、12勝3敗2分の勝ち点38。

ここからレペチャ(敗者復活戦=第5位から第12位までが上位4チームのホームゲーム1試合でサドンデス)からリギージャ(プレーオフ=第4位までがレペチャヘを勝ち上がったチームと、ホームアンドアウェーで対戦)する訳ですが、レペチャヘ進出圏内(第9位から第12位までを争う)は勝ち点23から19の間であったことが分かります。

要するにレペチャヘ進出へのボーダーラインは、勝ち点21。そう考えると今シーズンのPUMASは残り6試合で4試合(勝ち点12)勝てば、この圏内へ突入可能ということになります。

 

 

まずは首位のCFモンテレイは、前節アウェーゲームの対クラブ・ティファナ戦もしっかり勝って、確かにあまり隙が無いように見えます。

 

 

続いて第2位のクラブ・アメリカは、首都ダービー(対PUMAS戦)に勝ってから4連勝で一躍ランクアップ。勢いだけなら、一番魅力的に見えます。

 

 

そして第3位のサントス・ラグーナは、これまた対PUMAS戦(第10節)に大勝してから3連勝。特にホームゲーム(5勝1分無敗)に滅法強いのが特徴です。

 

 

ここで強調しておきたいのが、第4位のCFパチューカ。勝利数こそ上位3チームの7勝に対して6勝ですが、前節のデポルティーボ・トルーカ戦(アウェーゲーム)で、どのチームも週2試合でローテーションをしており、この試合スタメンがほとんどベンチメンバー中心でありながら、4対1と圧勝したのです。さすがは昨シーズンのレギュラーシーズン首位、かつリギージャ決勝まで行って準優勝したチーム。

 

 

第5位のUANLティグレスはこれまで首位を走っておりましたが、先日のオリンピック・スタジアムにおける試合で、確かにアウェーゲームではありましたが、通常の日曜日正午キックオフという炎天下でもなく、比較的プレーしやすい状況にもかかわらず、らしさを発揮できなかったことは、個人的に逆に意外な印象でした。

 

 

最後に第6位のデポルティーボ・トルーカですが、こちらは今シーズン大幅に選手補強をして、どこからでも点が取れるチームに生まれ変わったのですが、上記の対CFパチューカ戦において主要得点源であるレオナルド・フェルナンデスが前半早々に負傷退場したのは事実ですが、にしてもらしさを発揮できず今後に不安を残した印象です。

 

 

当然のことながら、これ以下の順位にポジショニングしているチームにも十分チャンスはあるとは思いますが、ここまでのレギュラーシーズンにおける戦い方を見る限り、一番リーグ優勝の可能性が高いのはCFパチューカでしょう。何よりも決め手は以前はCDグアダラハラの中心選手であった、ハビエル・エドゥアルド・ロペスがメジャーリーグサッカーから再びメキシコサッカー1部リーグへ復帰。チームへの加入までの準備期間として、1日2セッションの体力強化をギジェルモ・アルマダ監督が直々に要請して、フィジカル面を一度リセットしてからチームに合流させた辺り、確実に昨シーズンの悔しさを晴らしたいのが明確に分かります。

 

 

そしてここからは、我がPUMASの残り6試合の対戦相手について。

 

第12節(9月3日土曜日アウェーゲーム)対CFアトラス戦(現在第16位)

第13節(9月7日水曜日ホームゲーム)対ケレタロFC戦(現在第18位)

第14節(9月10日土曜日アウェーゲーム)対デポルティーボ・トルーカ戦(現在第6位)

第15節(9月18日日曜日ホームゲーム)対クルス・アスル戦(現在第15位)

第7節順延分(9月27日火曜日アウェーゲーム)対プエブラFC戦(現在第8位)

第17節(9月30日金曜日アウェーゲーム)対FCファレス戦(現在第12位)

 

ほぼ下位チーム相手。逆に言えば、レペチャヘ進出争いをしている同士とも言えます。まずはホームゲームを全勝し、さらに4試合あるアウェーゲームの2試合に勝てば、可能性は0ではありません。

メキシコリーグ 2022年グリッタ前期 第11節 裏話

 

 

ここまで今シーズン11試合を戦って来て、1勝4敗6分の勝ち点9で総合順位表でブービー賞の第17位。ここ直近の6試合(バルセロナ遠征以降)が5敗1分で21失点。サポーター仲間の会計役であるグロリアが「これまで以前にチーム状態が悪かったシーズンはあったけど、こんなに酷い大量失点は無かった。」というメッセージを送って来たので、振り返ってみたら自分がメキシコに2度目に戻って来て、改めてPUMASを応援するようになりスタジアムへ足を運ぶようになった最初のシーズン:2013年前期ステージ以来(シーズン17試合でたった1勝のみ)であることを思い出しました。

 

 

逆に言えば今シーズン開幕から6試合は1勝無敗5分であった訳で、最初から負傷者リストに主要選手たちが入って不本意なスタメンで戦って来てはおりましたが、確かにここまでの酷い失点は喫しておりませんでした。アンドレス・リリーニ監督はディフェンスシステムにエラーがあるという指摘をしておりますが、それは最終ラインであるセンターバックが守り切らなければならない部分を、以前はニコラス・フレイレと2020年東京オリンピック競技大会でメキシコ代表として銅メダルを獲得した後、セリエAのジェノアCFC(今シーズンからUSクレモネーゼ)へ移籍したホアン・バスケスとで鉄壁の守備を誇っていました(事実、2020年後期ステージにはリギージャ決勝まで進出)。

 

 

その後メキシコサッカー2部リーグのPUMASタバスコからTOPチームへ加入、現在ではメキシコA代表に招集されるようになったアルトゥーロ・オルティスが代役を務めるようになって今に至ります。ただ彼が今シーズン開幕時に負傷をしてリハビリ中であったので、同じようにPUMASタバスコからリカルド・ガリンドやホセ・カイセド(今節2失点目のフリーキックを壁としてブロックしなければならないのに、避けてしまった)、サイドバックのポジションにもパブロ・ベネベンノらをスタメン出場させるようになりました(事実、2021年前期ステージにはリギージャ準決勝まで進出)。

 

 

元々アンドレス・リリーニ監督はユースアカデミーの下部組織チームの監督であった為、彼ら若手選手たちをTOPチームへ昇格させて、かつてメキシコA代表の基盤となっていた下部組織出身選手たちを育成するというクラブのプロジェクトを担っています。ただし彼ら全員が同じく以前に所属していて、クルス・アスルへ移籍して行った現メキシコ代表:エリク・リラのように育つ訳ではなく、やはりメキシコサッカー1部リーグのプレースピードやインテンシティに付いて行けるようになるには、選手1人1人のキャパシティやスキルは勿論のこと時間も掛かります。おそらく辛抱に辛抱を重ねて、試合でミスをしても目を瞑って育つのを待っているのでしょうが、これには限界があります。かと言って、彼らの獲得したポジションに更なる補強選手たちを契約出来るだけのクラブ台所事情が豊かな訳でも無いので、仕方無く起用し続けるしか無いというのが現状です。確かに将来的にはクラブの資産となり、TOPチームでもゆくゆくは活躍出来るようになるのでしょうが。

 

 

最後にちょうどこの連敗が始まった時期に移籍して来た、ダニエウ・アウヴェスについて。彼がバルセロナFCにおける契約更新が切れて、世界各国リーグのクラブへ移籍先を探していた際に今年の年末に開催される2022年FIFAワールドカップ・カタール大会へブラジル代表として出場する為に、代表監督:アデノール・レオナルド・バッチ(チッチ)から「コンディション維持のために、競争力のあるリーグでプレーするように」という指示がありました(実際、先日コーチ陣スタッフがオリンピック・スタジアムへブラジルから視察へ来ていました)。

 

 

さらには彼自身キャリア通算44タイトルを獲得しており、最後にどうしても欲しいタイトルがワールドカップ。また移籍先のクラブが、リーグ優勝を争えるだけのビッグクラブという条件もありました。先日メディアで巻き起こった「ダニエウ・アウヴェスは、各試合でフル出場するのが契約条件に織り込まれているのではないか」という疑惑も、そういう意味では理解出来なくはありません。また何よりも彼が移籍してから、それまで順調そうに見えたフォーメーションを再三変更したり、彼の存在が故にそれまでチームの中心選手であったレオネル・ロペスがベンチに追いやられていることも、理由の1つに挙げられるでしょう。とりあえず今シーズンはこのまま見守り続けることしか、他に出来ることは他に有りません。

 

メキシコリーグ 2022年グリッタ前期 第11節 レビュー

 

PUMASのトップであるアンドレス・リリーニ監督の状況は批判的:「責任は自分にある」
 

 
PUMASは8試合連続で未勝利
 
PUMASは8試合連続で未勝利。 悪い結果についての噂が、アンドレス・リリーニ監督を綱渡りに追い込み始めた。彼は何が起こったのかについて責任を負うことを認めつつも、クラブの責任者としての彼の状況が危機的であることを分かっている。
「先制した試合での敗北、個人的に非常に複雑な状況に落胆しており大きな悲しみに満ちている。クラブは今起こっていることに値しないし、責任は自分にある。クラブとサポーターとがそれに値し、我々が守らなければならない最も大きい2つであるので、我々全員の間でこれを融合させ前へ進むことができる」と、記者会見でコメントした。
 

 
「自分たちは、この状況を回避する方法を見つけられないでいる。8試合未勝利で、統計的に状況は複雑だ。リギージャ(プレーオフ)へ直接進出圏内まであと勝ち点9(3勝)離されている。状況は、極めて難しい。」と付け加えた。
 

 
アンドレス・リリーニ監督は自分自身に関しては満足していると述べた上で、どんな事があっても彼の選手たちは立ち往生している穴から抜け出すことができるだろうと述べた。
「そうだね、とてもデリケートだ。 サッカーは良い瞬間よりも、こういった多くの瞬間を与える。こうした状況を認識したうえで責任を負い、これらの瞬間がもたらす結果を受け入れなければならない。 自分自身は大丈夫だし、選手たちはそれをやってのけることが出来るだろう」と、コメントした。
 

 
監督は次節以降の試合に臨み、リギージャ進出圏内へ近づくために出来るだけ多くの勝ち点を積み上げる精神的な強さが必要だと分かっている。
「何か難しいことを乗り越えられるようにするために、力やエネルギーを注入したりすることがメインだ。我々はそういったチームの要素を中心にハードワークする。自分はそれらに対してとても重要性を与え、コーチ陣は常にそれを作業している。試合は身体を使ってプレーをするが、力強さは頭を使ったサッカーをする。」
 

 
「サッカーに存在するこれらの負の流れは、それを回避する方法を素早く見つけなければならない。 それは我々にとって非常に困難であった。この試合先制していたのは、単にラッキーであったからではないと信じている。不意打ちを喰らっただけで、その一撃から抜け出すことはなかなか難しいと思う。」
 

 
「前節の対UANLティグレス戦では、いい試合をして見せた。つい最近ロッカールームでも、選手たちに彼らにはそれを乗り越えられる強さがあると話した。多くは語らず、強くあれ。この戦いはメンタル面によって、乗り越えられる。」と、締め括った。
 

メキシコリーグ 2022年グリッタ前期 第11節 Guadalajara 3-1 UNAM

 

CDグアダラハラはPUMASを逆転し、メキシコサッカー1部リーグで3連勝を続ける
 

 

CDグアダラハラは今シーズン8試合未勝利という失望的なPUMASを利用して、3連勝を達成する

 

 
PUMASは前半2分、ファン・ディネンノがジオゴ・デ・オリヴェイラのスピードを活かしてスペースにパス、シュートを放つポジションがほとんど無かったにも関わらず、ニアポストへ突き刺して先制した。
 

 
しかしながらCDグアダラハラは前半15分、アレクシス・ベガのセンタリングをヘディングで合わせたヘスス・オロスコがメキシコサッカー1部リーグ初得点で追い付いた。そして前半20分にはペナルティーエリア左サイドで完全にフリーになっていたアレクシス・ベガがシュートを放つも、惜しくもニコラス・フレイレによる必死のカバーリングによってコーナーキックへと逃れた。
 

 
アクロン・スタジアムにおける土曜日の夜は、感動を失うことは無かった。前半38分、アレクシス・ベガが放ったフリーキックは正面の壁に当たって逸れ、そのままゴールへと吸い込まれて行った。ハーフタイムを迎える前に、スコアは2−1となった。
 

 
極めつけはその2分後、左サイドから始まった計12タッチのダイレクトパスでアレクシス・ベガによる3度のヒールキックからフェルナンド・ベルトランのスクリーンプレーを経由して、アンヘル・サルディバルが右サイドに叩いて、最後はイサーク・ブリスエラがゴールライン付近まで抉って上げたセンタリングをゴールキーパー:ヒル・アラカラが辛うじて触ったボールがオウンゴールで3−1。
 

 
後半に入ってアンドレス・リリーニ監督が投入したセサル・ウエルタによって漸く左サイドからの攻撃が機能し始めたが、時すでに遅しの感があった。PUMASはこれで直近5試合で15失点。これに対して対照的なのはCDグアダラハラは直近3試合で8得点。こうしてCDグアダラハラは勝ち点15で総合順位表の暫定7位に到達、2022年前期ステージにおいてこれまで以上に輝き始めた。
 

メキシコリーグ 2022年グリッタ前期 第11節 プレビュー

 

このチームは、常にチームを信じなければならないことを示している
 

 
ファン・ディネンノはチームの現在の状況を逆転させるために、PUMASにおける公約を繰り返し述べた
 
「我々は自分たちが誰であるか?ということに完全に自信を持っていて、自分たちがどこにいるのか?を知っていて、これに対して責任と責任を負い、前進するつもりだ。 このチームが何かを示しているとすれば、常にそれを信じなければならないということだ。」とフアン・ディネンノは試合前の記者会見で、アクロン・スタジアムでグアダラハラと対戦する遠征前に語った。
 

 
ファン・ディネンノは、チームの良いレベルの回復は対UANLティグレス戦の結果に対して明らかであると述べた。
「明日は素晴らしいスタジアムで素晴らしいライバルと対戦し、非常に難しい試合に勝つつもりだが、接戦になるだろう。 我々はそのスタジアムにおけるここ数年の連敗記録を止め、勝つことができると信じている。 自分たちにはそれを行う能力があり、それが必要であってそれを探すつもりだ。」
 

 
そういう意味で、彼は次のように付け加えた。「我々は先週、以前のチームに戻った。我々は闘争的で競い合い、得点シーンを作って後半アディショナルタイム6分まで非常にうまくやったと思う。最大の集中力、しかし相手チームもまた戦っており、差し迫ったものがある。 UANLティグレスに対しては、よりコンパクトなチームが示され、はるかに優れており、それが明日の試合でさらに改善したいところだ。」
 

 
「シーズンはまだ終わっていないが、自分たちは素晴らしいことを成し遂げる能力を持っており、多くの試合でそれを示してきた。 調子を上げて改善の兆しを見せる絶好のチャンスだ。 この状況を覆すことができると確信し、興奮している。」
 

 
そして以前の悪かった結果について、彼は次のように述べた。
「 様々な理由で、長期に渡り高い効果を上げることができる能力が足りなかった。例えば悪いフィニッシュや相手チームの長所、オフサイドの判定が半歩だけ前に出ていたなどなど。それぞれが異なったシチュエーションにおいてだ。能力があれば、こういう状況にはなっていなかっただろう。自分たちは、より高い効果を上げられることを願っている。」
 

 
そしてチームにダニエウ・アウベスが移籍してきたことについて意見を述べた。「 彼はチームにとってポジティブな人間だ。 彼が毎分休みなくプレーしたことは小さなことではなく、非常に競争力のある方法でそれを行っている。」
 

 
彼はまた、彼らがジョアン・ガンペール杯のためにプレーした試合がグループに影響を与えたことを否定した。「親善試合の結果であったこと以上に、望んでいたものではなかった。大きな期待を持って試合に臨んだし、歴史に自分たちの名前を刻みたかったがそのようにならなかった。遠征後の翌週にプレーした3試合は、我々にとってさあもありなんという酷い内容だった。影響が無かったとも言えるだろう。今シーズンが終わる頃にはより客観的な評価をしなければならない。毎試合が新しい歴史に名を刻み、そういうつもりで向き合うようにしている。グループ内の我々の立場から、自分たちができるこの気持ちを拡散することは日々の戦いだ。各試合に勝つための多くのツールがある。 この2年半の間にこのチームが何かを示したとすれば、それは悪い結果から立ち直る能力だ。」
 

 
最後に彼はチームに移籍して以来、このクラブに対して常に同じ公約を持っていることを示した。「自分は、ビッグクラブに所属している。いつもそれを口にするし、それは自分が本当に感じていることだ。PUMASで通算100試合出場することが出来て、とても嬉しい。数字を残すだけではなく、個人の成果は評価されなければならない。 自分はサッカーをするのが好きなので、それらの試合は非常に激しい感情を生むものだった。 ここで立ち止まるつもりはなく、これからもっと上を目指すつもりだ。」
 

メキシコリーグ 2022年グリッタ前期 第16節 裏話

 

ようやく、前向きなについて話せるようになった。後味は悪いが、PUMASによる好内容の試合

 

 

良かった点:ディフェンス陣も中盤も、チームは非常にバランスが取れていた。自陣における守備は非常に固かった。最後に失点はしたものの、最終的に非常にクレバーで、優れたカバーリング、相手選手へのマーキング、そして中盤における犠牲が多く払われていた。

 

 

悪かった点:攻撃面においてまだ多くのミスがあるものの、1点のみで勝てる展開ではあったが、それはとても非現実的である。フォワード陣はこういった試合では、チャンスに決めきらなければならない。

 

 

醜かった点:あとほんの少しで勝ち星を挙げるところだったのに加えて、チームは野戦病院状態であり、この試合でリカルド・ガリンドとホセ・カイセドまでもが負傷者リストに加わってしまった。(現在エドゥアルド・サルビオ、アルトゥーロ・オルティス、イゴール・メリタオ、フリオ・ゴンザレスらが全治1週間以上、それ以下の選手はホルヘ・ルバルカバら)

 

 

総じてポジティブな面をピックアップしてみたが、少なくともこの試合でこれまでにおける守備面の問題は解決されたように見える。素晴らしい内容の試合であったが、何かが始まりここからPUMASは立ち上がるだろうが、まだまだ改善していかなければならない。

メキシコリーグ 2022年グリッタ前期 第16節 レビュー

 

アンドレス・リリーニ監督による試合後の記者会見

 

 

「彼をマークしなければならないことはわかっていた」: アンドレ・ジニャクのゴールについて

今シーズン再びPUMASは、勝ち点3を挙げたかのように見えた試合を引き分けた

 

 

「選手たちは、自分が要求したことを完璧に実行したのでとても良かった。その後、選手交代により本来のポジションにない選手を投入することになり、2人のセンターバックが負傷した。チームは、守備面では良かった。アンドレ・ジニャクをマークしなければならないことは分かっていたが、最後の最後でやられてしまった。」

 

 

「チームには闘志があり、一週間前に失ったものを取り戻しに来た。この集団が持つ神聖なものが、今日試合で明らかになった。 二度とこういう事が起きないように、チームはハードワークしなければならない。これは以前にも起こったことであり、半端なく努力しなければならない。

 

 

「彼らのサポートに対して一度も疑ったことはないし、本当に何かが起きたら我々同士で沢山の事を話し合っている。そういうサポートを持っていることが、彼らに感謝している理由だ。レオネル・ロペスは序盤のプレーでイエローカードを掲示され、残りのチームメイトによる累積で出したと言われた。そういう話は初耳だ。ヘロニモ・ロドリゲスに対するバックチャージもあった。それではこういう状況に対処することは出来ない。」

 

 

「試合に勝つために多大な努力を払ってきた彼らのスピリッツ(チーム全体)にとって、これは大きな打撃だ。今日の試合結果について、2日間しかトレーニング出来なかった。1週間で今の総合順位表における順位より、下位に落ちるわけにはいかない。」

 

メキシコリーグ 2022年グリッタ前期 第16節 UNAM 1-1 Tigres UANL

 

UANLティグレスとアンドレ・ジニャクが、オリンピック・スタジアムにおいてアディショナルタイムにPUMASから勝利を奪う

 

 

PUMASはUANLティグレスと引き分け、少なくとも白星不足によるこれ以上の出血を止めた

 

 

PUMASは危機に陥っている中で何とか連敗を食い止めたが、何にも勝ち取っておらず、あとほんの少しでUANLティグレス相手に勝ち点3を挙げるところまで行ったものの、それを達成することが出来なかった。最終的に両者によるドローはこれまでの危機を食い止めたが、戦前に予想されていたものではなかった。少し落ち着きを取り戻したが、もちろんディフェンス面における修正は出来なかった。

 

 

PUMASのプランは序盤から明確で、ディフェンス面におけるこれ以上の失点を防ぎたかった。先週の日曜日(対サントス・ラグーナ戦)の結果を鑑みて、アンドレス・リリーニ監督は5バックシステムを選択。相手チームは特に前線において、最もダメージを与えるクラブの1つであった。こうしてPUMASは基本に戻って、監督はチームの守備構築。ホセ・カイセドを5バックの前(中盤)に配置したためチームは強化され、監督の狙いはアンドレ・ピエール・ジニャクとそのチームメイトとの間にスペースを与えたくないというものだった。

 

 

守備陣の努力は最大限に発揮されるところから完全なる緊張感を求め、ゴールキーパー:ヒル・アラカラのポジションからボールを可能な限り遠くに置き、そこからオフェンス陣による攻撃を組み立てた。こういう背景のもと試合はUANLティグレスが主導権を握ったが、PUMASがスペースを与えなかったので一進一退の攻防となった。何度か主要選手たちがゴール付近まで近づいたが、明確な得点チャンスを作れず、その際にはヒル・アラカラが数回にわたってセーブをし、それ以外の場面では5バックの守備陣による網に引っ掛かった。

 

 

PUMASのゲームプランは失点をゼロに抑えることであったので、UANLティグレスが一方的に攻め立てたがその攻撃は効果的ではなく、何度かの場面において自信と明晰さを欠いた。前半は盛り上がりに欠け、PUMASは試合の中で生き残っていた。後半の立ち上がりにPUMASは、UANLティグレスに対して衝撃を与えた。

 

 

後半2分、ペナルティーエリアの左サイドでボールを受けたファン・ディネンノは、ファーポストへ向けて放ったシュートはポストに当たりつつも、ゴールネットを揺らせた。PUMASの緊張感は緩んだが、UANLティグレスが全力で前線にボールを集中させたので、今度は耐え忍ぶ場面が続くことになった。

 

 

PUMASによる我慢比べの様相を呈しつつも、ファン・ディネンノが2点目を挙げる絶好機に放ったシュートは、惜しくもゴールをすり抜けていった。PUMASは予定通りのプランで守備陣による緊張を維持し、スペースを塞いでピッチにおいて全力を尽くしたが、アディショナルタイムにおけるアンドレ・ピエール・ジニャクによるヘディングシュートは彼らから勝利を奪った。そして今、次節の対CDグアダラハラ戦に向けて頭を切り替えている。

 

 

メキシコリーグ 2022年グリッタ前期 第10節 裏話

 

まず先週末になる前にミゲル・メヒア・バロン副社長から、バルセロナ遠征から戻った後の3連敗を受けて首脳陣による明確なメッセージを説明したのは、非常に良かったですし、何よりも彼の性格やキャラクターとしてとても丁寧な対応はとても好感が持てました。何故ならば彼は以前に長い期間、現在4大クラブ(クラブ・アメリカ、クルス・アスル、PUMAS、CDグアダラハラ)で監督をしたいと願っている、元PUMAS監督である名将:リカルド・フェレッティとUANLティグレスで共に仕事をしてきてきたが故に、現在のアンドレス・リリーニ監督に代わって彼を連れてくるのでは?という憶測がメディアで広まっていたからです。

 

 

次にバルセロナ遠征後に臨んだリーグ3連戦における大敗について、ダニエウ・アウベスが移籍してくる前までは、勝てなかったもののここまでの失点を喫していなかったのはフォーメーションが4-2-3-1であり、現在の4-3-3ではありませんでした。加えてこの4-2-3-1のレオネル・ロペスとイゴール・メリタオの2人が必ず守備のカバーリングに戻っていたのに対して、4-3-3のダニエウ・アウベス、イゴール・メリタオ、マルコ・ガルシアのうちダニエウ・アウベスは彼らのようなカバーリングをしていないからです。

 

 

最後にアンドレス・リリーニ監督はディフェンスシステムという表現をしておりましたが、実際には現在負傷療養中であるセンターバック:アルトゥーロ・オルティスに代わって先発出場しているリカルド・ガリンドによる守備が、メキシコサッカー1部リーグのスピードに付いていけない点です。今シーズンのPUMASは確かにこれまで以上の補強選手が移籍してきましたが他のチームもより一層の補強をしており、少なくとも2年前(ちょうどコロナウイルス感染前)とは比較にならないほど、世界各国の一流選手たちが入ってきております。

 

 

余談ですがアルトゥーロ・オルティスに関わらず、PUMASは今シーズン開幕からいきなりセサル・ウエルタらが負傷で出場出来ず、最近ではエドゥアルド・サルビオまでもが先日の対アトレティコ・サン・ルイス戦の前半2得点したものの、負傷で途中退場し全治10日間という診断を受けており、それまでバルセロナ遠征時から負傷療養中だったホルヘ・ルバルカバが復帰してその穴を埋めている状態です。週2試合が組まれている週が多い今シーズン他のチームも条件は同じですが、とりわけチーム陣容が豪華ではないPUMASにとっては忘れてはならないポイントだと思います。

 

メキシコリーグ 2022年グリッタ前期 第10節 レビュー

 

アンドレス・リリーニ監督による試合後の記者会見

 

 

「我々は、酷いプレーをした。以前から、このスランプから脱出出来なくする同じようなミスやその他の要因があった。チームは3日後にはまた試合があるので、直ちにそれを見つけなければならない。以前のようなチームに戻るべきだ。これらの3連敗は、非常に苦痛を伴うものだ。チームの雰囲気は最悪で、誰もが責任を背負った中でこのような恥ずかしい状況にいたくない。この状況から前進するために、これを改善する方法を探さなければいけない。」

 

 

「自分は自らの責任を取って、辞職をするつもりはない。自分は無情な人間でも、お金を稼ぐことだけを目的として働いている訳でもない。辞任しようと思ったことは過去に一度もないし、このチームを本来あるべき姿から放ってしまいたくない。間違いなく最も簡単なことは『さようなら、これまでどうもありがとう』と言って、沢山の方に満足してもらい他の監督に来てもらうことだ。次週も引き続き週2試合が組まれているが、何とかして抜け出したい。そうでなければ一歩ずつ様子を見てこの状況から脱出するか、もしくは試合の結果が我々に判定を下すだろう。」

 

 

「頭の上から瓶を叩き付けられたような状態だ。自分は悪いサッカーをするためにここにいる訳ではない。ネット上で感情を刺激するような書き込みがあったが、以前にはそれよりもっと酷い瞬間があった。首脳陣の信頼を得て、我々は前進することが出来た。危機という言葉を使ってもらっても構わない。メディアが騒ぎ立てる話題には、興味が無い。」

 

 

「ブーイングが起きるということは、普通の状態ではない。どこからそれが起きたのか?は分かっている。選手たちは道徳的な誠実さを持っており、ぺべテロ(正面スタンド)のサポーターやファンの皆さんには、我慢をしてもらえるようお願いしたいと思っている。彼らは入場券を購入するが、その価値がない試合をしてしまっていることは理解している。我々はお互いが人間であって、より悪いことが起きることを望むことは不公平であるしそれを望んでいる訳ではない。」

 

 

「ダニエウ・アウベスが試合にフル出場しなければならないということは有り得ない。1人の選手が途中交代したのは、そう判断をしたからだ。決して取り扱わない物事がここにはある。PUMASの最も悪い問題は、ディフェンスシステムだ。」