Pumas de la UNAM

メキシコサッカー1部リーグのクラブ・ウニベルシダ・ナシオナルを応援している日本人の備忘録

メキシコリーグ 2022年グリッタ後期ステージ総括

 

PUMASにとって、この2022年グリッタ後期ステージは、漸くメキシコサッカー1部リーグのスピードにも慣れ、今後の活躍を期待された下部組織出身選手:カルロス・グティエレスが昨夏のリーグ戦開幕前のトレーニング中に骨折してしまい1シーズン丸々棒に振った昨シーズンに引き続き、再び試合に出場出来ないところから始まった。

 

開幕節はホームゲームでデポルティーボ・トルーカを大量得点で下したが、相手陣容の大半がコロナウイルス感染で不出場、加えて結果的に今シーズン最も被得点が多かった守備陣であったことから、果たして実力通りのスコアであったのか?という疑問を醸し出した。続く第2節はアウェーゲームでケレタロFCと対戦、こちらも結果的にレペチャヘ進出出来なかったチームだっただけに、3-1で快勝も額面通りには受け取れなかった。

 

 

問題は第3節のホームゲーム、対UANLティグレス戦。相手は現在リギージャ(プレーオフ)準決勝を戦っている、レギュラーシーズン第2位のチーム。リーグ戦得点王のアンドレ・ピエール・ジニャクを擁する優勝候補。試合前半には今まで見たことがないようなダイレクトのトライアングルパス(ファビオ・アルバレス、レオネル・ロペス、マルコ・ガルシアらによる)を中盤で披露。31分に先制した。しかし後半追い付かれ、最後は逆転負け。リギージャ進出した順位表第4位までのチームはその恩恵として2ndレグをホームゲームで戦えるが、彼らがマークしたレギュラーシーズンの勝利数はその試合数の半分であり、これは少なくともホームゲームは落としてはいけないということを意味する。

 

 

ここ数年のPUMASが戦った決勝戦は、いずれも2ndレグがアウェーゲーム。ただし準決勝以前の試合はリーグ準優勝だった2年前の前期ステージで、1stレグに3-0で落としていた対クルス・アスル戦2ndレグのホームゲームで4-0と逆転したように、いかに2ndレグのホームゲームで戦えるか?が非常に大きな要素となる。加えてリギージャでは以前のようにアウェーゴールの恩恵(アウェーゲームの得点は1.5倍)が無くなり、スコア合計がドローの場合でも、総合順位表上位のチームが進出可能となるだけにそのアドバンテージは非常に大きい。

 

その後の試合結果を振り返るとホームゲームで2勝1敗3分け、アウェーゲームで1勝6敗2分けだったように、当たり前のことではあるがホームゲームの方がアウェーゲームより分が良かったため、少なくとも前述の対UANLティグレス戦は、最低でもドローもしくはあわよくば追加点を奪えていれば、貴重な勝ち点3が挙げられていたと同時に総合順位表上位のライバル相手に少しでも肉薄出来ていただけに勿体無い敗戦だったと言える。

 

 

もう1つ忘れてはいけないのは、第2節の対ケレタロFC戦で久し振りの得点をマークしたマルコ・ガルシアがいよいよ本格化か?と思われた矢先に、試合途中で負傷退場。そのままシーズン後半まで試合に出場出来ないという、大きなマイナスとなった。さらにはチームの主砲であるファン・イグナシオ・ディネンノが、開幕戦を昨シーズンのリギージャ2ndレグで退場処分となった制裁で欠場。続く2戦目でレッドカードを受けて再び退場処分となり、シーズン途中の負傷などでコンスタントに試合でプレーが出来ない影響でシーズンを通して3得点しか出来なかったのも、チームが低迷した要因の1つに挙げられる。

 


そもそもこの前の記事にも書いたように、他の有力チームと比較して限られた陣容であるため、リーグ戦とCONCACAFチャンピオンズリーグを戦えるだけのキャパシティーが無く、前述のような有力選手たちの離脱も重なり(特にCONCACAFチャンピオンズリーグでは、決勝戦1stレグで負傷退場したチーム唯一の得点源であったアシスト王:アラン・モソの離脱はその後の試合において、決定的であった)、まずは負傷をしている選手たちはその治療に専念してもらい、全選手たちの状態を万全にした上で翌シーズンを迎えてもらいたい

現在のPUMAS陣容の価格価値

 

ただ今リギージャ(プレーオフ)準々決勝の真っ最中ですが、早くもPUMASは来シーズンへ向けて選手たちの契約更新を始めました。中には今シーズン限りで更新されない選手たちもおりますが、ここでそもそもPUMASはなぜ優秀な選手たちを売却して廉価な選手たちを探してきて陣容を維持しなければならないのか?という点について触れたいと思います。

 

上記画像は、現在のメキシコサッカー1部リーグ各チームの陣容を金額にしたものです。まずは首位のCFモンテレイは約7,500万ユーロ(100億3500万円)。続いてUANLは7,230万ユーロ(97億2000万円)。さらにクラブ・アメリカは6,800万ユーロ(91億4800万円)といずれも90億円以上です。これに対してPUMASは、290万ユーロ(約37億5000万円)と3分の1以下という訳です。

 

Plantilla del Seattle Sounders vale casi 500 millones más que la de Pumas

シアトルサウンダーズFCの陣容は、PUMASのそれよりも約5億ペソ(約12億3千万円)多くの価値がある

2022/05/14 15:09

ちなみに先日CONCACAFチャンピオンズリーグ決勝で対戦したシアトルサウンダーズFCの総陣容に対して、PUMASのそれは約5億ペソ(約12億3千万円)低いというのが上記記事で、シアトルサウンダーズFCの最も高いラウル・ルイディアス選手の価値は800万ユーロ(約11億800万円)。対するPUMASで最も高いファン・イグナシオ・ディネンノ選手の価値は450万ユーロ(約6億2,500万円)であると、上記の記事は謳っています。

 

 

こちらが現在のPUMASの年棒総額(約800万ドル=10億万円)。1番の高給取りは、正ゴールキーパー(メキシコ代表)のアルフレード・タラベラで、137万ドル(約1億7千万円)。続いてセンターバックのニコラス・フレイレで、61万ドル(約8千万円)。さらにサイドバックのアラン・モソが58万ドル(約7千万円)。

 

そもそもクラブの財政的にメキシコサッカー1部リーグやアメリカのメジャーリーグサッカーの主要クラブと違って各ポジションに一流選手たちを揃えることが出来ないので、下部組織出身選手たちを1部リーグにデビューさせて1〜2年ぐらいで一人前になってから、他クラブへ高額(上記の以前ボランチだったエリク・リラ(当時の年棒57万ドル=約7000万円をクルス・アスルへ400万ドル=約5億1,500万円)にて売却しない訳にはいかないということです。

メキシコリーグ 2022年グリッタ後期 レペチャへ レビュー

 

アンドレス・リリーニ監督の試合後記者会見・要旨

 

 

「後半に入ってから、チームは崩れてしまった。相手チームは、常に我々より優勢だった。今日はサッカーのロジックで、負けたようなものだ。」

 

 

「今後の進退については、分からない。メヒア・バロンとオーナーが、答えてくれるだろう。自分の人生において、最悪の1週間だった。連敗を喫した。我々はその途中で、出来る限りの最善を尽くした。」

 

 

「あくまでも試合の一部であるため、怪我の状況に依存することは出来ない。 言い訳はしない。 我々がこれまでやってきたことは、うまく行かなかった。 レペチャヘ(敗者復活戦)敗退だ。」

 

 

「自分自身を庇うスピーチが出来ないし、有言実行出来なかったのでそれを恥ずかしく思う。この場にいる私が、全ての責任を負う。今後については、首脳陣の決定があるだろう。」

 

メキシコリーグ 2022年グリッタ後期 レペチャへ Guadalajara 4-1 UNAM

 

CDグアダラハラがPUMASを破り、力強くリギージャ(プレーオフ)進出

 

 

CDグアダラハラは5連勝。ホームゲームでPUMASを4-1で下し、この結果リギージャの準々決勝はハリスコ州ダービーとなる

 

 

CDグアダラハラは、次の対戦相手CFアトラスとの試合に対して準備万端であることを示し、5連勝でPUMASを4-1で下した。この勝利でリギージャ進出し、クラブ・アメリカと共にシーズンを最高の形で締め括った。試合は点の奪い合いで始まったが、悪いニュースだったのはヘスス・アングロが負傷退場したことであった。

 

 

試合は前半11分、トライアングルパスからクリスティアン・カルデロンが左サイドから抜け出し、マークに付いていたサンティアゴ・トリゴスを置き去りにして、最後は飛び出したゴールキーパー:アルフレード・タラベラの一瞬の隙を突いて、先制。

 

 

しかしその後前半19分、ハーフライン付近からアルトゥーロ・オルティスによるロングフィードから、ジオゴ・デ・オリヴェイラが必死にマークに付いていたヘスス・ヒルベルト・オロスコを振り切って、最後は相手ゴールキーパー:ミゲル・ヒメネスの脇の下を押し込んで、同点とした。

 

 

CDグアダラハラにとって前半悪いニュースだったのは、ペナルティーエリア内でフリーになっていたヘスス・アングロがトラップして足元へ収めようとしたボールを、アルフレード・タラベラが一足早くパンチング。そのままヘスス・アングロの足を巻き込んでしまい、担架で運ばれるアクシデント。

 

 

この負傷を境にして、それまで一進一退の攻防から少しペースがダウンした。前半は1-1のまま、終了。しかしPUMASもまた、同点ゴールをマークしたジオゴ・デ・オリヴェイラが、足を捻挫してしまい前半40分に途中退場。ワシントン・コロソがそのポジションに入った。

 

 

後半6分、アレクシス・ベガとフェルナンド・ベルトランによる長い壁パスから、ベガのヒールパスをエリア内で受けたベルトランが対角線に侵入し、最後は狭いスペースからアルフレード・タラベラを制して逆転。これで試合の流れは、一気にCDグアダラハラのペースに変わった。

 

 

PUMASは何とか同点に追い付きたかったためロングボール1本でゴールを目指していたが、追加点が欲しいCDグアダラハラは、後半17分にロベルト・カルロス・アルバラドに代えてホセ・ファン・マシアスをピッチへ。これで前線を5枚にして、パワープレイに転じた。

 

 

後半40分、PUMAS唯一の得点チャンスだったのはファン・ディネンノがヘディングシュートで惜しくもファーサイドをボールがすり抜けた瞬間だった。その直後の後半43分、完全にフリーになっていた逆サイドへロングパス。これをエリア内中央で最後はホセ・ファン・マシアスが押し込んで、3点目。

 

 

続く後半45分には、アレクシス・ベガがダメ押しとなる4点目で勝負有り。CDグアダラハラは続くリギージャ準々決勝で、ハリスコ州ダービーとなる前リーグ王者:CFアトラスと対戦する。

 

メキシコリーグ 2022年グリッタ後期 レペチャへ プレビュー

 

エフライン・ベラルデは、メキシコサッカー1部リーグがシアトル・サウンダーズFCに対するPUMASをサポートしていなかったと考える
 

 
PUMASのベテランサイドバックはリーグによる助けがなかったため、チームはシアトル・サウンダーズFCに対してCONCACAFチャンピオンズリーグ決勝に勝てなかったと信じている
 

 
水曜日にシアトル・サウンダーズFCに敗れたCONCACAFチャンピオンズリーグ決勝で残された傷を、PUMASはまだ舐めている。PUMASはピッチで明らかに勝っていたことを認めているが、メキシコサッカー1部リーグは多くの試合を組んでおり、決勝に勝てないようにしているとエフライン・ベラルデと語った。
「言い訳にはならないが試合の負荷が集まってたくさん蓄積された場合、トーナメント全体が我々にとって非常に激しいものになり、過密日程は我々を何らかの形で肉体的に苦しめた。シアトル・サウンダーズFCのようにすべてが可能な限り良好で、最良の方法でチームの状態を上げて試合に臨めるように計画されていた。特にMLSのリーグ戦でさえ週末の試合を行わないことを許可された決勝戦では、状況は異なる。願わくば、メキシコのサッカーの利益のためにも常に同じように快適な形で行えるようにしてもらいたいものだ。」
 
 
一方で彼はCONCACAFチャンピオンズリーグの決勝戦で敗れたことで、MLSがメキシコサッカー1部リーグ上回ったと言えることを否定し、CONCACAFにおいてメキシコの覇権を失ったことに対する挑発は、チームにとって影響は与えないと述べた。
「これは、終わりのない議論だ。米国は前回のワールドカップに出場出来なかった。それは彼らの実力下がったり上がったりするということではなく、非常に結果志向の認識から来ていると思う。MLSは大きく成長していることは、我々全員が知っている。彼らはFIFAワールドカップ第1回大会に出場し3位に入賞した国であり、これからも成長し続ける。自分の目から見てメキシコサッカーはまだ非常に競争力があり、未だ途上だと思うが、結果を取り巻く状況次第で論議は異なっていくだろう。」
 

 
PUMASは週末のレペチャへ(敗者復活戦)でCDグアダラハラと対戦し、感情的にダメージを受けて臨んでいることを認めているが、プレーオフ進出のために戦わないことは言い訳にはならないだろうと指摘している。
「それが、サッカーだ。転んだら、起き上がる。先日我々が経験したことは最も困難な打撃の1つであったが、それは我々が日曜日に競争しないという意味ではない。我々はプロフェッショナルであり、インテリジェンスな試合運びで多くの責任感を持って、最高の状態で日曜日にPUMASとして臨まなければならない。そして何よりも、我々がリギージャ(プレーオフ)進出という結果を出そうとしている。」
 

 
一方でアンドレ・リリーニをクラブの理想的な監督と見ているため、すぐにでも契約更新されることを望んでいる。
「それはクラブにとって非常に良いことであり、就任して以来メキシコサッカー1部リーグのチームで最も長く指揮を執り続けている監督だ。長期的なプロジェクトは常に実を結ぶことになるので、自分は必要だと思う。全ての人たちが短期間で良い結果を出すことを望んでいるから、この世界では非常に稀なケースだ。そのプロセスを尊重して続けることはとてもポジティブであって、結果がより良い方法で出るように長期的なプロジェクトが成長するのはメキシコのサッカーのために良いことだ。」
 
PUMASはこの金曜日の午後、実質CDグアダラハラ戦欠場となるアラン・モソのみ別メニューでトレーニングを行なった。
 

CONCACAFチャンピオンズリーグ 決勝 2nd.レグ レビュー

 

アンドレス・リリーニ監督の気持ちは「欲求が阻止され満足されない状態だが、選手たちを誇りに思う」

 

 

PUMASのアンドレス・リリーニ監督は、CONCACAFチャンピオンズリーグの決勝戦に敗れた後の記者会見で、彼の気持ちを吐露した際に感情的にボロボロになったように見えた。何度も顔に手を当てて、タイトル獲得寸前まで行ってどういう気持であったか?を語った

 

 

「まずは、シアトルサウンダーズFCに対しておめでとうと言いたい。公正な立場から見て勝者に相応しく、素晴らしいクラブであり、我々は勝ちたかったが今は敗北感でいっぱいだ。決勝戦へ進出するまでに複雑な相手チームを倒したが、ホームゲームで失ったアドバンテージを犠牲にして、プラクティカルで、素早いチームと対戦し、ミスを犯せば得点に直結するだろうということを承知でシアトルまで来た。実際に起きたことは、その通りだった。得点チャンスはあったが、それを決めきることは出来なかった。」

 

 

リリーニは、「我々は、現実に直面しなければならない。自分はそれに直面するためにここにいる。気持ちは完全に欲求が阻止され満足されない状態だが、選手たちを誇りに思っている。彼らは、持っているもの全てを出し切ってくれた。ここまで応援に来てくれたサポーターに言えることは、彼ら同様に我々もまたこの決勝戦を勝ちたかった。選手たちは持っている全力を出し切ってくれた。達成できる時もあれば、今日のように相手が上回る時もある。」

 

 

「1stレグの試合における2点のアドバンテージをキープすることは決定的だった。もちろん、そうしてシアトルへ乗り込むつもりだった。試合は別のハンドリング方法で、また別の条件で行なわれるハズだったが、結果はネガティブであり、我々は今こうしてこの場にいる。」

 

 

監督は先を見据えて、繰り返して述べた。

「これは、複雑な状況だ。頭の中で、早く切り替えなければならない。今はどん底にいるが、明日は再び走り始めなければならない。なぜならば、我々にはメキシコサッカー1部リーグの敗者復活戦が残っているからだ。」

 

CONCACAFチャンピオンズリーグ 決勝 2nd.レグ Seattle Sounders FC 3-0 UNAM

 

歴史は繰り返す!PUMASはCONCACAFチャンピオンズリーグ決勝2ndレグで、シアトル・サウンダーズFCに敗れる

 

 

2005年同様、PUMASはクラブワールドカップ出場を断たれ、メキシコサッカー1部リーグのMLSに対する覇権を失う

 

 

PUMASはCONCACAFチャンピオンズリーグを優勝したシアトル・サウンダーズFCに対して0-3(スコア合計2-5)で敗れた結果、メキシコサッカー1部リーグのMLSに対する覇権は終わり、クラブワールドカップ出場を逃した。PUMASにとって、2005年に対デポルティーボ・サプリサ戦でメキシコ勢として唯一敗れた歴史を繰り返した。

 

 

得点者はシアトル・サウンダーズFCのマヌエル・ルイディアス(前半45分、後半35分)と、ニコラス・ロデイロ(後半43分)で、メキシコサッカー1部リーグに大きな打撃を与えた。敗れたPUMASは今週日曜日の対CDグアダラハラ戦(敗者復活戦)のため、メキシコへ戻った。メキシコサッカー1部リーグに在籍していたマヌエル・ルイディアスのシュートがジオゴ・デ・オリヴェイラのオウンゴールになった瞬間、PUMASの2005年の苦い思い出はまるでクラブワールドカップ出場の夢が崩れ始めたかのように見えた。

 

 

マヌエル・ルイディアスは、ペナルティーエリアの真ん中でルーズボールを見つけ、アルフレード・タラベラ目掛けて強烈なシュートを放った。これに反応したジオゴ・デ・オリヴェイラの足が当たってしまい、ルーメン・フィールドを埋め尽くしたサポーターたちを歓喜させた。

 

 

このゴールの前にPUMASは明らかな先制チャンスを掴んだが、ワシントン・コロソがこれを外したのだ。ファビオ・アルバレスによるスルーパスをフリーの状態でエリアで受けたのだが、相手ゴールキーパー:シュテファン・フライに対してボールをスタンドへ吹かしてしまい、すでに得点を祝おうとしていたアンドレス・リリーニ監督をガッカリさせた。

 

 

前半は非常に波乱含みであったため、シアトル・サウンダーズFCは負傷のため2名の選手交代を余儀なくされた。対するPUMASは捻挫を完治できなかったアラン・モソの代わりに中盤の要としてレオネル・ロペスとともに出場したホセ・リカルド・ガリンドがイエローカードを掲示された。

 

 

後半に入って追い掛ける展開のPUMASは、メキシコサッカー1部リーグのMLSに対する覇権を賭けて、死ぬ気でピッチへ飛び出して得点チャンスを創出。ジオゴ・デ・オリヴェイラが放ったヘディングシュートは、惜しくもシュテファン・フライの好セーブで止められた。PUMASの不安と緊張はより大きくなり、アルフレード・タラベラまでがビルドアップをしようとスローインしたボールは相手フォワードの目の前に転がり、自身の手でその帳尻を合わせた。

 

 

PUMASがゴリ押しで同点に追い付こうとしたため、時間が経過するに連れて、自陣にスペースを開け始め対するシアトル・サウンダーズFCはそれを利用してカウンターアタック。マヌエル・ルイディアスによる2点目を献上した。

 

 

さらにその後、ペナルティーエリア内でパスを受けたジョーダン・モリスがマークをするディフェンダーをかわしてシュート。これをアルフレード・タラベラが辛うじて触り、ポストに直撃したこぼれ球を最後はニコラス・ロデイロが押し込んで、ダメ押し。

 

 

試合はそのまま逃げ切り、2戦合計2-5でシアトル・サウンダースFCが勝利。CONCACAFチャンピオンズリーグで初めてメキシコ勢以外の優勝となり、前身であるCONCACAFチャンピオンズカップ時代の2000年にロサンゼルス・ギャラクシーが優勝して以来のアメリカ勢の優勝となった。.

 

 

CONCACAFチャンピオンズリーグ 決勝 2nd.レグ プレビュー

 

アンドレス・リリーニ監督は、選手たちがチャンピオンズリーグを勝ちたいと渇望していることを認めた
 

 
PUMASが最後に公式国際タイトル(1989年CONCACAFチャンピオンズリーグ)を勝ってから32年、最後のリーグ優勝(2011年後期ステージ)を勝ってから11年が経った。そして今、CONCACAFチャンピオンズリーグの決勝2ndレグ(対シアトル・サウンダースFC戦)の場に立つ。アンドレス・リリーニ監督は、手ぶらでオリンピック・スタジアムへ帰るつもりはないと警告した。
 

 
「優勝するイメージは、いっぱいある。値千金のチャンスであり、それを逃すつもりはない。そのための準備は、万端だ。タイトルは常に今までやってきた事やクラブに対して、大きな信頼を与える。プロジェクトはしっかりしていて、我々はそれを継続しなければならない。オーナーは今までやってきたように継続することを望んでおり、このクラブの無冠時代を終えなければならない。何が何でも、このタイトルは獲らなければならない。」と、述べた。
 

 

そしてアラン・モソが、この試合に出場出来ないことを告げた。
「アラン・モソは明日(出場出来るかどうかの)決断をしなければならないが、非常に難しい状況だ。ニコラス・フレイレとアルトゥーロ・オルティスの両センターバックは、何の問題も無い。」
 
 
最後にアンドレス・リリーニは、未だにクラブとの契約を更新していない選手たちの将来にとって、この決勝戦の結果が決定的なものになるかを質問された。
 

 
「自分の契約更新同様、これらの(チャンピオンズリーグとメキシコサッカー1部リーグ)の状況がどうなるかどうかを見守っているだけだ。選手たちの将来は、分析されるだろう。決勝戦とレペチャへ(敗者復活戦)を戦って、状況はどうなるか分からないがリーグ戦が終わった時には分かるだろう。」と、述べた。
 

 
「明日やらなければならないこと以外に、もう1つ残っている。先週の日曜日にメキシコサッカー1部リーグで総合順位表首位のチームとの重要な試合をした。もちろん、チームは不可能が可能であることを認識しており、明日の試合は非常に戦術的であるため役に立つ。攻撃する時間帯や防御する準備をしなければならない他の時間帯がある場合も同様だ。この類の決勝戦はそのようなものであり、ライバルチームに対して自分たちのサッカーをするだけだ。」と、指摘した。
 

メキシコリーグ 2022年グリッタ後期 第17節 レビュー

 

「チームにとっては幸せだ。リギージャ(プレーオフ)という目標に到達していない。レペチャヘ(敗者復活戦)だ。必要な起用選手変更を加えなければならなかった。ニコラス・フレイレは腰痛があり、トレーニングできなかった。レオネル・ロペスとファビオ・アルバレスも同様だった。我々は、下部組織出身選手たちと試合に臨む。メキシコ人と共にプレーをする。彼らにとって、飛躍する場だ。成長とともに、それを実現している。このことは、クラブの将来にとって有益だ。結果は、我々にとってムードを盛り上げてくれる。」

 

 

「時間があることは、分かっている。今日は、違いを見せることが出来た。水曜日にはまた、同様のことをするだけだ。シアトル・サウンダーズFCはきっと攻撃してくるだろうし、我々もまた同様だ。我々は疲労困憊だが、レペチャヘ進出が出来て光栄だ。選手たちは、期待に応えてくれている。外国人選手たちとメキシコ人選手たちが、それぞれ質の違いを見せてくれている。サポーターたちは、応援を止めないで欲しい。明日の朝5時には、シアトルへ向けて出発することを考え始めなければならない。」

 

 

 「試合に勝つことは、非常に多くの労力を要する。試合に負けた際には、顔を上げて前を向かなければならない。悪いことを考えてばかりでは、体に良くないからだ。今この瞬間(今日、勝利した瞬間)が大事であって、これをきっかけにしてに我々は立ち上がるだろう。この勝利は、留飲を下げるものだ。ユースアカデミー出身の補強選手たちを信頼するという決定を下す者がいれば、正にこの勝利がそうだ。最も勝利に繋がることは、我々が残そうとしていると考えるべきだ。成績はリーグ優勝であるべきであって、その後にトレーニングされた選手たちを残すだろう。」

 

 

「自身が願わくば5時間眠ることが出来れば、それは勝利だ。それはさておき、立役者は選手たちだ。アンドレス・リリーニは1つの輪を繋げるピースの1つであって、選手たちがプレーをすることが重要だ。彼らが、自分を守ってくれる。メキシコサッカー1部リーグで30試合プレーをすること若者もいれば、そうでない者もいる。経験不足の選手たちを起用することに、躊躇はしない。彼らをサポートしなければならないが、彼らが準備出来ていれば挑戦しなければいけない。彼らがきっと上手くいくと思うし、第2のエリク・リラやホアン・バスケスを発掘しなければならない。」

 

メキシコリーグ 2022年グリッタ後期 第17節 UNAM 2-0 Pachuca

 

PUMASはCFパチューカを破り、2022年後期ステージのレペチャヘ(敗者復活戦)へ進出する

 

 

PUMASは手も足も出ないレギュラーシーズン首位のCFパチューカを倒し、来週水曜日に再び相まみえるシアトル・サウンダーズFC戦について考え始める

 

 

メキシコサッカー1部リーグのリギージャ(プレーオフ)へ向けて、全てが整った。PUMASはレギュラーシーズン首位のCFパチューカを倒し、レペチャヘ進出の最後の切符を獲得した。こうして、2022年後期ステージの王者を目指して、総合順位表上位12チームが出揃った。

 

 

CONCACAFチャンピオンズリーグの得点王(9ゴール)であるファン・イグナシオ・ディネンノによる2得点(後半20分、25分)で、勝ち点22を挙げレペチャヘ進出。その対戦相手は、CDグアダラハラと決まった。この勝利によって来週水曜日に行われるCONCACAFチャンピオンズリーグ決勝戦2ndレグへ向けて、クラブワールドカップ出場を決めるべく士気は最高潮となった。

 

 

アンドレス・リリーニ監督がオリンピック・スタジアムへ送ったスターティングラインアップは、メキシコサッカー1部リーグは諦めてCONCACAFチャンピオンズリーグを優先したかのように見えたが、監督の戦略は異なりキープレイヤーに休息を与えたのみで両方のトーナメントで勝利を目指すものだった。

 

 

PUMASがレペチャヘ進出するという希望は、チーム守備陣の乱れに乗じてロベルト・デ・ラ・ロサがボールを押し込むだけというプレーを線審がオフサイドの判定を下すことで繋がった。試合は中盤におけるボールの奪い合いとなったが、両チーム守備陣がそのスルーパスをカットして、膠着状態となった。

 

 

前半終了間際にPUMASが先制点を挙げるチャンスを得たのは、この試合でメキシコサッカー1部リーグデビューを果たしたホセ・カイセドがファーサイドを狙ってヘディングで逸らしたボールを、走り込んだワシントン・コロソが押し込み損ねた時であった。後半に入ってPUMASはさらに得点チャンスに近付いた。イゴール・メリタオに対するファールの後、マルコ・ガルシアが完全にフリーだったジョゼ・ロジェーリオへ向かってフリーキックを蹴ったが、これは相手ゴールキーパー:オスカル・ウスタリによって阻まれた。

 

 

PUMASはレペチャヘ進出に向けて闘志を剝き出しにして、オスカル・ウスタリの守るゴールへ殺到。アンドレス・リリーニ監督による選手交代起用に応えるべく、まずはレオネル・ロペスがペナルティーエリア傍でファールを得た後、ホセ・カイセドの頭ピタリと合わせたセンタリングを供給。これは相手ゴールキーパーのスーパーセーブに遭い、コーナーキックへと逃れた。再びレオネル・ロペスは右サイドからのコーナーキックを蹴り、これをエリア中央で待っていたファン・ディネンノがヘディングシュートで先制。

 

 

CFパチューカは追い付くために反撃を試みたが、PUMASはこれを巧みに利用してカウンターアタック。これが追加点に繋がった。中盤でファン・ディネンノが奪ったボールを、ジオゴ・デ・オリヴェイラへパス。そしてディネンノがフリーになるまで我慢して、スルーパスを供給。最後はゴールキーパーと1対1となり、強烈なシュートでPUMASのレペチャヘ進出を確定させたのであった。